冬木の芽世界の殻を破らねば
太陽に一礼したる冬芽かな
冬木の芽頑固親父の如き顔
透明度の上がりたる水寒蜆
色彩をなくしたる街寒蜆
湖の奏でたる音寒蜆
寒蜆鍋に命を落としけり
同じ玉ばかり吐き出す福引器
福引のちぎれた餅へ紅い塩
福引の紐に左の手も添える
初富士を背に巨大広告そびえけり
複数の茶柱の立つ初句会
向日葵の咲く通学路笑い声
青嵐鍔を折りたる学生帽
福引のティッシュの塔の崩れけり
ポッケから溢れる福引のティッシュ
待合室で延々流れるNHK
鳩尾の奥まで灯る冬至粥
冬至粥湯気で曇った伊達眼鏡
那智黒の碁石ポッケに冬至粥
冬至粥白優勢のオセロかな
冬至粥海に沈んだ砂時計
棋士の手に木製の匙冬至粥
大吉をインスタグラムにあげ二日
性の死の爆発の闇夏の果
屠蘇こぼしガーターベルト脱ぎにけり
恋の札狙いたる眼や歌留多会
裏返る歌留多読む声恋の札
年玉を借りて煙草を買うオトナ
みかん剥く楽屋じゃ喋らない師匠
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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