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ヨルノテガムたちが寝静まった夜
ヨルノテガムたちの月は空を埋めつくした
明るいなぁ。そして、
苦しいなぁ。と彼らのひとりは洩らした
踊るヨルノテガムたちの首筋に風は舞い
....
ブラック・ライダーが首筋を滑る音があまりに心地よくて
日付の変わるころに眠りを忘れたんだ
隙間だらけのパーカッションの
間を縫うようなダミ声のエコーの中に神が居た
神なんていう ....
いつかおまえの胸もとに流れた歌のことを思い出す、たとえばとある冬の
心まで凍てつくような寒い寒い夜中のこと
くすぶるだけのストーブ、空っぽのキッチン、それでも
あの時お ....
書き起こすべき信頼できる白い紙が要った ペン先も
尖らせる紙でなく 存在感の無い筆が進まねば
と 作者は目を閉じた
身軽に 身軽な 子供の歩みを
憶えている所から深く探り出して
....
観音さまは
山に身を埋めて
どんな時でも
じっとしている
人々の隠し持った
哀しみを
瞳を閉じて観るように
じっとしている
弱い私が
揺らぐことの無いように ....
幽霊が豆腐を食べる
冷や奴より冷えた幽霊の
行儀の良いイタダキマスの
青白さを競う口元の
豆腐の角ばった立方体への怖れと、味わいの
幽霊声は、静かに しょう油派?
ポン酢派? をうらめ ....
横たわる過去に手を添えながら眠った
まだあどけなさの残る女の汚れた横顔
真っ直ぐに純粋を求め過ぎてしまって
気づいた時には取り戻せないほどの傷みを背負っていた
溢れるほ ....
水曜日には地底に潜る。火曜や木曜日ではない、わたしの爪は水曜日によく伸びる、まずアスファルトに爪を立てる、アスファルトは硬いがわたしの爪はそれよりも硬く尖っていて親指の ....
住む人の居なくなった実家
風を通すために帰省して
東京に帰る日の昼食は
味噌ラーメンが美味しいと
親父が通っていた店で食べる
若いころ札幌で食べた
味噌ラーメンの味に魅せられた親父 ....
{画像=080907104708.jpg}
神社の縁の下は雨宿りの場所で
みんなの隠れ場所だ
賽銭箱の階段の脇から入って
宝物を蜘蛛の巣の奥に隠した
捨て犬も捨て猫も一緒に連れ込んだ
....
ボクヨルノが杉崎美香と相撲取りが着るような
大きなTシャツに二人で入ってイチャイチャし
ているとべらんめえに酔っぱらった綾瀬クンが
先生 酒、飲みましょうや酒といって肩を組ん
....
釣りは飽きてしまったようだ
さかながいないからしかたがない
父さんだけが夢中になって
往生際がわるかった
ふりむけば
木のベンチで息子がねむってる
一億年前から
そうしていたよ ....
吐こうとした言葉はすべて懐に隠して、手元で何度となく弄んできたようなものばかりを並べて、それを予防線と呼ぶことにしてなんだか満足した、申し訳なさを匂わせるみたいに段階的に光度を落として ....
皆が笑顔で集う
不思議な海の中心で
貝のこころを開いて
歓びを分け合うのも自分
ふいに人と話せなくなり
深海の暗闇で
貝のこころを固く閉じ
独りきりになっているのも自分
....
美術館とかで
ガラスケースに入れられたり
「触らないで下さい」って
貼り紙の隣に置かれちゃってるアイツらさ
ナイフにフォーク
スプーンにお皿エトセトラ エトセトラ
一体そんなところで何やっ ....
この世の中の
99ぱーせんとは
まったく可笑しな冗談でできている
のであ〜る
からして
かつて古の先人が
「目には目をっ・・・!」
と言ったように
吾輩は ....
050115
みじんこ
こすもす
ゆりの花
左うちわの
いもようかん
ひっくり ....
廃村の外れで
垂れ下がった電線が風に吹かれている。
壁や窓を叩いている。
置き去られたカラーボックスに
アニメのシールがでたらめに貼りつけてある。
清掃車のオルゴールが近づいてく ....
あなたを忘れたかった
あなたはヨルノテガム
苦しい昨日の夕暮れの名は、
悪者のいない 味方の集まらない
必殺技をあみ出せないわたしのヒーロー。
初めて鼻血を出したのは ....
取りこぼした一日のことを思いながら濡れた路面を漂っている午後の温い焦燥、底が破れ始めた靴のせいで靴下はすぐに嫌な湿気を持つ―吐き出したガムの形状が悲惨な最期を遂げた誰かみたいで、名前を ....
{引用=副題:狙われた街/狙われない街}
こんな日はめったにないけど
たとえば
なにもかもが真っ赤に染まる絵のような夕焼けの日
空は思いのほかよごれてしまって
あるいは記憶のな ....
クリアブルーのスカイの中に融けてゆく影、背中に置手紙は無く
風に混じる最後の言葉も無かった
黒い刃物の様な
羽を広げたカラス、ある種の領域を制定するみたいに
いくつかのリングを ....
秋の日に桜の枝を締め殺す
王冠が水に溶けて
変なの! 変なの!
明日のない海の、揺れの
静かに氷が焼け 氷柱が身体の芯に
首傾げる山脈
あなたの願いは叶うように出来てい ....
赤子持って来い
蹴るための
持って来い
赤子泣かして 博打に向かう
赤子泣かして 博打に走る
博打や博打や 博打持って来い
赤子泣かして 博打に謝る
勝たんなあかん 勝たんな ....
「明るい私」を演じる日々に疲れて
休日は体を丸めた蓑虫となり
布団に包まる
{ルビ転寝=うたたね}の間に
夢の運転席で僕はハンドルを握り
並走する左の車線に
追いついてきた ....
対岸の国では草をすり潰し
木の実と茹でて 主食として食す
水を汲みに片道7マイルの道程を歩き
隣国の1/30の金額で
売春が成立する
先生と呼ぶ女の声が
先生と呼ばれる男の肩を振り向かせ
女の顔は無邪気なノッペラ坊であった
男は女の顔を描いてやろうと創作へ向かう
女は先生お手伝いしましょうかと歌い出し
男は ....
森が削られ丘になり
その天辺に創られた
天との調和と書かれた
ベットタウンのオブジェ
駅から延びる道に
造られた顔が歩く
均一的な箱の中身は
豊かさに満ちてい ....
神秘的な病だこれは
外界からの様々な抗原
防御するバリアー機能の低下
のみならず
IgE抗体の過剰産生により
じぶんを傷つける
新しい湿疹と結節が
じぐじぐと鮮血噴き出し
乾燥した翌日 ....
水中を潜る義眼の雷魚
日の光が体内に伝わり
何億もの細胞が
反応を拒絶し
汚れた尾鰭を照らす
昼下がりの交信の音波を
察知し
その音で会話を始める
....
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