葛餅を土産に四条通りかな
よく冷えた葛餅鉾の辻回し
人渡る綿毛が渡る交差点
秋には秋のバラが咲く
かたらいは満ちることなく月満ちて
人しれず録画の灯火浮かぶ夜
闇の闇の中にも闇のある
イキヅカイ犬の腹午後の怠惰のせ
....
蕎麦すする
朝に眠る癖は治らない
墨が流れた
闇路のしとね
花埋み
酔い酔いて
ただひとり
街を往く
雨止まぬ
街路樹
そのみどり
わが願い
女に生まれ
紅をひく
柔肌に
染めたる想い
血潮いろ
虫の音の
絶えたる夜道 ....
1 靴擦れで坂道上る猫背でね
2 一人酒しいたけを焼く七厘で
3 緑色湯がいて食べるオクラ哉
4 ブスばかり想像しながら射精哉
5 黒板にチョークで顔を書く男
....
じゃんけんをせずに葛餅五等分
葛餅をひとつ買いたる小さき手
写経して臨みたる百物語
写真撮りたる係百物語
独り占めできぬ恋百物語
兄弟の名を星に付け天の川
今日も一日が消えてゆく
出前また出前百物語かな
百物語すべてとけきっている
山霊を右に感じて富士登山
天空に散りばめられた宝石の声
マゼラン星雲がなぜぼくを呼ぶ
すばる北斗を待つ季節
シリウスの伝説に魅せられる
夕空に一粒輝くゼウスの星
薔薇の園恋人いない者同士
こだませる言葉を決めて登山口
しりとりのルの出てこない登山道
空に向け背骨を伸ばす登山口
空になりたい
天高く羊雲
空の災難はかり知りえぬ
今夜は秋の星がみたい
読み直す銀河鉄道の夜
僧となりたし少年期想い出す
お揃いのザックストック登山靴
登山道手繰るザイルの張りつめる
秋風やアイコ精神鑑定へ
彷徨い歩く回廊の夕べ
奈良の都を眺め溜息をつく
鳴く鹿の姿は見えず
灯篭の光に亡くした人想う
化石となった都を歩く
アメリカだけ見ている政府
痛みを与え痛みを受けた日本国
もう国境をなくそう
それまで何年かかるのだろう
秋に煙るサンマの香り
苦手な大根おろし擦る恐ろしさ
今年のサンマは当たりかハズレか
漁業権にサンマが青く踊る
スダチを絞る指先の香り
30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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