詩人は
詩を書いて
なんぼである。
詩を書かなくなったら
終わりである。
死人となる
詩人は
書き続ける
運命にある。
短いから長いのである。
詩は感情の爆発だ!
思 ....
終電間際の改札口は 大勢の人々で溢れていた
貴方を待つ私は 渦の中で戸惑いながらも 眼をこらしていた
そこに在ったものは 内に秘めた願いと 様々な色や香り
「お疲れ様」 貴 ....
押勝の横顔は
琵琶湖に沈もうとする夕日
の照返しを受け
朱く染まっていた
湖畔勝野の鬼江から
船を出し、助かる見込みの無い闘争
せめて家族はという家長の気持ち
そんな気持ちも家族は一 ....
トマトジュースの喉ごし、気に入らないざらついた酸味、砂場まで走っていこうなんて考えていた、朝焼けのうすいひかりは手抜きの水彩みたいだから。もっと冷やして、かたくして!直視する鉄棒の錆、むかし好きだった ....
{引用=
増殖していくものはいつでも潮のにおいがする
侵されてふくらんだ節に
くちびるを近付けて躊躇う暁
赤色の中指を
所在なくわたしの腹のあたりで止めた
おなじ濃さで ....
やさしいものをみたくって
あるいてかわをわたったよ
ねじをまくのをやめたから
おとはとまってむねはしずか
くうきはずっとあめのにおい
すいこむけしきがとうめいになる
かみからお ....
文字に手をかけて
広げてゆこうとするけれど
かたくてとても広がらないから
あきらめそう
旅にでたくて
背伸びしていた
わたしの中に
あるはずのない世界に
わたしはいない
....
声高に叫べないから
文字の裏にスルリと隠す
ほとばしる感情をメタファーにゆだねて
苦く噛みしめる思いをほどいて昇華していく
そうやって幾つ言葉を散らしてきたのだろうか
押し黙 ....
私の生活が
思惑が
願いや祈りが
喜びや悲しみが
虚ろな無知が
不断なる憎しみが
この雨に
濡れそぼる
外で飼われている
年寄りの秋田犬が
人の通り掛かるのを
眺めている
....
未明に。
未明に原発が白に包まれた。
霧なのか水蒸気なのか分からないけれど、幻想的で危うい光景だった。
夜はいつも湿度が高い。
太陽が奪わないぶん、ひたひたしている。
昼と同じに水分 ....
私はもう、おんなでいたくないのです
*
夜中になる前に、
私がまずすることは
夜の空気に右腕を入れること
ぐるぐると掻き混ぜると私と化学反応をおこすので、そこでゲル状にな ....
●
いったいこれは何の会議だろうか。ただ、つい最近もこういった会議に参加した気がするので、きっとわたしに無関係ではないはずだが。しかし、みんな一体何を話しているのだろうか。な ....
あっというまもなく発射オーライかけ声もなくあ〜とかたもなく
あぜんとおぜん
ひっくりかえり
なすすべもなきもなさけもなくもないのに
ないのはないよう
たれながされた
たらしがたらしにたらしめてためしに ....
目の前にある一杯のぐい呑みに溢れた
桜政宗の燗酒をぐいと飲み干す
その傍らには酒の肴の赤身のマグロと
今日一日の痼(しこ)り
プルンと小鉢に鎮座して、
それを箸先で舐め
全てを忘れる切 ....
あぜ道にはよもぎの群れ
なつかしい香りがきて
足をとめ
瑠璃色の頂をあおげば
中空にひびく
ひばりたちのクーラント
くり返されて
増幅されていく営み
遠ざかったもの
遠ざけ ....
一日忙しく働いた後
たった五分でも本を読めば
のんべんだらりと過ごしつつ
一日一冊本を読むより
開いた頁の一行が輝くかもしれない
毎日なんにも悩まずに
呆けた顔をしてるより ....
古書店で偶然みつけた
昭和二十一年の「 四季 」という詩誌の
頁を開くと、誰かの髪の毛が一本
栞になって挟まれていた
「 すて椅子 」という題の詩の中で
公園に置かれたすて椅子 ....
単身赴任の父ちゃんが、
短期休暇を貰って帰ってきている日、
ぽつり ぽつり と温かい犬が降ってくる
灰色の空から降り落ちる黒い雨とは好対照に、
青い、とにかく青い空から、
主に茶色、のコーギ ....
ウッピーヤッピーハッピー
前進あるのみ
困難に立ち向かい
運を味方につける
腹に力を入れて
踏ん張る
背中から炎が
揺らめく
理系は中身で勝負!
若いうちは体育系
中年は文 ....
ロッピーありますかロッピーはお持ちですか?って毎朝毎朝うるせぇんだナチュラルローソンの山下(キレイ系かつコワイ系。もし結婚とかしたらこづかいの最後の一円 ....
橋の上で兄は星を数えていました
すぐ横で私は橋を数えていました
星は数えきれないほどたくさんありました
橋は私たちのいた橋ひとつだけでした
何度数えてもひとつでした
それが兄と私 ....
写真を撮らなくなって一年ほど経った。しかし少しまた絵を描くようになって、カメラを使っているときにはほとんど絵を描いていなかった、文章だけはいつのときも書いている。
物事をおこなう上で(ここでは創 ....
あらゆる事象は往々にしてひとつの地平に閉じ込められる。
*
時間に切れ目を入れるようにして生活が綴じてゆく。
*
猿の脳みそを吸いだした。
*
斜視の女が窓のす ....
「水にならなければいけない、氷になるため、黒い液体の注がれた水槽に、地球は浮かんでいて、回転すると、ぬれた部分が夜になるから、ここで、産んでもいないのに死んでいて、生まれてもいないのに殺されていて、わ ....
宵の頃から明け方まで
天の雪が静かに降りて
町ぜんたいが真っ白な
画布(カンバス)でおおわれる
朝になれば
小さな者たちが
家々から画布の上へと
皆いでて 息を吐き
それぞれの絵を ....
週末、
普通預金から、5万5千円おろして、
土曜日にひとり、
日曜日にひとり、
可愛かった、お気に入りのデリの子を、
部屋に呼ぼうかと、さんざん思いつめたけれど、
水曜日に彼女ができた ....
小さな山みたい
すそ広がりのひと
わらってもその裏になにかが
ありそうな気がする
あなたの背中から
いろんな匂いがします
いい天気でも悪い天気でも
太陽が背景です
汗がひたいに ....
Spring has come.
バネがやってきました
おつかまりください、つり革や手すりに
急停車をすることがあります
電車は事故防止のためにです
このまま直進五十メートル右折 ....
{引用=
音源:http://www.myspace.com/slymelogue
}
女の子がもっている
世界にひとつのキャンディを
王様がほしがって
女の子をつかまえた
{引 ....
今朝のブレックファーストで
身籠った妻は、{ルビ忙=せわ}しい{ルビ最中=さなか}に
かしゅっと一つの卵を割って
暖かいベーコンエッグを
僕の部屋まで、運んでくれた
Golde ....
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