夕日が奏でるのは
次の世界へと わたり響く調べ

もろびとの想いは 影にひかれ
終わりの彩りへと 去ってゆく

しかし まだ
 呼ぶ声がある
 呼ぶ声がある

愁いと憧れに染まる  ....
色エンピツのセットを開けると
母さんは黒い色と並んでいつも一番長い
そして一番きれいだ
こんなきれいな母さんを使うわけにはいかないから
やっぱり母さんは一番長い

バカ男さあ、昔、母さ ....
生きてることに満足できずに
夜 眠ることも忘れて
光り輝く街に躍り出る

くやしい事ばかりで
抗うこともしないで
一人店で酒を飲む
つまらないことで喧嘩して
ゴミだめの中 ....
ほしにうつらぬひとがたを
そっとかかえてかがみにひたそ

にじんでこぼれるほしがたを
なみだとまぜてゆめからぬぐを

ほしのかたちはいびつにまるく
ひとのかたちはうすれてくらい

 ....
明るい陽が僕の顔刺した。痛いと悲鳴を上げる瞳
   の
   見える窓は僕と他人を繋げてる唯一のモノ
      か
      らは、楽しそうに遊ぶ子どもが見えます
            ....
私、カンガルーの赤ちゃん

ポケットから顔出して
冒険して 想像して
怖くなって引っ込む

ぬくぬくで安心で
うれしくて一回転
ドッタンバッタンしてから
上向いて
イタズラな顔をひ ....
風の暖かくなった
空から鳥が落ちてきた
インフィオラータを知っているか
無数の花びらで地上に大きな絵を描くのだ
極楽鳥や孔雀は空から落ちてこない
カラスとハトの
いつのまにか 大雨だ

 ....
汗ばんだ手のひらの上で春を転がして
その小さな重みを感じる
夜の町は霧に閉じ込められたまま
淡い街路灯のオレンジに色付いた水槽のように
音のない波が打ち寄せる

知らない街に行こうと思う
 ....
飛行機の夢を見た
滑空する
雲の上の翼
その下にたたずみながら
許されずに在る 自らの境涯を
針のように感じていた

そんな 夢だった
朝の空気は変らずにひんやりとしていて
世界中の ....
春のぬるい風をどうしても愛せない。
凍てついた枯れ枝の尖った輪郭を
冴えた静寂の中を立つ潔癖な冬木立を
ただ耐える以外には何もしないですむ季節を
ぼくは心底愛していたので
ふくらみはじめたつ ....
かのん、は
「入院」がだいきらい

だから高熱で白目をむいて
こんなにも
「あつくてさむいよお」ってふるえているのに
「いきたくないの」って
ベッドから起き上がっておかあさんにしがみつく ....
ショッピング街の人ごみの中で
ふと立止まった歩道の向こう側で
僕は君をみつける
常に君の影を追い求めているから…

僕が君を探すとき
君はどこにでもいる
誰の中にも
どんな場所にも…
 ....
その人は起き上がる
いまだ眠たげな目をこすりながら
一杯の朝のコーヒーを探し求める
たった一杯で
本当に目が醒めるのなら
世界は半日ごとに覚醒と睡眠を繰り返す
整理された場所になるだろう
 ....
出会うのが遅くてごめんね
なんて
あやまるのはやめてください

たとえそれが
ほんの束の間でも
気の遠くなるような数の
偶然を重ねて
ここに
ふたり
寄り添えた奇蹟を
今はただ
 ....
天動説の子どもが増えてるらしいのですが
それはまったく自然なことです

地球が回っているのだとしても朝が来るのは退屈なのですから
僕はお布団で魚になって
箱舟に乗ったかあさんとはなしをします ....
妻と二人で梅干を漬ける
台風が近づいている
空はまだ晴れているけれど
窓から入る風は生暖かく蒸し暑い
梅の実の良い匂いがする
水洗いした梅の実をタオルで一つ一つ拭き
ヘタを楊枝でほ ....
北風 吹いたら 雪が 舞う
真夏の 太陽 凍って 煌めく
ぐるりと 宇宙を 廻った 帽子
かぶれば 空が 落ちても 平気さ

心の 穴から 零れ 落ちてく
涙の 雫を おっかけて いこう? ....
静寂が満ちるのを待つ

あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている

手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
てのひらに降らせたカラフルなキャンディの雨
気前よく景気よく弾けるクラッカーの紙テープ
そんなふうに

