ごめんね
今まで気づかなかったよ


赤や黄色の季節の絵の具で
みずみずしく重ね塗りされた
桜の木の葉っぱの影に
ちいさなちいさな
土色の蕾


今までずっと蕾は  ....
弁当を開けると
中に海が広がっている
故郷の海のように
凪いできれいだった
朝の静かな台所で
君がどんなふうにこれを作ったのか
想像しようとしても
後姿しか目に浮かばない
帰れ ....
ふと庭に
光漬けになって
泣きだしそうな 彼女


まぶしいのは
もうまくがやわらかいから
だったろうか
もし
私が死んでしまっても
このせかいが
ぷつんと
終わったりしま ....
橙に染まる道
遠くに伸びる影連れて
陽の匂いの二人
また明日と
いつもの約束交わして

あの角を曲がれば
優しい明かりの灯る家
のはずなのに
空になった部屋、で
ひとり泣いた少女の ....
月が消えていくのではない、影が増えていくだけ。
{ルビ遠奥=とおおく}に聞こえるは影の音、追憶の揺れる影を探している。
ヒトツ見得るだけのこと、ヒトツ見得無くなるだけのこと。
微かに伏せる睫毛の ....
言葉は心と心を結ぶ橋だから
言葉をたくさん知ることと
言葉を多く使えることは
言葉と心が一つになる
言葉の心は心の言葉
言葉は自分の心と
言葉の心を結ぶ
言葉は結ばれ
言葉の心と
言 ....
しかしまあどうだ今朝のこの赤ん坊っぷりは
何にも考えてない
何にも考えてないで
シャウトしてるぜ
オパポー
オパポー
おぱぽう
おはようじゃなくて
おぱぽうだ
 ....
浴室に腰掛けて身体を洗っていると
虫の声が
地面を敷き詰めるように湧きあがって
ワッショイワッショイ
ジーンリージーンリー
私を神輿にかついでいるつもりらしいのだ
それならこちらも ....
本当の暗闇と出会う
それって
なかなか難しい
ひとつひとつの灯火を消しても
寝付けぬ夜に何処より話し声が漏れて
この街の闇は仄かに明るい
本当の暗闇
それは遠い日の感触
胎内にいたとき ....
茜の風に肩を撫でられ
少し頬染め
薄紅色に髪が笑う

少女の儚い夢のように
秋桜揺れては
深い空に落ちてゆく

花びらが落ちた空には
ほんのり波紋のうろこ雲
今日が ....
コンクリートの塀に

一匹の蝶が来て留る

この目の覚める艶やかさは

一体どこから来たのだ

これがこの世の反映だなんて

私は信じない

むしろこれは世にないものだ
 ....
僕は
あの木のてっぺんに上りたい、と
あこがれてみただけだよ
幹にふれて
枝をみあげて
ただそれだけで

服を破いたわけでもなく
すり傷を負ったわけでもなく

あこがれてみただ ....
さみしいと
寄り添うくせがあるので
いつも
ポケットにウサギ

鼻先を
ちょこんと出して
ふさふさの
耳をたたんで

私があまりにも
にこにこしてるので
人は誰でも不思議そうに ....
笹薮の中の

一輪の百合よ 

かぐはしくも

夢幻のやうにともつてゐる

白い灯よ



潤ひのない荒野に 

花弁をひらく

おまへのその

ひそやかな立ち姿は ....
 
今宵十五夜の月を
楽しみにしておりましたのに
朝から硝子窓を濡らす雨は
一向に止む気配を見せません

花器に
手折った数本の芒と一枝の萩を
無造作に入れ
恨めしげに外を眺めており ....


海の方から来た少女の持つ砂時計は
浜辺の砂だから耳を澄ませば波の音がする




バス停で
来るのを待っていると
潮風がワンピースを揺らす
もうすぐ夏が終わる、
という ....
この時を封じ込めるように
祈る

静かな瑠璃色は
両のてのひらを祈りのかたちに
そこに少し息を吹き込むようにして
そっと閉じていて
ひそやかに夢を育んでいる

あなたは
わざと大雑 ....
独りよがりのゲームの中
不信だらけの真夜中に
今日を嘆いてみたところで
知らん顔して朝はくる

シミの付いた絨毯を
ただじっと見つめていると
世界地図に見えてくる
ねぇ、現在地を教えて ....
わたしの中に棲む猫は
夜の闇のように黒い
{ルビ天鵞絨=ビロード}の艶やかな毛皮をもっている
そして
悩ましい緑の目をしている
人に媚びたりしない
いつも物陰から{ルビ窺=うかが}うように ....
告げるとも言わず
告げぬとも言わず
立ち尽くす老木は
潮風に白くやかれて
ただ待っているかのようです

