排水パイプの中で沈殿した昨日が嫌なにおいを立てる生温い春の、腐った血液のような時間の行進だ、おれは目玉をぐるぐると回しながらなんとか収まりのいいチャンネルを見つけようとして夜明け前から躍起 ....
羊の影が
小径を歩いて行くのがみえた
人も居らず ごみばかり落ちている
その小径は雨の臭いに満ちていて
もう
まもなく、
日暮れが訪れる
マフラー ....
誰もスペリオル湖の悲哀を知らない。
誰もミシガン湖の慈愛を評価しない。
誰もヒューロン湖の出生に言及せず
誰もエリー湖の瑞々しさに気づかず
誰もオンタリオ湖の覚悟を知らない。
知らないで ....
たらいに水を張って
カーテンを沈めると
昨日の夕焼けが
染みだしてきた
わたしはそこに足を浸し
夕暮れが指先までゆきわたるのを
感じている
ため息ひとつ
だいだい色
真暗な部 ....
この花は
私に名前をおしえない
もっと大きな
深いものことをおしえる
おしえてくれる
花を知った朝
沢山の人に読んでもらおう 色んな人に批評してもらおう そんなの傲慢じゃないですかね 特定の人にだけ読まれ ただ情報だけを提示し すぐさま廃棄されていくけれど 物事が機能するためには不可欠の言葉が世の中 ....
もうだれも おれがおれだと わからない
ふかいあな ほってもぐるよ ざんねんだ
ちのいってき それすらも ちのそこじゃうすい
ねえ そこのきみ ぼくはもぐらぐらしだ
....
春になるとあらわれる
円い緑の丘がある
その丘はいつも
すこし遠くにあらわれる
だからそのてっぺんに吹く風を
わたしは知らない
その丘の上の空は
昔に書いた詩たちが
掠れて消え ....
与太話もひとくぎり
タバコくわえりゃ、そっと広告入りの百円ライター
泣いちゃうよ、マスター
人々が果実のように生っている
呼ぶ声が開く匂いの輝きに
寄り添うように開きだす応える声
こんなにも血が発酵した生き者同士
互いの表皮には場違いな分電盤が
静かに接続されている
....
4
始
視
試
思
資
She
紫
糸
私
使
仕
志
刺
止
子
師
至
士
死 ....
夏が秋のぶんも働いている
俺ももうちょっと真剣に愛の効能を信じたかもしれない
人知れず夕焼けが暗闇に替わってゆくそのモノガナ ....
生きていると
うれしいのだと
悲しむ 意味を
時計の針に探す
賑やかな日
目が覚めた世界 僕は
開いた本は 捨てて
目を開いたままでいる
小枝の別れめに すごした雪が溶けかけている
のしかかられた小枝は いつも 問いはしない
さまよいながら 降り募る 重さにただしなり
折れたら落ちる 回る季節に巡りを てばなし
花芽を ひとつ連 ....
向かい合わされた二つの椅子の一つに座る
誰かの温もりがまだ残された椅子に
浅く、前屈みに
向かい合わされたもう一つの椅子に
客人が座る
深く、めざめに
もたれ
客人の手の甲に ....
父がハーモニカを吹く
孫らに
子らに
万感の思いを込めて
「花の街」を吹く
私は父が奏でるハーモニカが好きだ
80歳になっても奥深い響きは変わらない
何十年経っても変わらない響き ....
眠れ
眠れ
いまは
亡き者よ
眠れ
遠くへ
遠くへ
行って
そこで
眠れ
もう
帰る
ことの
ない
遠くで
眠れ
眠れ
....
藍色など
群青色などと言って
壊れないで下さい
星が点滅する
或は惑星、
と言うか
全ては夜の表に光っている
私は私の肌色を光らせて
草原の上
月の下、
或は上
....
小さいころ、春になると
ばあちゃんと手をつないで
つくしを摘みにいった
いつも風が強くて
河川敷にはいっぱい
つくしが伸びていた
シャツにてんとう虫をつけて
ビニール袋につくしとタンポポ ....
そして
げんこつが口から出なくなっている
そして
窓もない玄関もない俺の部屋
そして
掃除してエアコンつけて誰もこない
そして
スロー再生しておっぱい見えない
そして
口裂け女の胸を ....
自分の言葉や 生活が
薄っぺらく 感じてしまったり
誰かのココロがが ペラッペラと
透けて 見えたりした 瞬間は
頭の中で 和紙を 作る
昔ハマった「織り姫」おもちゃみた ....
「会社が潰れるかもしれない…」
夫が青白い顔でポツリと言う
「そう。じゃあ、じたばたしても仕方ないわね」
私は、パッションフルーツ入りの
プレミアムヨーグルトを食べながら答える
視線はス ....
街角で
色々な人間とすれ違う
陽気の中を
何か忘れて
そして短い詩を書くだろう
靴を履いて
静まった街に出て行く
誰かと会いに
行くのだろう
行くだろう
わからないが きっ ....
揺れる心地よさに
居眠りしていたわけではないが
通過してしまった駅があったという
ぼくを待っていた人に気付かず
遠ざかった町
乗車駅の ....
初めて現代詩を読んだのは、柏駅のビルにある書店で現代詩手帖を立ち読みしたときだった。当時私は19歳で、漠然と沢山の出会いを受け身で待っている孤独な少年だった。だが現代詩は私のそのような欠落を埋 ....
ゆっくりと
頁をめくる
それは
何かを
惜しむような
誰かを
見送るような
こころもちで
結末を
知ってしまえば
この手の中の
物語が終わってしまうから
桜は咲いて散る
....
目ェ凝らすと
吹雪のなかサ
色んた色した人たちが
手ェあげておどってらった
赤ェの青白ェの、黄色いの
さまざまな手やら足が
終わりの雪のなか
ヒラリヒラリとおどってらった
あぁ ....
鳥の姿の失せた空には
鳥のかたちの欠落がある
影が消え
言葉は失われても
羽ばたいてゆく記憶が
風車をまわす
失われた鳥の形の
風が舞う
私は
声を出せるだろうか
....
窓は小さなほうがいい
のかもしれない
見えすぎて困っちゃう
見られすぎて困っちゃう
市販のカーテンじゃ合わせにくいほど
大きな窓なんか
結局あとで困るだけ
窓の無い部屋は
時々すご ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170