風が公園で遊んでいる
ブランコに乗っている
砂場で小さな山を作っている
広場でおにごっこをしている
風が公園で笑っている
ジャングルジムを伝わっている
ベンチの後ろに隠れている
ボー ....
昨夜に限っては
悪夢にもうなされず
いっときだけ
窓をたたく雨の音を
聞いた気がする
夜の中にあって
感情を露わにしないまま
目覚めたのは幾日ぶりのことだろう
確かに雨は
濡れたアス ....
1
十二月の眠れる月が、遅れてきた訃報に、
こわばった笑顔を見せて、
倣った白い手で、ぬれた黒髪を
乾いた空に、かきあげる。
見えるものが、切り分けられて――。
伏せられ ....
それは、青い色の小さな小さなお弁当箱
荷物の整理、してたらね
思いがけず出てきて、
小さかったあなたを思い出した。
あなたは、初めての子だったから
『幼稚園生のお弁当』なんて知らなか ....
今いる自分より
遥か遠くにいる自分を想うから
それが夢になる
夢はいつも
今の自分よりも良くて
だから
今の自分がつまらなく想えるけれど
そう想えるからこそ
夢である価値がある
....
商店街の呉服屋には
座敷わらしが出るんだ
『呉服屋の座敷わらし』
何年も前
近所の商店街は
七夕が近づくと
ささやかながら華やいでいた
電燈の高い所に
白と桃色 ....
ひとひらの思い出のカケラ
走馬灯のように右脳を走る
凍えてぬくもり求めて歩いた我が青春
過ちをするなとは言わないけど
繰り返さないこと
それこそ大事
絶え間なく続く命の鼓動
....
早坂サイクルで6千円で購入した中古自転車に乗って俺は
職業安定所へ向かった。なぜ職業安定所という言葉を
使うかというと、職安の安は安定の安だ。今はハロー
ワークという愛称になっているがハローなん ....
ぼくらはいつも
見ていたんだね
同じ窓から
午後の青空
透ける葉脈
震える小枝
それらにも似た、未来
ぼくらはいつも
感じていた
同じ風を、違う感受性で
教室にいる ....
前回に書いたことを、
簡潔にまとめてみます。
つまり、
みんな誰もがひとりひとり、
他の誰にもない才能や感性を、
持っているのです。
誰も、
....
おれの書くものには、
リズムのものが多いです。
リズムで斬り込んで、
ことばを繋げて連鎖させて、
ぽこぽこ弾けさせるのは、
「おれの独壇場だぁ!。」
そ ....
普段は忘れていて、ふとしたはずみで思い出すことってありますね。
最近では、煙草でわっかが作れたよ、という記述で、祖父がそれをしてくれたことを思い出しました。それを見て以来、多分30年近く忘れて( ....
たからものが見つからない。
田んぼからの帰りに、
どこかに落としたのかもしれないと、
あちらこちらを探してみたが、
どこもかしこも空っぽで、
見つからない。
....
花はいつ咲くのか
花に聞いてみなければ
わからないけれど
心の花は
自分で咲かすものだから
自分に聞いてみれば
きっとわかるはず
星はいつ流れるのか
星に聞いて見なければ
わから ....
世界の権力! マクドナルド!
略称:マックあるいはマクド!
だって権力じゃないか
121もの国に店があって
たくさんの従業員がいて
そして何よりも俺たち庶民に親しまれている
これは立派な権 ....
春からひとり
流れてきた
おまえ
こんこん冬と
墨染めの宵の川は
さぞ冷たかろう
月様には出逢うたか
さぞ澄ましていたろうに
あれは誰かを
好いている
一に ....
若き頃
道なき道を歩いたな
誰からも相手されずに
涙{ルビ眼=まなこ}で恨みっこ
自分の未熟さ所以だね
今だから分かる若き微熱
こうしてる今も
振り返る日がくれば
....
雨が降ると
紫陽花の咲くあの場所を思い出す
カタツムリは今日も
葉っぱに隠れて雨宿りをしているのかな
高校生の頃
雨が降った日には
よく二人で放課後の音楽室で時間をつぶした
君の奏で ....
さっきの言葉を繰り返す
まだまだ全然言い足りない
きのうの言葉を繰り返す
言い過ぎたのはどっちだろ
あの日の言葉を繰り返す
世界は二人のものでした
いま ....
胸のボタンを外すとき
あなたの狡猾な指先を思い出す
背後から不器用そうに
それでいて
未来に待ち受けているものを欺くかのように
(それなのに忘れられないのは
部屋の灯りを消しても
情念の ....
詩集をね、つくるんだ
みんなに渡せるからね
少し黄色い紙ならね
目もちかちかしない
はずさ
知って欲しいからね
僕のことを
これから伸びてゆく詩人だからって
今知ってほしいのは
僕が ....
今の自分はがんじがらめの状態だ
自由に詩を書くことさえ
人の目を気にしないといけない
状態に陥っている
言論の自由とはゆうが
自分の今の現状は
トラブル ....
虎になった
黄色と黒で 都会のようで
{ルビ四本=しほん}の足が 致命的で
神秘と静寂のギリギリに
透き通るように立ちつくす
虎になった
爪と牙が 怯えのよう ....
朝から続く重い雨
紅の俺の心にも降り注ぐ
霧のかかった未来は虚ろ
重たい扉を開けよう
行くあてなどないけれど
誰かが待ってる気がしてならない
胸に刻まれた約束
果 ....
頭の中の言葉が
たくさんあるというのに
捕まえることができない
つかもうとする手と言葉とが
磁石の同極同士のように
退け合ってゆく
言葉が拒んでいる
言葉をつかめない
そうではない ....
抱きしめるこの胸の中に
喜びと悲しみが戸惑っている
真夜中一人きりだけで
街の中の片隅で叫んでた
叶える瞳の中で
大空に煌めいた一つの星
幻の夢のカケラ ....
ミサイルが発射される音が聞こえる
母が
台所で家計簿をつけているのである
インキは戦車のキャタピラのように
勇ましく前線を進み
赤い数字が攻撃目標みたいに
点々と書き込まれてゆく
エ ....
気狂った悪魔は
迷える人を助けた
一つの戦争を終わらせた
地獄への討伐隊を編んだ
気狂った悪魔は
人々の恋路を促す
愛の矢を天使からレンタルした
人々はそれはきっと天使 ....
一。
あたし捨てられた。
だから流れてる。
この汚れた水の中を、
彼らと流れてる。
髪や肌には、
彼らがこべりつき、
凄まじい悪臭を放ってる。
....
オレは生まれつき相対主義者で
周りの奴らは大体ジャパニーズ
そんなオレだから言わせてもらう
おまえら全員うどん喰らい
大いなる愛を語るそこのおまえ
おまえも所詮うどんを喰う
た ....
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