夕立の雲が垂れ込めているのに
ふりそうにない{引用=まだ降らない
まだ降らない
まだ降らない} その短いようで限りなく不穏な時
夏草の背の高い奥庭
開かれた窓に
夕顔が、何 ....
五月雨の
明けない
空から
ひとつぶ ひとつぶの
落ちる光
※五月雨=さみだれ
・
天の風に
吹かれている
このいのち
果てるまで
つらぬきとおす
・
....
燃える水田の稲穂を前に
たたずむお前の
横にいる
黒光りをしている万水鉱物
私の立っている場所から
そいつの顔は見えない
あなたはそいつに微笑みかける
私に解らぬ言葉を開きながら
私は ....
円い
ちゃぶ台の上に
ひとつ
乗っている
ほほ笑み
何本もの糸を断ち切ってきた中
僅かに残った繋がりの糸
距離は遠く長い
在るという充分
困難で苦しんだ時
在る糸に震えが伝播し
彼方から戻る波動を握る
この手に勇気の熱が湧く
卵の殻から開幕して、鬱陶しい号外の吹雪に紛れる。糸に絡まれ、爪先立ちの練習をする者たちの概念過多症《がいねんかたしょう》。手に馴染む鋏を使わなければ、疑念とは絶てないに違いない。猪突猛進な老婆、敬う ....
深く深く落ちることだけを考えているだけなのに、上手いこと到達してくれないもどかしさ。肩までのしかかる温かさを逃さぬよう慎重に/慎重に。
覚醒状態が鬱陶しい。
またこれも何かを期待している予兆 ....
人として生まれたのならば
死を迎えるまで
強靭かつ しなやかでいたい
この世をすべて理解しているわけではないのだから
真っ白なキャンバスのように謙虚でありたい
この歳になっても好奇心はい ....
会えないことがわかっているから
適当な約束をする
叶わなくていいけれど
叶わないけれども
まだ大切に思っていることを伝えるために
意味のない約束をしたいだけ
あなたの夢はと聞かれ
答えられない自分
無の衝撃が胸に広がり
日常の空模様が怪しくなる
どこかで雷が鳴り
風が吹き雲が追いかけてくる
あっという間に激しい雨に打ちつけられる
....
陽の光を朝に浴び
その輝きに手を触れる時
アナタの纏う衣の
すきとほる純白
わたしを包み込む
そうしてわたしは
わたしの自己存在を
眼を見開き見入り
耳を澄まし聴き入り
....
真夏のフリマ!
結婚式!
結婚式友人代表!
路上の青いシートに積まれたハンドバッグにネックレスにノースリーブのワンピース
青空フリマ!
結婚式!
結婚式友人代表!
白い手袋と百合のコサー ....
驚いたのは
悲しくなかったことだ
生きるなんて
日々病みつづけてゆくなかで
なんとか笑って
こなしてゆくだけの時間だろ
だから夜の夢に酔うのも
やっぱり正しい ....
○「仕事」
便が何日も出ないので
若い看護師(婦)が
いとこの尻の穴深くに自分の指をっつこんで
便のかたまりをかきだしてくれたという
僕はそれを聞いていて
仕事というものは誠にきびしいもの ....
地球の平和を守るために
M78星雲からわざわざ
怪獣や宇宙人をやっつけに
来てくれるのは良いのだが
最後の必殺技が
相手をレイプするというもので
肉体的にも精神的にも
ズタズタにする姿は ....
午前3時に起床
アイス珈琲を2杯飲み
{ルビ微睡=まどろ}む{ルビ眼=まなこ}を排除した
速乾タイツ 速乾パンツ 速乾Tシャツを着込み
釣具・クーラーボックスを車に押し込んで
走ること2時間 ....
話したいことはない
話しかけられて
適当に答えて
ハサミが髪を切る瞬間
地肌に伝わる感触の快感
金属音と共に床に散る髪
やがて掃き捨てられる
さよなら鬱屈
また会う日まで
....
耳の不自由な彼は
音が見えた
と 言った
わたしには聞こえただけだった
目の不自由な彼女は
色が薫った
と 言った
わたしには見えただけだった
後ろめたくなかった
....
酷い痛みに涙するこの頃、己ごと荒れ模様となる日々に散々だと愚痴を吐くが改善は見込めぬまま自室は自堕落の様を模している
今はどうだっていい、耳鳴りが酷いのだから気が済むまで夢の中でもう一つの真夜中 ....
教会や教皇や天皇やドナルド・トランプ
多くの人が求めてしまう
外なる神聖普遍独裁 、
内なる普遍神性の光の大洋 、
誰しもの魂の根底に広がり在るのにね
○「指導者」
日本の野球界では
名選手が監督やコーチをしている場合が
多いようであるが
アメリカの野球界では
プロ野球の経験のまったくない人などが
コーチなどとして入っているらしい
選手 ....
{引用=
青い水面に溶けこんでいる。眩暈。逆さまになったふたりの不定形。ぼくらの身体はまるで揺らめく塔のように、どこまでもながく伸びてゆくように、その揺らぎをなんども繰りかえす。それは途方もなく長い ....
もう二度と会えない
さよならも言えなかった
願いは夢で会うこと
思い出を繰り返し語り
笑ったり泣いたり
居場所を灯す
好物だったそうめん茹でる
そうめんの川にオクラの星
麺 ....
青銅の天空に
白雲の流れ 、
刻まれゆく時に
はしゃぐ子供、
夏の庭先に成人し
昂揚する自尊、
萎縮する帰依、
銀輪の放つ光彩眩しく
罅割れゆく青銅の天空
裏 ....
銀河の岸で
七夕の日
小鬼の私は
手紙を書いた
ムーミンの切手を貼った
結婚披露パーティーでは
知らないところで感情光線が飛び交って
創立記念パーティーに
昔話に埋め尽くされる人の群れ
出版記念パーティーには
活字ではなく論争 ....
湿度の高くまとわりつくような熱と空気の密度に対して、肌の内側からゆるく反発するような力を感じている、夏の昼下がり、こうしているとまだ生きていられると思う、それは当たり前のようで当たり前では ....
放置された骨組みだけの車のそばには細やかな花が咲いていた、二十年も前にそこで中年夫婦の心中があったのだと聞いたのはつい最近のことだった、シートが二つしかない、クラシックカーのようなシルエット、車種 ....
太陽は慰めない
空は悲しまない
雨は歌わない
誰もいなくても
人はそうやって
ながくもなく
みじかくもなく
はやくもなく
おそくもなく
香は燃え尽きる
すべては鏡で
なに ....
それから僕に必要なものは 一片の紙
魔法の杖 空を飛ぶ泉
風 悲しい匂い
屋根を削るための斧
空だけが 静かに齢をとっている
多分僕に必要なものは
一片の斧と 花の匂い
ピンクの ....
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