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祈りを土に捧げましょう

記憶は
ひと知れず育ってゆきますから
たくさんの道で迷えるように
そのぶんしっかり
戻れるように


空を翔ける翼のない者たちは
すべての責任を
空に負 ....
人が創る地獄絵は
恐怖と醜さが鮮明で
人が想う天国は
幸福と美しさが不透明

人の批判は瞬時に知れ渡り
功績はすぐに消えてゆく

否定することはたやすい
ひとたび否定の沼に溺れれば
 ....
うたたねをして目覚めると 
一瞬 {ルビ黄金色=こがねいろ}のかぶと虫が
木目の卓上を這っていった 

数日前
夕食を共にした友と 
かぶと虫の話をしていた 

「 かぶと虫を探さなく ....
一羽の鳥が空をゆく

わたしには
その背中が見えない

いつか
図鑑で眺めたはずの
おぼろな記憶を手がかりに
爪の先ほどの
空ゆく姿を
わたしは
何倍にも引き伸ばす

こんな ....
昆布の匂いがする、と

おんなの言うままに
おとこはそっと確かめてみる


漁師町で育ったおんなは
季節ごとの海の匂いを
知っている

おとこは
ただなんとなく海がすき、とい ....
背景のない明日が
夕暮れを透かして見えそうな頃

閉ざされてゆく今日が
夕闇にかすんでゆく

そんな当たり前のことに
淋しさや儚さを感じるこの心
あるいは美しさを見つけようとす ....
ただ激しいだけの
夏の日差しにひからび
立ち尽くす老木が
通り雨に打たれて
季節の終わりの
重苦しい空に投げだす
涙をのせた
手のひら

(それはわたしじゃない、わたしじゃない)
 ....
長い間
{ルビ棚=たな}に放りこまれたままの 
うす汚れたきりんのぬいぐるみ 

{ルビ行方=ゆくえ}知らずの持ち主に 
忘れられていようとも 
ぬいぐるみのきりちゃんはいつも
放置され ....
晴れのち曇り 雨 みぞれ

空のほんとは
どの日でしょうか

わたしたちには
空を知るすべが少なくて
たまたま覗いたその日の空を
強くこころに
留めがち
です


吹雪  ....
五山の文字の
ゆえんなど知りません
それでも私は
わずかに香る炎が尽き
夜が少し涼しくなるのを
ただ待っているのです

まだきっとどこかで生きているだろう
あなたを見送っているのです
 ....
五月晴れの代わりに雨だれを聴いていた

灰色の鬱屈が繭のように気分を丸め込む

長過ぎた梅雨の間に熟成され黴びた心は

あおく澄み切った夏空に溶け出していく

剥き出しの感受性は些 ....
空虚な腹部で
命と鳴いている
今日は夏だ
われんばかりの空だ
あぁ、こぼれてゆく

大地の精霊を
宿す
からだは
青空のもとで響く
首すじに光る雫を
ハンカチーフにすっと吸わせる ....
各駅列車がゴウンとかガタンとか
あんまりうるさい音で行くので
旅の記録も記憶も
まるで陽炎のように歪んでしまいそうです

最近では冷房がしっかり効いていて
天井の扇風機はすっかり黙って ....
「純粋」と「不純」の間で 
へたれた格好をしている私は 
どちらにも届かせようとする 
執着の手足を離せない 

一途に腕を伸ばし開いた手のひらの先に 
「透明なこころ」 
( 私は指一 ....
人目をはばかりながら夜は 
汗ばんだ首筋に歯をたてる 
梳いた黒髪をかきあげて 
受け入れてしまった恥辱 

かつて少女の頃に見た 
甘美な夢とはほど遠い 
なんの形も示さないのに  ....
空を飛びたいなど思わない
眠ってしまおうとも思わない
そんな明るい雨の昼下がりは
激しく窓ガラスで弾けて
つたい落ちる滴を
ずっと、ずっと見ていたい

  大切に飼っていた金魚を
   ....
ぼくが
せいいっぱい
こつこつと
いきてゆくこと


きっと
きのうまで
こつこつと
いきたひとの
ねがいをかなえること

きっと
あしたに
うまれて
こつこつと
い ....
うふふふふ。
いいもんだ。
もう引き返さなくて良いのは。


良かったじゃないか。
僕なんかの思い通りに
ならなくって。


すべてうっちゃらかして、ぶらぶら。
ご近所の真っ昼間 ....
ぱちんっ

私は目を覚ましました
一瞬お店に戻ったと思いました
でも周りに兵隊はおらず
穴の開いた石や
緑色の草が
代わりに沢山いました

私は地面に座ると
浴衣を着なおし
涙を ....
蝉時雨も止んだというのに
真昼の喧騒が
じりりと
耳に焼き付いたのを
両手で塞いだ

鳥の群れが西をめざし
灯火色した空に
消えていくのを
門口に焚いた火とともに
静かに見ている
 ....
、、、、、、、、、、、、、世界が半分で折りたたんで悲しんでいる


