降り続く白い冬
いまはただ
うつむいた雪が
降り積もってゆく

脊髄が 錆びついてくるのを感じる
骨が膠着し 何も言わなくなると
ますます冬は
冷たくよそよそしくなる
寒さが喉で固ま ....
バックスペースで
だいじな文字から
消していく

逢いたいな
逢いたい
逢いた
逢い





跡形もなく
この世を去った

文字や
私のため息が

抜け殻の ....
君がリリアン編んで
見上げた空は花と同じ色で
ぜんぶ、ぜんぶ春だった

ゆびさきで、光源をたどる
なくしたもののかたちは
思い出せないけれど
なくしたものから芽ぶいたのは
街でいちばん ....
結婚前の嫁さんを僕は(きれいだなぁ)
と、うっとり見ていた 

結婚後にいつも一緒の嫁さんは、時折 
いもに見えることがある 

高熱にうなされ 
布団からふらふら身を起こした僕に 
 ....
昨夜の口喧嘩の
後始末もそこそこに
降り止まない雨の中へ
ぼんやり歩き出す

昨日より重い靴底
視界に覆い被さる雨傘
押し黙ったまま濡れる自転車
舗道にすがりつく安売りのチラシ
 ....
{画像=120223235940.jpg}



欠けた塊の怒り


輝くような怒りはあるか?
物質のように堅い岩石のような怒り
傷ついて欠けてしまうような怒り
純粋で結晶していて ....
空も
海も
荒れている
鉛色した浜辺に
鈴をなげる
こんな日であっても
ひとは
生まれ死ぬのだろうか
鳥たちは
季節を選ぶというのに
どんな理由があって
生まれ死ぬのだろうか
 ....
わたし まくら もうふ
わたし まくら もうふ
三層に連なる眠りに寒さはおりて久しく
外気に触れた右人差し指は人肌を求めて冷たく
わたし まくら もうふ
わたし まくら もうふ
わたし 
 ....
何をためらっているの
細胞が覚えているでしょう
心が脈打つ度に感じないの
いのちを抱きたいのでしょう
肌が泣くほどに抱き合えばいいよ
後付けの科学は興味深いけれど
あなたはあなたをもっと
 ....
                 120218



博物館に向かう途中
遠くに動物園が見えると聞き
そのつもりで左方向を眺めたが
生憎、整備工事が行われていて
遠目が利かない
そ ....
自分の人生を愛おしんで
ここまでつき合ってくれた
セーターの青ミックスの色を
両の腕に抱きしめる

コープのお店に並んでいた
赤ミックスも緑ミックスも
好きだったな
モールのセーター
 ....
{画像=120219045735.jpg}


最近不思議な夢を見る。
ぼくが眠ると夢の中のぼくが目を覚ます。
夢の中のぼくが眠ると現実のぼくが目を覚ます。
会社の会議中に居眠りをしている ....
まだ幼い頃
家族で夜の海へ
泳ぎに出たのだろう
若い夏草のような
家族で
私は玩具のように
小さな浅黒い生き物
だった

海もまた
生き物だと
生々しく感じたのも
それが初めて ....
在りし日の粗雑さ

ほこりのまじった水の匂い

ひとつふたつの梅の香です

あなたの帰り道愛おしくて

思いが詰まってる


もうすぐ春ですねえ

梅がひと枝ほころんでいます ....
蛇水愛
それは
愛の けはいに 水をさすこと

プリーズ
という声が聞えた気がして
ヘルプ
だったかもしれない


ありがとうを
ありがとうの意味のままに ありが ....
不幸の似合う女優さんって
近頃みかけないよね

それだけおんなが幸せになった訳ではなさそうだけど

ひたすら運命と向き合う生き方って
求められていないのかな




冬の日差し ....
暗いそらのした
森の樹皮質のぬくもりが、
重さをました広大な冬の夜をささえている


不思議な安寧をやくそくされ
みちびかれるように 生きる
神々しく 雪をいただいた山のうちふところで
 ....
虎穴に入らずんば虎児を得ず

君子危うきに近寄らず

どちらが本当なのかが問題なのではない

君子は虎穴には入らないのだ

虎児を得ようとはしないのだ

これは君子の消極性によるも ....
自らの意思に反して 
もう一人の私が 
何処か遠くへ歩いてゆき 
おーい、と呼んでも聞こえない 

永遠に列車の来ない 
線路の上を歩いていたら 
地に伸びる私の影が、口を開き 
耳傾 ....
今はもう忘れてしまったけれど
たったひとつ、
おぼえているものがあるとするなら
朝の理科室で
フラスコに入れた無色透明な液体 ....

