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貴女の母国の言葉を教えてください
いつまでも話していたいから
貴女の好きな花を教えてください
部屋いっぱいに飾り付けてみたいから
貴女の好きな小径を教えてください
ときどき散歩に誘っ ....
{ルビ朝=あした}が来たからもう眠ろう
夜の迷子はもうやめて
あしたが来たからもう眠ろう
この世の迷子をもうやめて
嫌なことだらけ
だけど
いいねと思える表現以外は許されず
まるで
社会の足を引っ張るなと
溜めさせられ続け
生きることなどナンセンスと歌えば
母に叱責を受け
....
かすかに聞こえる
なつかしい声は
わたしでない誰かを呼んでいる
昔飼っていた犬や
死なせた金魚
履かないままくたびれた靴
そんなのたちを
呼んでいる
待っている
のは
....
華やかに散ってゆく
花びらは雨だれに撃たれ
風に身を捩らせて
朽ちてゆく
救われることなく
踏みにじられて
それでもなお凛と
色を失わず
最後の一瞬までも
華であり続ける
誇らしげ ....
青い空が覆う
透明な海が歌う
熱帯の魚達が舞い
足元さらわれて眩暈を感じる
焼け着く太陽が肌を焦がし
熱帯の山林が力を供給する
ハイビスカスが潮風に恋すれば
....
きょうはたのしいお祭りだ
夜の恐ろしさを鎮めた神社へ行くと
本殿へとつづく参道の両脇に
LED提灯が吊るされて
ステテコに腹巻のおじさんや
派手なアロハを着たおにいちゃん、
ポニーテイルの ....
あまりの美しさに息をのむ鳥 ジョウビタキは
鳥の貴公子(オス)です
冬鳥ですが5月ころまで いる事もあります
頭が銀色で顔と翼が黒色 腹部がオレンジ色という
鮮やかなコントラスト
....
鏡に映ったあなたの胸のなかに、
黒い竜が宿る。
黒い竜はその心臓のなかで増殖し、
血液の海を泳いでいく。
あなたが誰かと手を繋ぐあるいは、
身体を交わす、
黒い竜は毛穴から汗に混じり、 ....
かなしいがいっぱいになって
泣きだした
よくとおる声で
しゃくりあげ
虐たいではなく
とおり魔でもない
がんぜない
わがまま
しわのない顔をせいいっぱいゆがめ
大つぶの涙おしげもなく ....
心明は暗きまま
あけてはくれて繰り返す放埓に
やぶにらみのいばら屈辱の叱咤
(暮れなずむ空に水音蛙の声 ....
白い波に足をひたして
海に走り込もうとするこどもをつかまえる
波に洗われる砂のうえ
何かの記念の石碑みたいに
ぽつんと残される丸い石
背の立たない輝く水に浮かび
ようやく息を継ぎな ....
喉を失くした
もう言葉で潤えない
どんな綺麗で優しい言葉でも
空腹を満たすことは出来なくなった
おいでよ
もう誰も信じなくていい
どこからともなく聴こえてくる
もうひとりのわ ....
明日からまた、
雨の一日がはじまる。
灰色の視界は、
私を箱に残したまま。
箱のなかには、
脱いだままの服や、
読みかけの詩集たちが、
底のない目で私を見ている。
伸ばしっぱな ....
たとえば月が地球から離れていく
周回軌道が大きくなる
そこから逸脱していく
さよなら地球星、さよなら地球星
いろんな国の国旗を眺める
いろんな国の国歌を聴く
ラ ....
フロントガラスの向こう
傘をさした女が滲んでいた
雨にうなだれる花のように
あれは昨日のことだろうか
瞬間の感覚の飽和を無限と呼ぶしかなかった
悲しい詩人の形見 憂鬱
古い壜のよう ....
お父さんが帰って来なくなった
お母さんは泣いたり笑ったり
そして怒ることが多くなった
いつもはお化粧するのに
今朝はしないでお出掛けした
いろんな場所に立ち寄っては
ため息をつくお ....
さみしい さみしい 陽が暮れて行く
影を連れて歩いてゆく道 さみしくて こころぼそい
落日と人生の幕引きが重なる
もう昇ることない太陽 背後から近づいてくる死期の予感
儚き夢も ....
しまった、走り過ぎた。速度を出し過ぎたらしい。
危険すぎる。信号は黄色信号で点滅し続ける。
『気をつけろ』
この速さが気持ちよくてアクセルばかり踏んでいたらブレーキが効かなくなってたんだ。点滅す ....
次々に侵入浸透してくる音像、
粘つき交わったり飛び跳ねたり
それぞれが何ともランダムに
形象意味を打ち鳴らし波打ち
意識の内界に絹糸の言葉響かせ
凹み穿っては逃れ去っていく
豪放な震動 ....
雷鳴の腕の輪
静かに降る蒼
光は燃える
ひとつのしるし
星を知らない人に
星を教える言葉
ひとりの背には
降らない言葉
荒涼とした灯の連なりを
鳥の影 ....
恋はね、鬱の一種なの。
そんなことばを教えてもらった。
恋ひとつで病気になれる、
そんなあなたが羨ましい。
狂おしいぐらいの恋を、
いつから休んでいるのか。
脳内麻薬はからっぽなのに、 ....
灰皿の中で堂々としてる
レシート裏に付いたキスマークは
あなたからの挑戦かも知れない
火を付けたら灰になってしまう
破ったとしても屑になってしまう
水に付けたら苦しんでくれるだろうか?
....
光点の移動、鮮やかに残響し
至高の形象、彫塑されていく
青はいよいよ青く
白はいよいよ白く
闇に映えて闇に映えて
響きの交錯と分離は絶え間無く
運動性の中でのみ只在る崇高
肉 ....
【黄金の川】
主述の黄金律が 逆さに流れている川が
ランゲルハンス諸島には或る
島では、今日も甘美なインシュリンの雨が降り
下降気流で冷やされた土壌に蜜の匂いが立ち上がっている
....
綿菓子器の真ん中で
砂糖がはじける甘い匂いを
思い出していた
縁日の夜
神社の鳥居の影が作る深い闇は
永遠に私の心の中
御神木の向こうに
ぽっかりと浮かぶ
白い狐面
....
「あすは曇りがちで
午後には雨となるでしょう」
そういう 予報を耳にして
その日は 予定を変えたのに
水無月の気圧はあまのじゃく
俗にいう梅雨の晴れ間がのぞきこ ....
撮影が終わるように
またビジネスが始まっている街に雪が降る
もうインディアンは見失ったブランケットを捜さないだろう
トンキン湾に展開している米国第七艦隊は何処にも着弾しないミサイルを満載し
....
行倒れの男のように
靴が片方 ぽっかり見上げている
我慢しきれず漏らしてしまう
重苦しい空はぽつりぽつり
悲哀をくすぐりながら
見定めていたはずの世界を沈め
アトランティス
瓶の蓋 ....
目玉焼きを満足に作れないあなたが、
一番好きなものは目玉焼きだ。
手元がみえないあなたは、
いつもフライパンの外に卵を落とす。
あるいはフライパンの縁に卵を
重ねて落として、
出来上がる頃 ....
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