冬の午後を
公園に置き忘れたので
急いで取りに戻った
言葉を頬張りながら
塾へ急ぐ子どもたちと
光速ですれ違いながら
公園に着くと
理科準備室から
そっと盗んでおいた
雲母の標本 ....
重力を連れて散歩に出る
途中で箱に捨てられた電卓を見た
すでに衰弱して鳴く気力もない
可哀想だったが液晶は嫌いだ
電圧に媚びを売る様が正視できず
家に連れて帰ることができないのだ
ポケット ....
まだ夏という季節が
迷いのない子ども
(のよう)だった頃の
残り香だけを頼りにして
つりがね草の
茎の中を歩けば
規則正しい配列の褥で
寝返りをうつ命たち
不完全な器を抱え
危ういバ ....
決別したつもりの海に
手招きをする影を見る
葉脈の震えが伝わり
白い夜に立ちつくす
コンパス
情動
頼りにならぬ
女の勘
子どもたちは梟の頭
不等号に揺れる眼球
傾いた試験 ....
寒すぎるサーバー室で眠った彼は
真冬に新月で小指を切る夢を見た
次の朝になって彼が目覚めると
世界の半分が失われていた
空腹の彼はコードで繋がったまま
駅前まで歩いて喫茶店に入った
注 ....
夜の風に呼びかけられて
居心地の良い部屋を捨てる
駄目な方へと向かう本能
どこかで赤ん坊が泣いている
綺麗な花を上からのぞいても
ダ・ヴィンチの要塞都市を連想する
そんな思考に石を投げ ....
雨はなぜ私をすり抜けていくのか
そんなことを考えながら歩いている
死者を飛び越える猫のように
あるいは歩きはじめた老人のように
それは古寺へと続く苔生した山道であり
田植えが終わったばかりの ....
笑っている花瓶を床に叩きつけて
彼女の一日は始まる
すでに夕陽へのカウントダウンを始めながら
鼻歌交じりで自慢の髪に火をつける
深海魚の庭園から響いてくるベルの音
聞こえないふりをしないと食 ....
私は座っている。なぜなら私が、座っている自分自身の姿を心に思い描いているからだ。同様の理由で世界には雨が降り続いている。冷たい雨だ。人がその中に立てば数分で息絶えるほど無慈悲な雨だ。いつから降り始めて ....
眠れない夜には目を開けたまま死の夢をみる
それが正しい成長と堕落のバランスの取り方
アイツらを殺さなくてもアタシはどこへでも行ける
そう囁くのよアタシの宝の持ち腐れのコブクロがw
核兵器のボタ ....
夕暮れの中で長い坂道を
ゆっくりと下っていく僕は
幽霊のように曖昧な輪郭で
揺りかごの記憶だけが頼りだ
草臥れた靴が愚痴をこぼすのを
僕は無言で見下ろしている
口を開け剥離した季節の断 ....
オールクリア!
問題は何もない
いつものように大量死
アァ、今日も空が青い(腐)
朝食はベーコンエッグス
そして缶入りのトマトジュース
パンを焦がしてしちゃったよバカ
トランジスタ・ラジ ....
さわやかな朝に
無愛想なカッターナイフ
笑いながら手首を切ると
色とりどりのビーズがこぼれ落ちて
アタシは嫌でも
自分がコンビニだと思い知らされる
だから意地でも口紅は塗らない
薄利多売 ....
磨りガラスの向こうの公園で
外国人に話しかけられた
どうやら、フランス語らしいが
何を言っているのか分からない
家に帰ると母親が叫んでいた
ひとつひとつは意味のある言葉
けれど、つなげ ....
夕暮れが近づき
わたしの中に霧が生まれると
過去は砂糖菓子に姿を変えて
死者の日の祭りの喧騒へと
まぎれこんでしまった
何もかもが冷たく静かだ
退屈したわたしは
自分の隙をついて
....
◎検閲例:その1
戦争反対 戦争反対 戦争反対 戦争反対 戦争反対 戦争反対 戦争反対 戦争反対
戦争反対 戦争反対 戦争反対 戦争反対 戦争反対 戦争反対 戦争反対 戦争反対
戦争反対 戦 ....
いちばん最初についた嘘は
「ぼくはぬすんでない」だった
そこから始まるドミノ倒し
躓きなんてそんなものだ
大きな嘘に小さな嘘
許される嘘と許されぬ嘘
嘘で生きている奴らと
嘘に生 ....
腐臭が届かぬ場所にいれば
それは美しい光景かも知れない
死も崩壊も距離によって美となる
心を持たなければさらに美しい
わずかな罪悪感を
わずかな金に置き換えて
他人事の神々たちが
安 ....
无
(19)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
陽射し
自由詩
21+
14/4/11 11:01
_
自由詩
1
14/4/3 15:37
重力を連れて散歩に出る
自由詩
16
14/4/1 7:23
覚醒五分前
自由詩
9
14/3/24 16:22
月に撃つ
自由詩
10
14/3/2 20:04
ある朝
自由詩
12
14/2/26 10:14
夜の風
自由詩
13
14/2/22 22:50
饒舌な散歩
自由詩
10
14/2/19 14:06
はやにえ
自由詩
3
14/2/19 14:04
OMMADAWN
自由詩
4+
14/2/16 23:29
いつもよりおおめにくさをはやしてでうすえくすまきなをまちわび ...
自由詩
3+
14/2/16 23:28
揺りかご
自由詩
5
14/2/14 23:29
海への過程β
自由詩
1
14/2/14 23:27
朝の思考α
自由詩
6
14/2/13 0:29
バベル
自由詩
27+
14/2/4 11:34
帰り道
自由詩
3+
14/2/2 20:02
20分後の未来
自由詩
2+*
14/2/1 23:30
ライアーの娘
自由詩
7
14/1/31 15:24
安全圏の神々
自由詩
5
12/9/24 2:20
0.08sec.