ある日の深夜

僕をじっと見る
餌の器をじっと見る
再び僕をじっと見る

知らんぷりして
パソコンに向かっていると
いつの間にか後ろに回り込んで
爪が出ていない肉球で
僕 ....
殺してしまえと
唐突に言う私の
死後の粒子が
太陽に戻る日がやってきた。
すでに月はない。
粒子であるから
小さな点ではあるが、宇宙は
振動する紐
であるらしいので
小さな紐とも言え ....
何かが{ルビ蠢=うごめ}くのを背中で感じた
後ろを振り返れば
モゾモゾと動きまわる

何一つ微動だにしない筈の
心の虫は笑いながら蠢く

痒さは手では届かず
イライラで集中できない
 ....
はじめての電話口での溜め息は
恥じらいながら憧れの色


「何色か聴いてみたいなきみの声」
「歌った声に似ているみたい」


話す声は低いのに不思議だよね
愛(かな)しがる声は高くな ....
現代音楽のようでいて

懐かしい旋律も現れたりする

シマノフスキーにはそんなピアノ曲が多い

冬の夜に近い朝

外灯は暗い空に圧されるように

地に貼りついていた

柔らかな天地の香り

宇宙から与 ....
遠くのほうで 貝殻色の天蓋に
やがてちいさな穴があき
こぼれる石笛の一小節を縫い付けた
あかるい羽衣の 恵みを象徴してもたらされるもの


鉱物たちがふくんでいる 大きな知恵の営み ....
唇のほくろをただ一心に吸い続けていたい

ひとを受け入れてゆくこと

おなじ苦しみのなかで信じられる存在でいたい

自己をかさねてなにものかを畏れる

そのなにものかと約束しよう

 ....
飲み屋の座敷で 
一人酒の盃を傾け 
いつしかこの頬は赤らみ 
脳みそは何処までも歪み 

おぼろなる意識の内で 
{ルビ転寝=うたたね}にかくんっと首の抜ける時 
夢の夜空にたった一つ ....
部屋の東側にある窓の向こうから
そろりそろりと気配を感じた
冷たい空気にかき回されて
輪郭はひどくぼんやりとしている
わからないけど
生え際にだって届きそうな気がした


ベランダで育 ....
窓からはしずかなる灰色

雨の日の午前の喫茶店

そのぬくもりやひかり

その湿りが好きなのは

自分を大切にできるから


コーヒー一杯の香に

視界や胸を任せていられるから

悲しみやその痛みに
 ....
……とある蛙さんのおすすめリスト(3008)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
あしあと- 山人自由詩21*12-2-28
バックスペース- umineko自由詩6*12-2-27
春の記憶- あまね自由詩2612-2-26
いもと嫁さん_- 服部 剛自由詩7+*12-2-26
表面張力- nonya自由詩28+*12-2-25
欠けた塊の怒り- beebee自由詩27+*12-2-24
立つ- たま自由詩26+*12-2-23
もうふ- 凛々椿自由詩10+12-2-22
ためらい- たちばな ...自由詩15*12-2-22
動物園- あおば自由詩8*12-2-20
ひとときの嬉しさ- 木原東子自由詩26*12-2-20
リアルな夢_/_最近ぼくは不思議な夢を見るのだ!?- beebee散文(批評 ...18*12-2-19
黒い海- 真山義一 ...自由詩40*12-2-17
思いが詰まってる- 吉岡ペペ ...自由詩612-2-16
蛇水愛- るるりら自由詩14*12-2-14
Shadow_Dancing(向き合うひと)- 恋月 ぴ ...自由詩24*12-2-13
わたしごと_冬の先- 月乃助自由詩24*12-2-12
君子危うきに近寄らず- 吉岡ペペ ...自由詩512-2-12
もう一人の私_- 服部 剛自由詩8*12-2-11
『枠のなか』- あおい満 ...自由詩12*12-2-11
鳴かない猫- nonya自由詩27*12-2-11
プレーンな日々の秘法- within自由詩6*12-2-11
心の虫- subaru★自由詩20*12-2-10
色と声- たちばな ...短歌1312-2-10
シマノフスキーの調べ- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...612-2-10
即興(春を待つからだ)- あまね自由詩2012-2-9
唇のほくろ- 吉岡ペペ ...自由詩112-2-8
星の友達_- 服部 剛自由詩6*12-2-7
冬ざれの朝、光の生え際- あ。自由詩12*12-2-7
雨の日の喫茶店- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...212-2-6

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