日本在住の中国人 金 双玉氏(48)(以下 金)と同じくメキシコ人 アルツーロ・
フェルナンデス氏(25)(以下 ア)との会話
金 : イマカラ、ナゾナゾスルアルヨ。
ア : イイデスヨ。
....
わがままなイヤホンコードの動きにもつながりたいって思うさみしさ
星空を糊でふやかして紙を貼り抱負を書くには弱い失恋
真ん中で割って肉まんを分けるなど ....
皐月賞馬だった4歳年長の叔父、ビンゴガルーを彷彿とさせる、小柄な馬体。
叔父のトレードマークでもあった、臙脂色に白のXマークの、勝負服とお揃いのカッコいいメンコ。
遠くからでも、ひと目で彼だとわか ....
自分の影が勇ましく見えた
バットを担いだ小学生が
いざ試合!いざ行かん!
と言っているようで
ちょっとワクワクした
実際に担いでいるのは
ただの白ネギで
ただのエコバッグで
わたしはただの
買い物 ....
踊りを踊るなら
山のふもとの
見晴らしのいい草原に行きなさい
夢中になり過ぎても
誰に咎められることはないから
歌を歌うなら
そのま ....
昨日の嵐が
木枯らし一号なら
私の心に吹く風は
「木枯らし二号」に違いない
ハハハハハ・・・
最高ね・・・
酔って乾いたわらいに
返す言葉もなく
キャバ嬢マユミの
肩をそ ....
ゆるく
マーブルを描きながら
溶ける記憶
その中に
きみは居たか
いま
溶けた
その中に。
からっぽの
ことば。
からっぽの
わたし。
消えてしまいたい
けれど
もう少 ....
{ルビ觱沸=ひつふつ}と二つの弦の震う海
とどめさす声はまなこに血は咽に
とどろきに手のひらかざし目をふせる
風は無 ....
柿の種とピーナッツが奏でるハーモニーは
僕らの心を捉えていつまでも放さない
こんな絶妙なバランスを保ちながら
僕と君が一緒に暮らしていけるのなら
時折感じるピリッとした辛さも
....
世界の為に、全ての生き物の為に、
この身体がずたぼろにされようとも、
どんなに酷い目に遭おうとも、
戦ってゆきたいと、
護り抜いてゆきたいと、
そう思う気持ちは、嘘ではな ....
愛ははかない。
愛はおっかない。
愛は小さい。
愛は大きい。
愛は止め処もない。
愛は大きい。
でも あなたは愛を呉れなかった。
わたしから離れることは出来ない
あなたはずっとわたしだけの人
美しい人生も
限りない喜びも
胸のときめきも
この中に刻み込まれた
二人だけの秘密の思い出
愛のメモリースティッ ....
左腕だけが鋏に火に触れる
指五本喰らうべくして音喰らう
月尽きて地に声低く骨の笛
水滴をはらうが如く己れ斬る
塩を越え空の辻 ....
しみついた薬の色や
ステンドグラスの窓の響き
机を隔てたくらいでは逃れようもないのだ
天意がのびていく
だがどこまでのびていくのだろう
患者(クランケ)の上へか?
それとも裁きの席へか?
....
方向をみうしなった鳥が落ちる屋根の上に
座っていました体育座りで
ころころとまわりながら屋根を落ちていく二つの塊り
踏切をこえて
タバコを買いに行く
徒歩15分のコンビニエンス
ああここは○○君の家だっけ
まだあるのかな
公文の教室
小学校
遊具の数が減っていて
擦り傷つくら ....
JR京浜東北線新子安駅前にある居酒屋『道草』の親父は、
僕がカウンターで一人、コップ酒をちびちびやっていると、決まってボクシングの話を
聞かせたがる。僕ら以降の世代では誰も知らないような昔のチャ ....
コン コン と叩けば
コン コン と骨の音がする
君は何処? と問えば
私は此処 と返ってくる
部屋はまるで君の肺のように
さりげなく わざとらしく
君の空気に満ちている ....
おれんじ色の船にのって
ぼく砂漠へ行くの
降りしきる流星群を見つけたら
きみに長い長い手紙をかく
それからポストを探して
三千年の旅をする
○ 速達のお見合い打診裏返し機械仕掛けの神をさがす朝
○ 峠路見上げる雲を追いかける不採用通知届いた午後は
○ 空気、水、一日三食昼寝付き、週休二日 我がマニフェスト
○ ....
かみさま ほとけさま
ジーザス・クライスト
わたしは明日退院します。
あなたがたの名前を呼ぶからといって、
今までの人生の懺悔や反省をするつもりは毛頭なく、
わたしが幸せになるこ ....
日の暮れかけた堤防沿いに横座りして汚れた川面を見つめているアリサ
「時々この川がすごく美しい流れに見えることがあるわ」と彼女は言うのだ
アリサの左目は幼いころに父親に傘の先で突 ....
鉄町に住むからか
鉄の女と人はいう
私はそんなに強くない
錆びて疲れた心なの
二人歩いた鶴見川
今日はひとりで来ています
結ばれないのは知っている
信じたくないだけなのよ
たと ....
目には目を
目蓋にはものもらい
いつまでも憎しみを握っていられない
自分の握力の無さを嘆くべきなのか
歯には歯を
歯茎には歯肉炎
いつまでも恨みを呼吸していられない
自分 ....
春の天皇賞。6歳になった彼の、最初で最後のG1レース。
出走にあたって、彼の所属厩舎だった田中清隆師の残した談話が今でも忘れられない。
調子がどうの、勝ち負けがどうの、という話ではなかった。
「 ....
「東」
筋違いの愁いを下瞼に溜めたまま
勘違いの寝グセを直そうともせずに
東のゲートが開けば光とともに流されていく
煌めいているふりをしながら流されていく
....
晴天には雨を忘れるから、いつか遠い国で無残に殺された幼児のニュースも(そういえばそんなこともあったねえ)なんて言葉で語られるだけのものになった。ベッドの上で、音を出さずにテレビをつけて、ただ画 ....
降る棘や石の路咬む火花かな
午後の背を読み仮名のよにすぎる街
誰もみな狂わぬ日々に狂う雨
片足に片恋の針突き刺さる
....
あの蔦やクローバーがしげった奥には宮殿がありそうなきがする
きらきらと風がおぼれていく
世界の
たいていいちばんとおいところにすんでる
きみ
はずかしげに
(プ ....
空を鼓のように張り
鳥は屋根を踏み鳴らす
糖蜜の文字
光の名前
爪と半球
蛇行と水源
凍った川をすぎる雨
降る無音 降る無音
午後の光がゆっくり話す ....
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