運命とは渡り鳥でしょうか
暗い海のとぎれるもっと遠くから
糸車を回す母の手のよう ....
掌で
容易に潰せる
小さく脆い
夢ですが

いつか
大きく強く
羽ばたく日を信じ
輝きだけは
失くしません

千羽揃えば
きっと

きっと
交差点の向こう側で
指揮者がタクトを振っている
その動きに合わせて
たくさんの仔猫たちが
次々に海へと入っていくのが見える
カタクチイワシの群れが来ているのだ
胡麻漬け
卯の花漬 ....
今は昔、をとこありけり。
片田舎に住みければ、いとあやしき箱にて文を交じらふ。
箱の中に、あまた集ふ詩歌の会ありて、よき歌には人々
より数を賜る。
思ひ起こして歌をばと箱の中に投げ打つも賜ず、 ....
呼んでいる
呼んでいる

濃紺の夜長に虫の音響き
深くこころの闇夜のなかで
銀の鈴をしゃん、と鳴らして
呼んでいる

待っている
待っている

金木犀の匂いが止み
あたりに静け ....
俺たちみんなでジグゾーパズルだ
誰もがどこか欠けているのは当たり前だから
みんなでくっつき合えばいいんだ
誰もが世界平和のかけらだから
傷つくことは不幸なことじゃない
傷つくことを不幸なこと ....
 

大きな肉の塊をくすねてきて
食べ飽き まだ半分以上も残つてゐるとき
犬なら 空地へ引きずつて行つて
埋めておくが


猫は そこに放り出しておくだらう
無関心かといふと さうで ....
うなだれる白い首筋なぞる指乱れた髪を櫛で掻き揚げ 詩を書くあなたは
言葉に恋をすることは
自由ですが
言葉と交際することは
禁止です

愛していることを
愛していると書いては
いけません

愛している以上に
愛を言葉で綴らなけれ ....
いつもよりも少しだけ
人の話に耳を傾けてみたら
少しだけ
人の温もりを
知るようになりました

いつもよりも少しだけ
花を見つめていたら
少しだけ
永遠というものを
考えるようにな ....
東西線の中野行き
隣に座った女は黒い服
携帯電話握り締めて
テトリス

俺もやるからテトリス
きれいに積み上げて整然と
端っこだけ空けて待つ
確信犯
華麗に消す
テトリス
終 ....
服部 剛さんのおすすめリスト(3165)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
桜輪廻- まほし自由詩17*06-10-15
空腹- たもつ自由詩3606-10-14
彼女は- はな 自由詩12*06-10-14
影ふたつ。- 夕凪ここ ...自由詩5*06-10-14
月の半分- 未詩・独白106-10-14
言葉は心と心を結ぶ橋だから- ぽえむ君自由詩13*06-10-13
かがやき- 水在らあ ...自由詩41+*06-10-13
裸の大将- 杉菜 晃自由詩10*06-10-12
永遠ということ- 恋月 ぴ ...自由詩43*06-10-11
秋桜(こすもす)- 銀猫自由詩12+*06-10-11
手紙- 杉菜 晃自由詩8*06-10-9
静と動の子守歌- 千波 一 ...自由詩14+*06-10-7
いつもポケットにウサギ- umineko自由詩20*06-10-7
白百合- 杉菜 晃自由詩13*06-10-7
雨降り十五夜- LEO自由詩23*06-10-7
海についてのいくつかの小さなお話。- 夕凪ここ ...自由詩9*06-10-6
りんどう- 銀猫自由詩18*06-10-4
夢見る頃を過ぎても- 快晴自由詩3*06-10-4
わたしの猫- 石瀬琳々自由詩12*06-10-2
冬告鳥、海風に吹かれて- たりぽん ...自由詩15*06-10-2
銀鶴- 士狼(銀)携帯写真+ ...9*06-10-1
カタクチイワシの仔猫たち- たもつ自由詩16*06-10-1
古典詩ほうらむ(初段)- ぽえむ君未詩・独白16*06-10-1
くちづけ- 銀猫自由詩15*06-10-1
ピース- 新守山ダ ...自由詩306-10-1
気まぐれ猫- 杉菜 晃自由詩9*06-9-30
- いまいま ...短歌5*06-9-30
詩を書くあなたは- ぽえむ君自由詩17*06-9-29
いつもよりも少しだけ- ぽえむ君自由詩13*06-9-29
オーバーミクロン- マッドビ ...未詩・独白306-9-29

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