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新しい人が来たので
かじかんだ指を暖めていた子は
背中をまるめてそっと
席を立った

それは
あまりにも静かに行われたので
だれかが席を立ち
新しい人が座ったことに
だれも気づかなか ....
生きてるのかな、この花
どうなんかな、生きてるのかな、この人

肩をゆすると花は俺を睨みかえしたが
恥ずかしそうに向こうに行ってしまった

向こうの車両もその先の車両も女性専用だというのに ....
PC画面の暗闇で 
林檎が独り 
浮かんでいる 

紅い皮の傷口から 
白い肌を晒しながら 

( 昔々、楽園にいた 
( アダムとイヴを誘惑した 
( 私は紅い林檎です  

 ....
秋鮭って捨てるところ無いんだよね
骨や皮まで美味しくいただけるし

そんなこと話してみたら

「人生だって同じだよ」
あなたは秋鮭のルイベを美味しそうに頬張った

だと良いけどね
な ....
さかなの星空はいつも
境界線でゆらめくのです
星空を落ち葉がよこぎり
岸辺のすすきも
月明かりに
にじみながら手を振って

失ってしまったときに
ひとはさかなになる
月だってゆら ....
{引用=
    霜の匂いを纏って
    母さんのおさがりのコートを着て
    毛玉だらけの手袋で
    髪にはすこし粉雪をつけて
    息はぼんやり白くて
    頬 ....
みどりという代名詞がふさわしい存在していたかつてその

呼び名をあたえられず
最後まで呼ばれなかったこのゆくくらがり

せめて歌なりと
なりとなりと
しんと音となり

ししん ししん ....
空を殺した鉛色が
凍える水面を
錆びた銅鏡に

そんな遅い朝
鳥たちは巡礼に訪れ
しきりに頭を下げる
もう幾度も焦がれては
言い出せずのどを鳴らし
奥歯をかみしめる

本当に辛い ....
(暗い、くらいと
 ペットボトルを噛みつぶす響き)

クリック感の強い部分を
組み合わせて伝えようとする
瞬く、赤い
待機電灯の暗がりで
水槽のような
窓に浮かび上がるのは
存在 ....
娘とふたり
バスに揺られている

おまえが置き去りにした
ウサギの手さげ袋は
そのままバスに乗って
湖近くの営業所まで
運ばれたらしい

忘れ物はぜんぶ
そこへ運ばれてしまうのだ
 ....
色鮮やかな薄衣をまとった山あいは
戯れて欲しいと無言でせがみ
得も知れぬ愛おしさと
恋の味とは甘さばかりでは無いことを知る

その味わいのほろ苦さよ
古い峠道の傍らで人知れず朽ち果てた祠で ....
{引用=制作方法について:
2008年10月13日に秩父・ポエトリーカフェ武甲書店にて行った秩父お散歩ツアー&ポエトリーワークショップにて制作。
参加者がそれぞれ持参した写真2枚と今村知晃さんの朗 ....
{引用=
制作方法について:
2008年10月13日に秩父・ポエトリーカフェ武甲書店にて行った秩父お散歩ツアー&ポエトリーワークショップにて制作。リーダーイダヅカマコト。
参加者がそれぞれ持参し ....
{引用=
制作方法について:
2008年10月13日に秩父・ポエトリーカフェ武甲書店にて行った秩父お散歩ツアー&ポエトリーワークショップにて制作。
参加者がそれぞれ持参した写真2枚と今村知晃さん ....

消費者金融の無人審査機の前で
背筋をこころもち曲げている女
どういう顔をしていたらいいか
分からないのだろう
真っ二つに分けた前髪の間からは
かきまぜたコーヒーに入れたミルク
みたい ....
斜面を切り分けて
父の家が建つ
小さな

直方体を
重ねただけの
たぶん
遠い質量の

かたちのないたましいを
とどめおくために

ほっとした表情で
母は告げる
これで
 ....
蝉のように
最後の一週間で
羽化してみたい

  飛べるだろうか

そんなことより
左手と右手の違いについて
考えている
ついでに右目と左目について
も、ちょこっと
やはり
 ....
君のあとで
僕は手を洗う

君の湿りを
指に
残さないように

ミューズ

薬用
ということは
消毒するのか
君の
君の何を

ことさら
勢いをつけて
これでもか、と ....
カシッ

くるみの殻
秋の日差しのなか
乾いた破裂音

くるみの林
赤や橙に色づいて
かさかさ揺れているかな

ひと吹きでぱらぱらと
涙のようではなく
思い出のようでもなく
 ....
胸の想いは、
薔薇色の珊瑚だよ

だから貧乏だなんて
口が裂けても
絶対に、
言ってはいけないよ

こんなふうに、
今は。
志のある人なら誰でも
・・・・とても
苦しい、時代だ ....
今夜も
アオガエルのなき声のする田園を眠る
庭で白い芍薬が
ほのかに浮き上がる
視線の静かなまなざしで
満天のせせらぎの
おもい出のひかり
帰れない真夜中のいっそう暗闇をます
アオガエ ....
たった一人で
たった一粒の
愛へ落ちてゆく

街角で
目があった
おんなのふるくなったひとは
ばふん、と笑い
わたしは
カシャカシャカシャチーン
「仕事の顔」から「家の顔」になる
 ....
 
雑音が聞こえる
鞄の中から
聞こえる声を聞きながら
母は呆けた

雑音が聞こえなければ
昔のような
声で母は話した

鞄の中から
雑音が聞こえると
途端に母は
声を濁らせ ....
ビルは氷柱(つらら)のようであって
交差点に、滴る微笑の鋭角が
夜はひときわ映える

空は無限の海にはあらず
月のマンホールに、僕らは吐き捨てる
ばらけた感情語

それを生 ....
今夜の月は
半分しかないのに
風力発電の三枚羽根に
砕かれている
居場所がなくて
ぐるぐると、さまようものも
照らし出されれば美しいのだろう
今日も祈っている

風車越しに月を掴もう ....
書いて逆らうことを止め
暫く闇に流されてみる
空白は私を包んで
静かに冷える


蓄光時計は
カウントする
ゼロ−ワン、
光や熱の胎内で
確かに私たちは始まったが


彼 ....
どうやら僕は
今迄の思い出を 
大事にしすぎたようだ 

部屋の中は 
まだ終えてない宿題みたいな 
山積みの本  

ポケットの中は 
札は無くともささやかな記念日の ....
世界中にできた闇の部分がすごいスピードでずれて
くちぶえが遠ざかり
輪郭線が地平線とまじわりながらかたちをかえて
あたしたちはまだうっすらと汗をかいて
雲の裏側にのびていく光の筋が不意 ....
雨の温度が秋であれば
降りしきる時が吹かせる
あの風が好きだ

小雨であれば
プリントアウトした君からのメールを
焚き火にくべよう。

消去するときは軽々しい一瞬だったけど
剥がして ....
たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている

何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる

{引用=
 ....
銀猫さんの自由詩おすすめリスト(2703)
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Freedom_Song_- 服部 剛自由詩32*08-9-22
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眠りたい、雨の日は- たりぽん ...自由詩17*08-9-21
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