○「菓子袋」
僕は菓子袋を開けられない
切り口がわかっても
開けられない
なんでこんなにじょうぶに作ってあるんだよ
○「田舎暮らし」
「多勢に無勢」という言葉がある
「骨折り損のくた ....
夜毎生まれ変わっては
終わろうと必死に光る
満ちるのも欠けるのも
月にとっては同じこと
女の死体と
人を呪う大樹
枯れない花を捧げる
絵の中の恋人
国を亡くした王子さまは
た ....
- impromptu+
{ルビ今夜=Tonight}
畏友アルベルトよ
さあ、{ルビ鰤=ブリ}になれ
{ルビ鯔=ボラ}になれ
Aston Mar ....
ダシの味 お買い得パック 五句 💸
ちやんこ鍋明日の一番負けられず 🥇
汁すする新入り力士ちやんこ鍋 😅
闇汁のこの食感は不気味かな 🍲
顔でなく中身で勝負 ....
今夜は独りウオッカをあおっている
他に客はいない
棚に飾られた真鍮の潜水ヘルメットを眺めながら
海の歌をくちずさむ
ララル ラララルララ~ ラララ…
何時だったか
黒いドレスに赤い ....
木星は
一周するのに12年
土星は 30年
木星の一日は
10時間
でも、一年も一時間も
《地球の基準》だけどね笑
人間は というか 知というのは 基準を好む
でも、いつも ....
サンクチュアリ とか 信じてないってポーズさ
頑張りすぎる君だから 強がりを肯定する ネガ
静かに味わうラム酒でまた生きてけるって云うし
逃げても無駄って本気で思ってるとしたら僕は何
気づくま ....
踊っている
{ルビ歪=いびつ}な星の上で
バランスをとりながら
踊っている
踊っていないと
この星からこぼれ落ちるから
どこなのかわからないどこかへと
昔
この星は歪でなかったとい ....
君の残した傷を眺める
開いて中を覗くと
夏の青空が見え
羽搏いてくかもめの群れ
君は海が好きだったね
独りごとで笑った
痛みがまだきちんと
機能していること
それ以外の方法で
君 ....
ごめんなさい
何度も 抱いてくれたけど
あなたのように 私は私を愛せない
あなたのようには 私は私を許せない
優しいあなた 笑い合える愛、見つけてね
今夜は君の言葉が妙に沁みる
何時も暖かかったり
冷たかったり
眠れないぼくは
あっちに行ったり
こっちを行ったり
何時も君は
ぼくの部屋にルビーのピアスを置いてゆく
無口な ....
近いとしんどい
遠いと楽
でも 二度と会えないのは悲しい
私って馬鹿だから
わかっていても 泣きはらす
ぽっかり
穴、あいて
なんの
深みもなく
なんの
形もなく
無限のたゆたい
無限のひろがり
すっと黒い円のなかに黒い円が在る
白い点は円のなか
段々広がり破裂し
....
写真の坂本龍馬の右手は
着物の中に入っている
「何か隠し持ってると思う?」とキミは訊く
ピストルとか? 物騒な時代だったから。
物騒な時代が終わったというわけでもないけれど
だけどもう誰 ....
冬のささやきに染まる頬
たぶらかされる唇もまた
つめたい
熾火のよう
ことばは
今朝の淡雪すら溶かしはしない
樹々を渡るすずめらの
目くばせほどのぬくもりも
変わらない距離で深まっ ....
命は原初から欠けている
魂という命
だから命は
何かを求め続ける
故に足るを知りたい
・
自然
つまり
因果的必然の世界
だから
いのちにありがとうさま
○「情報化時代」
インターネット上には
人の話で溢れている
他人よりも自分のことに
もっともっと目を向けよう
○「庶民の楽しみ」
乗り鉄
呑み鉄
撮り鉄
鉄道ひとつにしても
庶 ....
ジョーにゃジョーの言い分がある
だってジョーはアメリカのホームラン王なんだ
....
ほつれていくテレビに
故郷が映った
見慣れた橋や川面の姿
人も映っているけれど
ほつれていて
よくわからなかった
会釈くらいはしたかもしれない
そう思うと
雨の音が聞こえた
....
透き通る光が降りてきて
君の頬を丸く染めた
指折り数えたら
真っすぐ昨日に振り向いて
照れていた「おはよう」が
笑顔で溢れ出る
つがいの鳥は鳴いていますか
細い君の指が苦しそうに ....
静かな夜に独り酒をあおり
訳のわからぬ経を読み
華を散らし
伽羅を焚いた
想い人に手向ける夜だ
今となっては届かない俺の声は夜空に消えてゆく
あの時
こうあれば
ああすれば良かった ....
霜月の初めに思う来年の賦
秋の夜も残り少なし仰ぎ見る
孤独とのはざまにあるは若煙草
夕暮れて秋の雨降る庭の隅
時雨れては{ルビ首=こうべ}の垂れる文化の日
孤独との架け橋 ....
たくさんの秘密を分け合おうよ。ときには魔女のように下卑た笑みをいっぱいに浮かべながら、沸きたつ好奇心に駆られて、たくさんの楽しいことを。
たとえば小学校の男子用トイレ。その鍵がかけられた個室のドアー ....
自分のこころが
話し相手の私
悪も私
善も私
いろんな私
一日がこぼれゆこうとしている
どこへ
だれの手によって
疑問符は
フェイクファーのふかふかの中で
あくびを噛み殺して
目を閉じる
ここはやがて誰の手も届かない場所になる
別府湾を切 ....
これでいいのだ
と
言えばぶっ飛ばされそうな
木枯らしが吹く
秋の夕
僕は掛け値なしに
いいやつだった
それを知れただけで
俺たちは
満足なんだ
でも生活の問題は
据え置 ....
好きな詩人はたくさんいるが、石原吉郎ほどその言葉の碇が時代を超えて突き刺さる詩人はいない。私にとってもその都度読み返す大切な作家のひとりだ。
花であることでしか
拮抗できな ....
壊れた
あるいは
壊した季節
散らばる破片を
君は今は
振りむかずともよい
君が遠くを歩いているあいだに
それをそっと
継ぎ合わす手がある
月と星の光を熔いたもので
ひとつひと ....
少年は待っていた。
雨が降っている。
少年は待っていた。
雨が降っている。
少年は待っていた。
男は来なかった。
少年は待っていた。
雨が降っている。
少年は待って ....
まさるの家で山羊汁があると聞いて出かけた
子供のうちは山羊の脂に中るということで
その場に呼ばれることはない
その時計の狂っていることを祈りながら
向かいの能登屋の蒸し器か ....
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