ぷつ り。
ぷ つり。
私の子宮から
ゆりかごが
体外へと
去ってゆく音
白とピンクの花が混じりあい
知らない色が茂る
どちらも増えようとして消える
相手の居場所までとろうと思わなければ
変わらずにいられたのに
住みやすい土へ
どちらともなく根をのばし
....
彼女はこの夏よくがんばったから
さいごの日に
軽く打ち上げをおんな五人でする
だれもがだらだらしたり
旅行をしたりしているときに
すこし閑散としたいつもの道を歩き
....
あらがわなければ、
と
おもったときには
もうあらがえない
うしないたくない、
と
おもったときには
もううしなってる
こどものころに
走っていて転ぶとき
ああ転ぶな、 ....
物語とゴミ箱は切り離せない―
その夜、籠から逃げだしたハムスターが家から逃げだした。
飼い主の女の子が軒先で名前を呼んだのを私は聞いた。
しかし、公園のベンチから立ち上がる気が起きなかった。 ....
林ますみ「林ますみは無実だ」
天パで頭の悪いムライ「誕生日プレゼントとしてママに好きな女の子とのセックスをねだる御曹司」
天パで頭の悪いムライ「そんな言葉を聞くと俺はゾッと ....
私が彼に会いに行こうとすると
必ず何かがおこる
しかも私の体に
遠距離がはじまって
4ヶ月
1 ....
歯医者にいった
芸能人やスポーツ選手も来ている有名なところだ
副医院長は長瀬智也に似ていた
たいして腕もないのにぎらぎらと自信満々に口のなかをいじられていると
とてもじゃないけど耐えきれなかっ ....
手を繋いで
麓の公園に行こう
木々がある
川がある
きらめく日差しを浴びて
大地の空気を
体いっぱいに吸い込もう
一緒に食べるお弁当
一緒に遊ぶバドミントン
夕暮れの ....
もしも車を降りて歩いた道になつかしさがあるなら
初めての土地だというのに二度と行かないというのに
どこまでもありふれた水田の続く田舎道を
よそ者が歩くのは珍しく少し勇気がいったけれど
私は覚え ....
除隊
のどかな春の空の下
今は嘘のように静かな此処ら
気紛れな線を描いて
一対の蝶々が
じゃれ合うように飛んでいる
「お前さん達は何処に隠れていたの?」
誰一人助からなかったこの場 ....
誰が決めたのかわからないけれど
いつの間にか
どこまでも一列に並べられた
みかんの上を歩くことになっている
一歩踏み出してみる
みかんは潰れ
小さな悲鳴が聞こえる
なるべく潰 ....
.
――からんころんからんころん
暗い道で
私の履いてる下駄の音だけが
辺り一面に広がる
真っ暗な暗闇に
吸い込まれるかのように
音は消えて行く…
....
カメさんは
いつでも上見、
何見てる
おもちゃに耳打ちする
バ
Tシャツ脱いで食べた
ウ
政治家に塩コショウしたいっ
ム
枕がどら焼きだった
ク
幽 ....
うすむらさきの川に指をひたしたまま
舟が帰らぬことを願っていました
あなたは何故そんな
紙の花のようなことを言うのか
とうの昔に終わっていたのに
今がはじ ....
虫けらに
一匹のちっぽけな虫を
叩こうとして
いったい、どれほどの敵を
この虫は逃れたのか
私が殺害しようとしている
この虫は
わたしではないのか
これから、いったい
....
カラスアゲハの
遠慮がちな青みかたが
なんともいえず爽快だったから
ぼくは急いで
シャツを脱ぎ捨てた
もしかしたら肩甲骨あたりに
あるんじゃないかと思って
見落としてきた空への切 ....
みんなもっと頑張れよ
血反吐はくほど頑張れよ
靴底が擦り切れるほど頑張れよ
親の死に目に会えないくらい頑張れよ
日付を忘れるくらい頑張れよ
呼吸を忘れるくらい頑張れよ
おれはここで生ビ ....
くもをたべる透明ないきものが
空に住んでいます
優しいナイフで切り開いて
あの日 歓声をあげて
逃げ水を追いかける
おさな子はぼくですね
ちっともつかまえられないのに
追 ....
花に種類あり
花は花を選んで咲いたか
花はその場が小さな空き地であっても咲くだろう
踏まれてしまえば悲しいけど
また起きるのです
起き上がります
使命感なんかではありません
風がふい ....
公園の水たまりに小さな魚が一匹いた
海水魚のようだった
昨晩の雨に迷って
ここまで泳いできたのかもしれない
このままでは水が干上がってしまう
魚は少しずつ弱っているように見える
....
戦略を持たない国だと自嘲するのはやめろ
出張の空は群青いろになっていった
リスクのとれない国だと軽くみるのはやめろ
どぶねずみ色の雲や空が群青になっていった
グローバル化という ....
妻が出勤してさびしく聖句を開けばカインとアベルのことが出ていた
聖書の助言に感謝してエホバの愛の証拠と見るようにと
今日一日聖書を読みて過ごそうと心に決める朝のしじまに
今日は凹むことがあって、なぐさめてもらおうと、たくさんの友達にメールしました。
あれだけ応援してくれたのに、みんな、
「残念だったね」
って、それだけ?意外と冷たくて、よけい凹んでしまいました。 ....
思い出の
ベスト盤まで売り払い
家賃に替えて
明日を目指した
晩ご飯の魚と目が合った日のことを、覚えていますか。
腹の中の子まで食われ白骨化してるくせに、目だけはしっかり残ってやがった。
ゲーチェなんかがそう言っていたことにして
正しさってさ、使命感の ....
きょう楽しくて
たくさん笑ってしまったから
きょう死ななければならないな
と
おもった
したしい浴槽に
清潔なおゆ
わたしのからだは黒ずんで
おおきな澱
しっている
海はも ....
なぜかはわからないけれど、世界はとおくにある。
朝顔の花でつくるいろ水や、
海辺でひろう角のとれたガラス、
いいにおいのする果物の皮
そういう、心地よくて意味のないものになりたかっ ....
『アルマジロの歌』
ケダモノでいるのがヤになって
鎧を脱ぎ捨てたアルマジロ
その背に無数の矢を突き立てて
ヤツはのそのそと歩く
痛みは戻った
....
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