グリンピース
ぐらぐら沸き立つナベの中に
  グリンピース
放り込むのは何故この両 ....
ディアー マシュマロ

こんな寒い冬の日には君のこと思い出します
公園で初めて君に出会ったときのことを

その日空は曇っていて今にも雪が降りそうでした
僕はベンチの片隅に座って
買う気も ....
ねえ、トモチャン、
と呼ばれ
お茶の濃ゆいところの途中で
ひょっ、と
あばらの隙間に指を
埋められた

もしかして
こういうところでしか
あたしは埋まらないのかもしれない

わか ....
それでもこの心は
果てしなく遊離線を描くのだ
そうだよ 憧れは遠いから憧れなのだ
君をとおしてその遥かさを見つめようとしていた
残酷なこの心よ
病院の長い待合い廊下に坐って
考えている
私の気はたしかなのかと
時々 呼び出しに応じて
いくつかの個室のどれかへと
人が 入ってゆく
そしてやがてまた出てくる
入ったまま
出てこない ....
ロシア娘の涙に濡れた
悲しい笑みを浮かべる空に
窓からハンカチ振って言ったの
さよなら私のセンチメンタル

砂利道通れば昨日の夜中
ロシア娘が切り裂いた
レースのハンカチ微かに踏んで
 ....
「  詩のはじまり   平成4年 12月 田中あゆむ



 し は、 心と心の つなぎを もっとつよくして

 し は、 友だちを ふやして くれる

 し は、 本のような ....
不幸な者が飢えるのは
あまりにも遠くを見すぎるためだ
降りそそぐ朝の洗礼に
われわれの首筋は鈍く痙攣する
釣り上げられた魚が
苦しげに未完の呼吸へ焦るように
われわれは前夜の遂げられなかっ ....
指先であそぶ旋律がピアノの鍵盤の上を流れて 
部屋に溢れるやさしい音階のすきまに
天球図は青くひろがってゆく
東のかなたの
さそりの心臓は自ら発火し
そのきらめきは引き出しの奥で眠るルビー
 ....
人類が滅びて久しい荒野の中心
ぽつりと浮かんだ吹き出しに
最後の最後にだれかが書き込んだ言葉は風化して
そこに霞んだ消え残りが歌うのは
何だったか
今では誰も読むことは叶わないがただ
貧相 ....
船がゆっくりと流れていきました

振り返ると瀬は遥か遠くなり、手の平に乗るほどでした
瀬には重いものを全てを置いてきました
軽い思い出なんかは頭に入っていたので、置いてくることはしませんでした ....
馬鹿ターボ
全開で帰宅する俺
髭をたくわえ少しワイルドな俺に
おかえり、を言う娘は少しワイルドな俺に少し慣れ
一番星が出始めた空の下で縄跳びの練習中
綺麗でしょ、綺麗でしょ
いや、 ....
服部 剛さんのおすすめリスト(3168)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
日没の永遠への収束- 朝倉キン ...自由詩605-3-23
家族(母さん)- バカ男自由詩25*05-3-22
明日があるなら- YAMA ...自由詩305-3-19
つなぐ- かぜきり自由詩15*05-3-18
陽採り- 完食自由詩11*05-3-18
カンガルーの赤ちゃん- 木葉 揺未詩・独白10*05-3-18
インフィオラータ- 岡村明子自由詩8*05-3-18
さくらもち- 魚骨堂自由詩205-3-15
飛行機の夢- 岡部淳太 ...自由詩5*05-3-15
シェルター- 汐見ハル自由詩7*05-3-15
『かのん、の、「入院」』- 川村 透未詩・独白30*05-3-13
君がいる風景- 魚骨堂自由詩205-3-12
詩人の誕生- 岡部淳太 ...自由詩9*05-3-10
いっすいのゆめ- フォマル ...自由詩5*05-3-9
天動説の子ども- 窪ワタル自由詩22*05-3-9
梅干- たもつ自由詩32*05-3-9
崩壊- 魚骨堂自由詩305-3-8
睡蓮- ベンジャ ...自由詩3805-3-7
グリンピース- 汐見ハル自由詩10*05-3-6
ディアー_マシュマロ- 魚骨堂自由詩305-3-6
世界の果てなんかなんにも知らなかったかもしれない- みい未詩・独白14*05-3-6
静かなる終景- 塔野夏子自由詩2*05-3-5
外_来- 塔野夏子自由詩11*05-3-5
フローラ- 魚骨堂自由詩205-3-5
7才に於いて書き残したりっぱな詩人という_過去のあたしへの謝 ...- ayu-m自由詩705-3-5
終着の浜辺- 岡部淳太 ...自由詩7*05-3-3
さそりの心臓- ワタナベ自由詩3105-3-3
流世の語り- 半知半能自由詩505-3-2
真昼間に航海を- ふく自由詩9*05-3-2
団欒- たもつ自由詩2505-3-1

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