道を歩くと つい最近まで、卯の花や すいかづらの匂いがしていたけれど、季節は進み 香の蒸散するスピードも早くなり、このごろでは すっかり緑の陰ばかり探してしまいます。神社の石段下っていると 眼下に鳥居 ....
草の実は、苦くて酸っぱい。
子供の頃から、虫は好きだった。
うつむく生活を続けていたら、とうとう草むらの中に、顔を突っ込んでしまった。
緑色の空気がいっぱいだ。これで虫になれるかもしれない。そう ....
地平線にぼんやり見えるのが隣町
だだっ広い草原の上には
流れの早い雲
鳥が止まり木を探して飛んでいます
一軒だけ建った
大きな屋根の小さな家
花壇には草やら花やらが
ごっちゃにな ....
得意げに作ったものが
ゴミだと
いわれなくても
おもったときは
どうなのか
最近つめたいのは
同棲しているから
愛してただの
此の世で一番だっ ....
出棺を待つ君は安らかな表情で
首筋にあるべき索状痕は目立たぬよう化粧を施され
凄惨な最期を遂げたようには見えなかった
呼びかければ目を覚ますのではとか
冗談が過ぎたかな
頭を掻きながら棺 ....
燃え{ルビ滾=たぎ}る汽車が
青白い草原の海を駆け抜ける
焼き切れぬ想いを馳せた
米粒ほどの露の身を乗せ
今日も間引くことなく 汽車が走る
私達では この手で{ルビ掬=すく}えなく
....
俺達の言葉は
射程を持たぬ(山本太郎「行方不明の言葉」から)
詩は
言葉の意味が
無限定に使われて過ぎている。
しかし、
僕は詩を書く。仕事の合間
苦しみ楽しみある時は
....
夏、炎天下
デブ、はしる
すごい 勢いで
デブ、はしる
デブ、汗、噴き出る
すごい量の
デブ、汗、噴き出る
デブ、汗、飛び散らせる
通りすがりの人全部に
デブ、汗、飛び散 ....
見上げた空は透き通る青で
白い雲は海を泳ぐように移動する
何処までも青いキャンバスは
何でも描けると
君は眩しく笑っていた
風が通る白い部屋で
私は小さく丸くなったまま
窓際の花瓶の ....
蝶々結びをして
眠たい人は眠って
それで構わない
犬の耳を噛っても
壊れたペットボトルでは
水、そのものを
飲むことはできないのだから
交番がボンヤリと光る、今夜
月 ....
....
夏の原形質が撒き散らされる
鳥たちは水晶の葉裏をもったまぶしい植物を運んでくる
虹が永遠の時を宇宙の襞に刻み付け
人はみな消え去る
寒いときはストーブのかわり
暑いときには
砂浜と風鈴のかわり
あなたがいれば
うれしいときは歌のかわり
かなしいときには
ぼくの心とから ....
{引用=夏のおもいでっていうもんが
裸足で踏みしめる畳の網の目につまっていくもんなんやと思って
お風呂上がりにちゃんと足の裏を拭いたり
できるだけ汗をかかんように制汗剤振ったりしよるわけじゃない ....
顔に傷が出来たなら
部分仮面で隠さなければ。
抱える傷が広がったなら
部分仮面を大きくしましょう。
顔が傷しかなくなったなら
部分仮面はただの仮面。
仮面が自然になりすぎた ....
先週
友人の通夜のあと
これ幸いと
「フクシマ」
であれでしょう?部長
とかいって
一週間会社から
はやめの
「節電」夏休みをとって
で南米を
ヒッチハイクでう ....
センチメートル、ミリメートル
なんでもいいから測りなさい
ああ神さま、仏さま
定規はうちに置いてきた
あたしは定規を忘れたの
あたしの隣の男の子
吾は戦国武将なり
いざセップクつかま ....
雪の上の戦争が生をふみつけにする
街路樹の影という影に湛えられた海が
カラスたちを痙攣させる
水晶は汗をかき
光は素早く分解される
青空めいた少年の白昼夢が
空気に曲線を描く
私は夏の淵 ....
{画像=110709105543.jpg}
金魚鉢のそれのように、
一つの世界がそこで完結するとすると、
地球が再現され、
宇宙が再現され、
ついに発生する突然変異に、
ビオトープ ....
レストランがあった
メニューのないレストランだった
テーブルクロスがなかった
テーブルも椅子もなかった
シェフがおらず
給仕もいなかった
屋根はなく、壁はなく
建物すらなかった ....
商店街の提灯
もう七夕だ
熱いアスファルト
かき氷食べたい
打ち水をする
おばさん
自転車のお巡りさん
豆腐売りの兄さん
寿司を握るぞ
猫も喜び
ビール片手に
暑気払い
....
山々の隙間に
山桜が咲いているよ
ドライブで見に行こうよ
まだ花見には間があるから
コンビニのおにぎり
シーチキンとか持って
ドライブで見に行こうよ
淡い桃色の花だけど
散りそうもなく ....
僕らの道を
導くのは遠い
羊の瞳
冷たく澄んだ
あおい水が
てんてんしたたる
僕らの道と
それから血管
僕らの道を
導く導火線
あかく燃え立つ
みずうみの重みも澄み
そ ....
暑中お見舞い申し上げます。 たま
地下鉄
地下鉄はまっすぐ走るものだと思っていた
車体が傾いてとなりの女の顔が急に近づいた
ね、 複雑でしょ・・
耳元の吐息はいつも体 ....
青らむ、夏の
わたしの首すじ に
風がひそかな挨拶をおくる
揺れやまぬ草の穂先のいじらしさ
痺れた指でもてあそびながら
あなたのことをかんがえる
青らむ、人の
まなじりの ....
....
さかしま に
決壊した真昼の
いっさいの裂け目に
わたしたちの、崩落した
白い希み
が、滴り
直立した灰、の
凪いで 碧さ
のきみは 等しく
舗道に轢かれて
いる
* ....
空の横顔を
私たちはながめている
空はいそいでいるから
いつだって横顔
髪がさらさら雲になり
息がたなびく風になり
通りすぎたあとは
しっとりと夜になる
なにも言わぬ横顔の ....
133メートルの高さから毎秒1トンの水が落下する那智の滝。その天水が流れ込む海のあたりに温泉がある。
太平洋に向かって大きな口を開けた洞窟の風呂。忘帰洞という名前がついている。
目の前の岩礁で砕け ....
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