毎日毎日よく雨の降る梅雨になりました。
独りよがりに恋をするのも疲れるとか
優しさの中には愛を見い出せないとか
あの人の肯定したこの想いが
肯定はされた ....
雨の日は
透明傘がいい
値段の気安さがいい
ドームの曲線を
雨が流れていくのを見るのは
誰かが
泣いているのを
見ているようで
そんな後ろめたさもいい
そういえば女優でもないのに
....
朧な碧い部屋で
私、夢を見ていたのね
溜息一つ、デキャンタと冷めた灰皿
白いレースで覆い隠されて
私の全てが嘘みたい
スローでムーディな音楽を
誰と聞いていたかしら?
花の名前のグラ ....
言いたいことは 隠したら 駄目なんだ
遊びの 隠れん坊にも 終わりが 有るだろう?
翌日 子供たちに 馬鹿にされる 和尚さん
アイツ、俺等が 帰宅したのも 知らなんだ
それでも ....
ランタナのつぶつぶ
少女はコンペイトウ
春夏秋冬 気ままに咲く
甘美の花言葉も知らない ランタナ
ランタナのつぶつぶ
少女は大人のアジサイに
雨季の間 憧れの感情に
無垢のまま 引き ....
雨の降る隙間に
がんじ搦めの自分の昨日を見ながら
傘を差して歩いてゆく
良いことなど無く稼ぎは
全て税金か家賃
それと借金の返済
食事代など手元には残らず
それでも生きてゆける
....
おばあちゃんが
広い歩道で立ち止まっている
休んでいる
キャスター付きの買物袋
それに手を預けてじっとしている
ぼくは遅い昼食をとりながら
目が離せないでいる
....
ポップミュージックとファックした
その次の朝、レコードは灰を被っていた
ので捨てようと思ったが
その前に空腹を満たす必要がある。
白い卵を割って目玉焼きをつくる。
白い薬缶に湯を沸かし、アー ....
俺なんてこんなもんだって思えたら、おめでとう
所詮、俺なんてこんなもんだ
そう、俺だけなら
頭のいい人は
腐るほどいる
アイデアが浮かんでも
すでに考えている人がいる
と考えるべきだ
そこにはパッションが必要だ
人を幸せにしたいと言う想い。
自分がいくら辛くても
他人が少 ....
缶チューハイが降り注ぐ夜
めんどくさい人生が酔ぱっらいのあたしに
くだをまく
だって嫌われちゃったのよ
あたしあたしがきらいになってゆく
缶チュウハイのレモンがあたしに
素直になりなといっ ....
巴里に咲く真紅の薔薇の下に猫
青かびを纏へるチーズ
喜びも光も食べる蝿の王
短めに髪の毛切って芒種かな
葛切りと京の祇園の唇と
蟷螂の子供びっしり葉の裏に
ロッ ....
綺麗になりたいと思って伸ばした爪に入る汚れの多さ
痒いと思って掻いた後に気付く瘡蓋から流れる血
届かないはずの想いを瓶に詰めて海に流したら届いた時の怒り
手をつないだ君との将来の約束 ....
いつかみた夢が忘れられないでいる
酔い潰れてあの人の名前を叫んでいた
原風景は理想郷でしかない事実を知らないフリしてる
遠い遠い昔私はまだ純粋だったはずだ
夕立の後 ....
眠れない夜に
涙が出た
幾粒も、幾粒も…
私の「好き」と
あなたの「好き」は
燃え盛る炎と
凍てつく氷くらい
温度差があって
決して
歩み寄ることはない
....
多分 静寂な夜だっただろう
いつもと変わらない日常が終わり 子供たちはベッドで眠る
大人はたちは静かにお茶を飲み 聖書を開いて神に祈る
いつになく静かな夜に 何の疑問も持つことはなく
未来を築 ....
忘れていたわ
時の砂は音も無く
ふりつむ透明な悪魔だってこと
どこへいようと
逃れることはできない
生の終着駅が死であることから
逃れることはできない
気づかぬうちに
若葉は枯 ....
誰にも触れられない場所に
花が咲いていた
切り立った崖の中腹
そこには
誰も登って来れない
誰も降りて行けない
そんな場所に独りぼっちで
花は気高く咲いていた
小鳥の囀りに ....
光の夢と引き換えに
二人は大きなものを失った
なすすべのない夕暮れ
ひと足早くここに来て
懺悔のように君を抱きしめる
光の体は思ったより身軽だけど
互いを目と目で
確かめ合うこと ....
段差段差
すらりと綺麗な人が
高いヒールでぐにゃりとごろりところげた
うしろを歩く私へ
勢いよくかかとが飛んできた
私はちょうど
小ぶりで可愛らしい
さんかく ....
山よ星よ海よ
さようなら
4畳半の部屋に
閉じこもり
することもない
時の流れに身を任せ
うたた寝をする
蒸し暑い部屋
コーヒーを流し込む
老人の尻を拭き
五穀米を食べ
....
物、その影は
量となり
嵩となる
影という影は
新たな影をつくり
高く目を瞑ると
擬音語のような
か細い音を立てて
雨が降り始める
わたしは先ず
折り急いだ
紙のこと ....
本当に大切なことだけ
教えて欲しい
大切なことは
ほんの少しのことだけ
人を愛し
それを喜べるということ
ただそれだけ
それだけのことが
この世の中で
どれだけ希少か
....
君は駄目だろう
どうしようもないだろうね
君は使い物にならない
君は人間じゃないから
・・・この世にはどこか健康で幸福な市民というものが仮定されていて
そこから一ミリでも外れたらまともに ....
ほんぐもりではない
うすぐもりでもない
うすばれともいえない
どくとくのつゆぞらである
でも 紫外線はいちばん恵まれるという
四季を通じて
いつのまにか ゆびがすべって
....
私の恋人はとても天才
だれより天才
だってマーメイドに花の名前を教える。
「グラジオラスの花の色のドレスが欲しい」
「どくだみの花のような控えめなドレスが欲しい」
マーメイド、
君に似 ....
もし君がいいと
言えば会いに行くのに
もし君がいいと
言うなら飛びつくのに
君からのメールは
ドキドキする
君からのブレゼントは
ウキウキする
ひいては押し寄せる
波のように ....
地面に
言い聞かせるように
雨が降り続く
無色の
絶え間ない呪文が
街を塗り潰す
紫陽花は
すべてを受け止めようとして
雨雲を黙読し
雨傘は
すべてを受け流そうとし ....
君は言う
もう少し早ければ
こんな事にはなんなかったって
君は言う
もっと頑張れば
こんな事にはなんなかったって
みんな言う
もう少し何とか出来なかったの
後少しがいつも足 ....
タケイ・リエの詩集『まひるにおよぐふたつの背骨』は、詩を書くときの自我、あるいは詩を書くときにかかわらず、人間が本源的に備えている自我の在り方について、詩という形式の持つ直接性を用いて我々に訴えかけ ....
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