すべてのおすすめ
なんだかとっても寒いので
財布の中をのぞいたら
やっぱり寒い
ころりと100円玉
音をたてることもなく居て
街角の自動販売機
120円という表示が淋しい
一昔前なら缶コーヒー ....
(行ってらっしゃい)
宇宙の森で生まれた あなたと
あなたは今頃どの辺
七丁目の角かしら
目的は果せた?
わたしは洗濯をすますところ
留守のはざまで
不透明な静けさを淹れて飲むと ....
わたしは 鏡のなかで待っている
あなたを待っている
あなたは なにも知らずに
平気で 素顔を のぞかせる
わたしは みとれて 口ずさむ
月明 ....
身悶えて夜をすごした
もう少ししたら太陽の光と共に
清らかな朝が訪れる
眠ることが死に近づくみたいで
眠ることが怖い
とても大きい怪獣が
このまちを廃墟にして
....
低いオクターブで
朝を告げながら
高いところを
水が流れている
知らないあいだに またひとつ
季節をまたいでしまった
雲と空に距離が生じてゆく
そのすきまを
縫いながら、通過す ....
キミのまねをしてみる
ちょこっとだけ背伸びをして
キミがスキだと言ったあのお酒を
コンビニで見つけたとき
ついつい手を出しそうになる自分を
ふと、笑ってしまう
鏡の ....
(その2 自転車屋のおじさん)
おじさんの手にはすっかり油がしみ込んでいて、指紋もわからないくらいになっている。
それが職人の手だと自慢していたけれど、あんまりじろじろ見ていると少し恥 ....
ちょこっとのきっかけで
けんかになった
ぼくは
ありったけのわるぐちをいった
ばか
おたんこなす
よわむし
げじげじ
ぷいっとそっぽをむいて
いえにかえった
ひとり ....
改札口にて
お待ち申し上げております
行き先を
詮索したりはいたしません
どうぞ
ご安心を
あなたがここを
通過してゆく事実のみ
確かめさせて頂きたいのです ....
アースジェットが
秋のはじめになってもまだ半分くらい残っている
しゅーと夏を吐き出してみる
秋はそんなところから始まる
ぼくは割り算を高い空に置く
割り切れないことは繰り上げるのか
繰 ....
眠りは当局から支給される
月にいちど注文をすることになっている
私は主に スタンダードな「白の眠り」を注文する
けれどいつもおなじ眠りというのも
あじけない気がするので
やはりスタンダードな ....
{ルビ夥=おびただ}しく降り注ぐのは
湿り気のある眼球たち
あまりにも優しい成分なので
それらは
{ルビ容易=たやす}く踏み潰せてしまうのだが
悲鳴に私は恐怖する
オアシスはすぐ其 ....
のんちゃんの
さんりんしゃは まっかかで
はんどるのとこに
いろんないろの
フサフサが ついていた
あか あお きいろ みどり しろ
いつつも ついてて きれいだった
あしでけって さか ....
宙吊りなんです
時間というもの
これが曲者です
入りたいですか
いきていいのですか
てごわい草花です
取り越し苦労します
太陽が隠れています
泡立つ時間が雲になって
雨がふっていま ....
イチジクを手にとる
あなたの背中を思い出す
いつかの電車内で振った
人体骨格のねじれた手首に
無邪気な笑顔でこたえた少女
そこにみだらな星はなく
鮮烈なスタッカートが鳴り響いていたので ....
吹かれるように手を振る
ススキの群れの中に
枯れて埋もれていきたいと
いや、そんな最期のために
生きていきたいのです
西風が波を走らせて
遠泳の息継ぎのように
{ルビ水面=みなも ....
高く澄んだ青空の下
広い芝生の上
この細腕には少し重いベンチを
歯を食いしばり運んでいた
色とりどりの枯葉が無数に敷かれた
穏かな秋の陽射しに影を伸ばす
あの{ルビ木陰=こかげ}まで
....
今日は にくだんごを 見にいった
友達が にくだんごを うんだのさ
それは麗しき にくだんご
にくだんごの 表情は 毎日変わる
気張ってみたり 眠ってみたり ばたばた動く
にくだ ....
僕のお母さんからは ロケットが出るんだ
小さい頃 そう歌ってた記憶がよみがえって来たんだ
作詞も 作曲も 全部僕で
ずっとずっと、歌ってた気がする
僕のお母さんからは ロケットが出 ....
(その1 時計屋のおじさん)
裏通りにある時計屋のおじさんは、まるで手品師みたいに器用だ。
おじさんの大きな手からは想像もつかないような、ちいさな部品をちょこちょこといじると、さっきま ....
君は寝た振りが得意
わかっていてもウッカリ騙され
今朝もゴミ捨ては僕の役目
君は大人だから
分をわきまえているよね
僕はと言えば歳はくっても
燃える恋と燃えない恋の分別さえ
未だ ....
告白します。
ぼくは詩の書けない詩人なんです。
歌わず
炎の中の薔薇のように燃えもせず
気の抜けたペリエのような者に過ぎません
涙でいっぱいになった空から
雫が落ちてくるのを見なが ....
{引用=
自分が自分であることに
儚い戸惑いを隠せないのなら
あなたは泣いていい
存分に泣け
其処には
散々に舞う桜の花弁のように泣く理由が在る
自分が自分であることに
未来を確立 ....
思いも寄らず
潤いすぎれば
うっとうしくも重たくなる時があり
そんな状態では
さっぱりとかわいてみたくもあり
それでいて
方法も知らない
わたしは
煙草に火をつけて
遠い夢を静かに吹 ....
雪融けのせせらぎが
草木に沁み込む速さで伝わる春
ひらいた花のはなびらが
舞い散る中で見た空の
青さを呼吸するような夏を過ぎ
虫の声に名残匂わす
涼しさにはほんのりと憂いの秋が
....
空いている電車に乗り 席に座る
駅に停まり 駅を通過し
また駅を通過し 駅に停まり
車内は次第に混んでくるが
他の席はどんどん埋まってゆくが
私の隣はいつまでも空いたまま
誰も座ろうとはし ....
わらう
あなにむかって
ここはおうのしま
おうゆれる
まゆーん
まゆーん
びしゃ
おうはあつい
おうはわらわれている
かしんどもから
まるでしんだねこみたいにやわらかいのに ....
わたしたち
しんだひとのこと
わすれちゃった
おぼえていても
きえてしまうの
だからもうゆめもみないし
うまれてきたものだって
ふくざつなの
あやしいおしえはないけど
かわい ....
夕暮れ
絶望は希望の反対語ではなく
生きている私の
不安の影がついてくる
彼女は飲み会に行ってしまった
虫たちに話しかけようとするが
虫たちは鳴いていない
犬も鳴いていない
葉 ....
気がつけば いつだって夢を見て
そんで また 憂鬱になってるんだ
本当は 仮面ライダーになりたかった
(ウルトラマンよりも)
赤いマフラーを 首に巻きつけ びゅううんと バイクを唸 ....
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