六月は季語を忘れて君を待つ
鋭い眼力はナイフのように肉を抉り出す
ころころと手のひら転がる紅い珠
その緑が眼を射抜く
太陽を跳ね返すシャンパンゴールド
移ろう迷宮オパールの戸惑い
珠玉を握り今宵眠りつく
いにしえの五味六国は無しと知る
三千世界の香りが満ちる部屋
伽羅沈香は世のひと映す
生霊の香りを聞くゆうべに怖れをいだく
漆黒の伽羅に宿るブラックホール
あまりにも青い夏の日々
夏の昼は鶏塩らーめんを啜る
何とも言えぬ冷やしトマトに塩をふる
みぎみぎと甘い甘いトウモロコシ
真緑のきゅうりに味噌をぬる
あま甘い祖母の茄子 ....
毎週にやっと来る夏休み
かつぶし香る素麺すする
茗荷を刻み今日を忘れる
入道雲に往った姉さまいずこ
帰宅して少女の沈香を聞く
夏の日のタナゴは涼やかに
風鈴がし ....
阿蘇五岳迷路の如き高菜畑
知り合いのいないパーティー高菜畑
少しだけ臆病な恋滴れり
何も食べずに香を聞く
緑の山に伽羅映す
白檀というわがハンドルネーム
アジアに満ちるその香り
真夏日に涼しき羅国を聞く
映画観た女の眼球まっぷたつ
蒲公英の綿毛が上昇下降する
水田の田螺の上に彗星が
黄昏を切り抜く揚羽の黒い翅
起きてすぐ口内炎に気付く朝
滴りや濡れたる翼なき背中
滴りの一粒地球削る音
滴りやかつて地蔵でありし石
朝顔や
しおれて告げる
夕餉かな
....
白檀に
衣を焚き染め
今日もゆく
眼を閉じて
鼻をくすぐる
ハムエッグ
トーストと
立ち食い蕎麦を
較べたら
夏空に
食欲失くし
庭をみる
あと二日
頑張 ....
初夏の風くるりくるりとぶんまわし
黄金週間負けた試合のトンボかけ
「ばかやろう」私にゆける海文月
寂光の
夢みて
今宵も沈む
のべられた
布団のつめたさ
心地よい
いまひとつ
琥珀をあおぎ
ねむりつく
やすみつく
しとねの綿が
肩を抱く
眠れない
夜が漂い ....
ゆらゆらと
泳ぐらんちう
鉢の中
土佐金の
エレガンスなのは
尻上がり
鮒に似た
友の和金は
ばかでかい
出目金を
ねらう縁日
まどう指
りゅうきんの
腹 ....
銀色の一匹を求め彷徨う
渓に入りて恐れるわれは
青々し魚のルース
あまりにも透明な魚体をながめる
愛しいと想いながらも食うわれ
瞳が交差する戸惑い
殆どかわらぬ ....
蕎麦を食いたしソバはなし
かき揚げのタマネギ甘い
ざるより旨いもり蕎麦は
更科のしなやかさに癒される
暖簾が誘う蕎麦屋かな
牛飼いが一人佇む天の河
雨の日は別の海月となりにけり
星飛んで乙女に戻りまた踊る
....
広島の
....
モテ非モテ格差広がるソーダ水
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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