海への過程β

オールクリア!
問題は何もない
いつものように大量死
アァ、今日も空が青い(腐)
朝食はベーコンエッグス
そして缶入りのトマトジュース
パンを焦がしてしちゃったよバカ
トランジスタ・ラジオから噴き出す血
金属が軋む音を立てながら
世界中が後ろ向きに行進してる
昨日までは何の兆候もなかったのに
気がつけばパソコンが死んでいた
バックアップは三日前までだから
アナタのプロポーズは無効になりましたw
完璧な温度と湿度なので散歩に出る
後から飼い犬のようにアナタがついてくる
無言のまま汗ばむまで歩いてから
老夫婦の営むカフェで不味い昼食
アタシはアナタに最後のチャンスを与えた
「ねぇ、アタシを驚かせてみせてよ」
アナタは(゜д゜)ハァ?とアタシを見た
口のまわりに淫らなミートソース
まあ難易度が高すぎたのは意図的だけどね
アタシの大切な白いページの本は
本棚で一週間も逆立ちしたままだった
アタシの視点は空中に移動する
校庭で息切れしている女神たちを
冷ややかに窓から見下ろす午後
遠くの海から弔鐘の音が聴こえる
パ・リス パ・リス パ・リス
行かなくちゃ、あそこに
遺伝子に裏切られた子どもたちが
閉じ込められた病棟の中で
醗酵する憎悪が膨らんでいく
数が限られるという残酷
アナタのペニスが優雅な曲線を描く
そんなに張り切らないでよ
アタシを貪っている時よりも
シラケて煙草を吸っている時の
冷酷な眼のアナタが好きだった
変形する好意(行為だけに)
濁った頭をクリアにするアルコール
懐かしい夕暮れが歪んでいく
この音楽が終わったら終劇
アナタの髭剃り跡に耐えられないの
賞味期限が切れた者の哀しみにようこそ
汚染された海に沈んでいくアナタを
静かに見送る夢を見た日
そこから
すべてが解れはじめた
今夜も眠れない基地の街
酔った海兵隊員たちが
太った紳士を指差して叫ぶ
「ハンプティ・ダンプティ!」
すべて元には戻らないのよ
手遅れのゲバルト
でもね
何もかも取り戻せるはず
逃げるようにしてノイズから遠ざかる
最初から三台目のタクシーを拾って
これから夜の海を見に行くんだ
愚劣さから物凄い勢いで遠ざかるために
アタシの人生はパパに狂わされた
二匹のケダモノが写る家族写真
知恵なんてつかなきゃ良かった
そ   れ   で   も
勝ち目のない復讐は死ぬまで続く
絶対にアタシの代で終わらせてやる
カイオーテのように笑いながら
白い歯が零れる海に突き立てる中指
そして遠い夜明けを待ちながら
呆けた顔で焚き火に焼べ続けるの

えいえんを



※以前に『もとこ』名義で別の詩投稿サイトへ投稿したものです。


自由詩 海への過程β Copyright  2014-02-14 23:27:41
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