ひとりの人間の哀しみに
わたしは立ち入ることができない
十日前に夫を亡くした同僚の
目の前を覆う暗闇に
指一本たりとも
わたしはふれることができない
( 背後から追い立て ....
ドル箱という箱を見たことがないのですが、
それは米国製の米櫃でしょうか。
「おとといきやがれ!。」
ということは、
先日お伺いした時には、
もう了 ....
1999年11月6日
空っ風の中で
紋次郎は立ち止まる
家に寄ろうか
いや、止めとこう
妹も生きては居るまい
帰ったって何もありゃしない
家の跡が4隅 ....
……誰か来る!
大丈夫、このサイズなら絶対にバレっこないさ
シッ 美輪さんが起きちゃうよ!
潜入するとしたら、やっぱり入り口は耳の穴なのかな…?
ほしいもの
それはお金でもなく
名誉なんかでもない
ほんの小さな手だけでいい
温かみのある誰かの手
ありがとうと
軽く振ってくれる手
がんばってと
応援してくれる手
大丈夫だよと ....
?.
ヒヨドリたちが庭に現れる
鳥は歌うものだと思っていた
あれは
叫びだ
桜木町から横浜に向かう道で
君は叫んで
何度も叫んで
アスファルトの上に寝転がって
....
静かに寝息を立てる横で
青白いその横顔を見つめて
ため息をつく
どこに向かっているのかわからない
どこに行こうとも教えてやれない
不甲斐ないさ
俺は何もできやしない
....
こんなに月がきれいな夜にあなた
そんな顔して 笑うから
抑え切れなかったのよ
本当に
分からないのか
分かろうとしないのか
分らないことにしているのか
俺の言ったことが
理解できていないのか
理解したけど忘れたのか
理解できてないことにしているのか
....
悲しみを
心にしまいきれない時
人は涙を流す
いくら心が広くても
人は必ず涙を流す
喜びを
心にしまいきれない時
人は笑をこぼす
いくら心が狭くとも
人は必ず笑をこぼす
人 ....
満たされた月が
静まる夜に息をかけ
澄みわたる気配は
、まるで水の中
地に影おく木々の枝先は
水草のように揺らめきたって
浮かびあがる山の稜線で
青さを図る
私は膝をかかえ
天を ....
一から十まで知ってしまうなんてできない
誰もがすべてを見渡すなんてムリなこと
足りない足りないって 焦って
それでキミが得たものは何だったの?
とりあえず下を見て一安心してから
....
彼氏が泣いていた
じゅうにこも年上
子供みたいなひとだ
ばんばんびがろ
とゆう人が死んだって
とても悲しいらしい
つよすぎも
よわすぎもしない
プロレスラーだったとゆう
わた ....
名古屋から来た君は
動物園通りを抜けて
髪の毛ぼさぼさで
連絡を待つ
ろくでなしの
連絡を待つ
ろくでなしは
その時ある一つのやさしさに抱かれていて
抱いていて ....
透明と漆黒の間
無限階調の青い温度を
滑らかにはばたく
マンタ
重力は知らない
裏返り、途絶えてゆく
浮力の哀しみだけを
白い腹に秘めて
辿りついた系譜は
争い合う知識ではなく
....
煙草をくゆらせていた後姿
今朝ふと思い出して微笑む
何を信じればいいかわからず
言葉に傷つき自信をなくしていたの
私の笑顔を慈しむように見つめて
決まって後ろから抱きしめる貴方は
どう ....
四畳半の狭い部屋も
一人で暮らすには問題ない
仕事が終わり家へ帰っては
テレビを見て寝るだけの毎日
最近は料理する気も失せて
夕飯はカップラーメンで済ませている
買いたい物も特に無いか ....
君の誕生日、だとしても
ケーキの苺は譲れない
ぼくはこれでも、苺が好きだ
で、次に
ぼくのじいちゃんは船長だった
海賊船の
もう随分昔のことだけれど
なんて言ったら、笑う?
笑わな ....
笑うということ
それはとても気持ちのいいことだ
自分をさらけだせる気がするから
笑うということ
それはとてもしんどいことだ
自分を偽らないといけないから
笑われるというこ ....
いつか やがて、
どこかで みんな、しあわせになって
どこかで かなしみに出会ったり
どこかで 別れたり
どこかで 子どもを生んだり
どこかで ひとりになったり
どこ ....
君のことがすきだとか、
取りあえず今の気持ちを言ってみようとしたけど
そういう陳腐なことばではどうも表せなくて
結局君に許しを求めてる
考え方とか生き方とかそんなものが違うのは分かって ....
冬だね
ほんと
もう公園の木
裸だね
寒そうに
ねえ
踊ろう
でもまだ
カーテン
つけてないんだね
外の人々から
どう見える
だろうね
幸せな
風景か ....
ひとひら手のひらに舞い落ちる雪
触れたら溶けて消えるはかない命
かたくなな君の心を溶かすために
僕は幾夜も眠れぬ夜を過ごした
その冷たいまなざしはまるで雪姫
誰も愛することはない
....
どこまでも続く道を一人暗闇の中歩いている
一人で一人で一人で一人で ひぃっ
人生知れたこと
どうなる地球
どうなるルー大柴
まだこんなことろにいる自分
さっさと片 ....
「雪の音階」
舞う羽の静かな音こぼれるよう
手のひらの中で羽化した希望(のぞみ)
こんこんとこころに積もる雪の下
あなたが埋めた種が芽を出す
....
果てなく遠い道の中
私は歩く
私は鳥になれないから
その道を一気に飛んではゆけない
私は
私を飛び越えることはできない
私は風になれないから
その道を一息に飛んではゆけない
私 ....
地球を2周半もする 僕の長い両手から
君は そんなに簡単に 逃げられるとでも思ってるのか
どんな巧妙なフェイント ギミックを駆使したとしても
僕を撒けるわけないだろう あきらめが悪いのか ....
さけび続け夢を追った青春時代
さまよいながら揺れていた青い夏
きめられたルールなんてなかったけど
さまよい戸惑い苦しんだ日々
んーと思い出すと懐かしい思い出
....
寝苦しさに目を覚ますと
やはりホリデーインの一室に泊まっていた
わたしの隣では
脇臭く寝相の悪いやつが
馴れ馴れしくいびきをかいていた
エーチャンのニューグランドホテルは
わたしのこころの ....
多分ポエムだろうなという単語を
鍵つきダイアリーに書き流すとき
胸が痛いのは
お月さまが
ちゃんと光っていてくれないから
あたしはキスをしたことがない
何のかん ....
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