、、、、、、、、、、、、、悲しみのはじまりははじまりはおわり


、、、、、、、、、、、、、涙を流すほどの悲しみはない
 ....
炎天下の路上に 
{ルビ蝉=せみ}はひっくり返っていた 

近づいて身をかがめると 
巨人のぼくにおどろいて
目覚めた蝉は飛んでった 
僕の頭上の、遥かな空へ 

瀕死の蝉も、飛んだん ....
自転車の私と
白い軽自動車の先生が会ったのは
広い水田の中の十字路

偶然にもかごには
できてきたばかりの詩集
それはコピー誌で手作りで
でも 作品を集めてお金をだしあって
イラストを ....
いつも一生懸命予定を立てて
ひとつひとつ階段を登るように
こなしていくあなたへ

肩の力を抜きましょう

予定は未定であるわけで
至る道が閉ざされちゃったように感じても
今の一歩をどう ....
繰返してはいけないと思っていても
繰返してしまう
それはちょうど悪戯っ子が
すぐにばれてしまう悪戯を繰返すのに
似ているのかも知れない
かまって欲しいわけでもないし
誰かに判って欲しいわけ ....
まどろんだまま
深く吸った息で
体中に雨が透る

窓辺においた手紙が
濡れているのは雨のせい

滲んだ青いインクの
消えかけた名前を呼んで

雨の一粒一粒が
体の中で弾ける
ソ ....
あれは忘れもしない
一年前の8月6日
仕事を終えて
家に帰ると
あなたは待っていた

フリルのお母さんエプロンを
ひらひらさせて

おかえりなさい
待ってたよ
ばんごはんの支度が ....
{ルビ御月様=おんつきさま}が
どれほど 偉大か、
気が付いたのは
絶望の重みに
耐えられなく
なった 夜道 
十字路にある
自動販売機の
灯 だけが
ユメを見せてくれた

そ ....
人間は汚れている。身も心も。 
人の世のニュースを写すテレビ画面の中で。
私の姿を映す鏡の中で。
全ての日常は、色褪せていた。 

  * 

一人旅の道を歩いていた。 
信濃追分の風 ....
引っ越したアパートは
薬屋の二階だった
辺りには小さな商店しかなかったが
近くに大きな川が流れていて
君の心を支えながら
よく土手を歩いた

神社には大きな桜の樹があって
薄紅の季節を ....
銀猫さんの自由詩おすすめリスト(2703)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
祈りを土に- 千波 一 ...自由詩13*06-8-23
否定の沼- ぽえむ君自由詩13*06-8-23
探しもの_- 服部 剛自由詩16*06-8-22
鳥のうた- 千波 一 ...自由詩17*06-8-22
海の匂い- 千波 一 ...自由詩18*06-8-21
まるで難しいパズルのように- ベンジャ ...自由詩11*06-8-20
木々の行方- たりぽん ...自由詩13*06-8-20
棚の中のきりちゃん_- 服部 剛自由詩21*06-8-20
空を想う魚- 千波 一 ...自由詩15*06-8-19
送り火- Rin K自由詩27*06-8-18
*感受性応答セヨ*- かおる自由詩8*06-8-18
蝉の日- こしごえ自由詩17*06-8-18
暑中見舞_(旅先より)- ベンジャ ...自由詩8*06-8-18
鳥の影絵_- 服部 剛自由詩12*06-8-18
熱帯夜- 落合朱美自由詩1906-8-17
明るい雨の昼下がりは- たりぽん ...自由詩15*06-8-17
すこし_ゆうき- さち自由詩13*06-8-17
マーキング- 大村 浩 ...自由詩18*06-8-17
金魚の初恋- 愛心自由詩406-8-16
灯火- LEO自由詩19*06-8-16
no_more(- ふるる自由詩9*06-8-15
路上の蝉- 服部 剛自由詩14*06-8-14
なつかしいひとへ- 砂木自由詩18*06-8-14
*あなたへ*- かおる自由詩8*06-8-13
それぞれの夏- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-8-13
雨に目覚める- LEO自由詩15*06-8-12
主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました。- とうどう ...自由詩24*06-8-12
真夜中の光合成- 士狼(銀)自由詩8*06-8-11
信濃追分の風- 服部 剛自由詩17*06-8-10
支え続けるもの- 佐野権太自由詩44*06-8-9

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