日焼けするほどの
残せる夏のしるしもなくて
白いからだが
裸のままでいるようで
ときどき恥ずかしい
私の血は水のように薄くなって
夏はたくさん虫を殺してしまう
土から生まれて ....
Tシャツの裾おもいっきりひっぱってさ 君を振り返らせるの すき。
子どものままの君がじゃれるの すき。
少しだけ残る夏の香りをさ 目を瞑ってかくにんするの すき。
カーテンの裾が揺れ ....
わかれみち夕陽が君を支配する今日ほど夕陽を妬んだ日はない
落胆と転がる小石と空の雲蟻の巣すずめ手をつなぐ最後
焼け爛れ燃えゆく西日吸い込めばわたしに残る君は焦げるか
ままごとの続きと ....
こんこんこん。
と、
扉がいったので。
とんとんとん。
と、
返しました。
外に出る。
と、
誰もいませんでした。
....
怖い
夕闇が迫ってくる気がして
オレンジとグレーの空の下
時々振り向く
何かが追いかけてくる
私には時間は止められない
振り向いても
何も止められない
私の背中を ....
沸かしている。
こんな朝には、
カフェインが欲しい。
紅茶が飲みたい。
紅茶は飲めない。
願を懸けているから、
飲んではいけない。
だから、
珈琲を ....
得意げにまわってる
あの子は
何も話せないから
おどけてるだけなんだよ
水色の音楽の真ん中
はしゃぎ過ぎて
黄色のスカーフが
ほどけて
落ちた ....
ええと
どこからともなく
聞こえてくる 口笛
ハローベンジャミン
きみの鼻の牛みたいなピアス
好きよ
ベンジャミンはいつもヘッドフォンで
オルタナティブな音楽を聴く
....
ぼくたちの見えるところ見えないところ
繰り返される欲望の衝突のおかげで
ぼくたちはもぬけの殻になってしまった
風鈴がチリンと一つだけ鳴る
意味を終えた紙吹雪のように
....
幼年の眼界の℃ 庭園バーミングにTAIYOOのサン手-レサ
草花イーヴなR-胡坐とLuckな安楽椅子の 花流レースは行方知レズ
少女の瞑想譜 ソープオペラはロープ神の泥ップ死ーンから溢れる思惟を
....
クライン二錠℃ ガーゼ切る風はe蝶choのテーゼ
太陽風の落下傘下で酸化する 賛美歌ルマの3カーヴ×2で緑青
may草の足元LD-ME異相さレル蟻 Suiとテラス(遠景区)
1000の刑が宣誓サ ....
それは眠りながら
君の体を行き交う虫を捕まえて
虹色に光る魚を探したかった
なにかを追ってどこかまできたけど
帰るための電車も小銭もなかったんだ
唐突で従順な世界の中で
僕は自分の ....
貧乏な
ぼくなら一生
郵便を配る
ただのちんちんに
なれればなりたかった春
写真の中には
シマウマがいた
写真をとったら
あの人はシマウマになった
シマウマの飼い方を私は知らない
せめて
ロバとかポニーだったらいいのに
町並みにもなじむかもしれない
....
湿ったマンホールの中でひしめきあった豚たちが
悲鳴を上げている
チカチカする電灯の合間に
血走った目が光って見える
だからどうしようぼくたちは白い粉の洗剤を飲 ....
座ル女の像
大平原
岩国の米軍基地の事で
自由自在
草を踏み固めた道は続く
葦は三本
脳幹と運と
無粋に今日も無粋に今日も
昭和五十三年
裏庭の櫟の下で
拗ねた節を聞いた
....
君は郊外の一本道に車を走らせて
いる 星も見えない真っ暗な夜
ヘッドライトに照らし出されたア
スファルトはなめし革のように滑
らかだ 道の両側には鬱蒼と茂っ
た灌木から我先に逃げ出すかのよ ....
かくなれば かくあるらしきわが 懸ひは きみはなくとも 我は 生きてく。
生まれてはじめてお付き合いをした男性が結婚したことを知った。当時は男性というよりも男の子だった。愛読書だと言い、『風の歌を聴け』を私にくれた。そうして自分の為に新しい本を買っていた。今も愛聴 ....
黒須さん
焼き肉食べよう
炭火のいいとこ知ってるよ肉はすきかい?
え?サンチュが好き?
黒須さんとならばトマトサラダばかりでもいいよ
え?他のやつも誘う?
他のやつなんていいよ
二人で行 ....
東京にスコールが降った夜
叩きつける車窓から
わたしは外を見ていた
欲しいものを手に入れたら
価値は等間隔で
あなたはきっとあの大きな家で
床上浸水
大変ね
タクシー横浜から午前2時
....
わたしは、
あなたのたわし。
たぶん、
そうなの。
だって、
たわし以前の記憶が、
わたしにはないんですもの。
だから、
たわしはわたし。
わたし ....
岬の陸続きに密生する森には、たえず湿ったカーテンがかかっ
ていて、それが灯台の守りをするぼくらとの境界線だった。上
から下へ、あるいは奈落へ、数字のように降り注ぐ水のカーテ
ン。けしてぼくら ....
また 音が する
また 雨のように
鉛色の空のせいで
部屋が暗くなるんだ
枕のそばに
携帯の点滅する光
また 音がする
雨が叩くように 戸を叩く幻聴を聞く
あ ....
誰かが夜中にノックした
コツンと一度きりノックした
ドアの後ろからそっと覗くと
蛍光灯の通路が白く乾いている
あるいは秘めごとの嫌がらせに
甲虫が当たっただけかもしれない
ベトナムの木 ....
あしもとから吸い上げたあしたの記憶が
葉脈をつたって
四肢に達し
やがて、蒸発してゆく
芽生えを待つからだに
クロスする
光合成の日々
涸れているのは喉なんかじゃなく
わたしの ....
通夜の晩、ぼくは覚えず
号泣した
かがり提灯
泡吹き麦酒
潮風にのって白髪が
飛散するのを
じっと
唇をかみ締めて
耐えていた、
(藤壺を舐める舌の痺れ)
....
なぜ 木に豆が生るのですか?
少しだけ大人になって習い事を始めるようになったある日のこと、
黄色い葉っぱの降りしきる中に硬い何かを見つけました。
くるくると指先で遊ぶ葉を見ているのが好きでし ....
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