山霊を右に感じて富士登山
天空に散りばめられた宝石の声
マゼラン星雲がなぜぼくを呼ぶ
すばる北斗を待つ季節
シリウスの伝説に魅せられる
夕空に一粒輝くゼウスの星
薔薇の園恋人いない者同士
こだませる言葉を決めて登山口
しりとりのルの出てこない登山道
空に向け背骨を伸ばす登山口
空になりたい
天高く羊雲
空の災難はかり知りえぬ
今夜は秋の星がみたい
読み直す銀河鉄道の夜
僧となりたし少年期想い出す
お揃いのザックストック登山靴
登山道手繰るザイルの張りつめる
秋風やアイコ精神鑑定へ
彷徨い歩く回廊の夕べ
奈良の都を眺め溜息をつく
鳴く鹿の姿は見えず
灯篭の光に亡くした人想う
化石となった都を歩く
アメリカだけ見ている政府
痛みを与え痛みを受けた日本国
もう国境をなくそう
それまで何年かかるのだろう
秋に煙るサンマの香り
苦手な大根おろし擦る恐ろしさ
今年のサンマは当たりかハズレか
漁業権にサンマが青く踊る
スダチを絞る指先の香り
きらめく光の旋律
今宵に響く新鮮さ
ソナタが美しく香る音曲
究極に愛する想いの凝縮楽
旋律が奏でる往復書簡
トッカータとフーガに心騒めく
下町を漂う香り
夜に流れるバンドネオン
ブエノスアイレスが歎く夜
想いが叫ぶ優しさ
午前0時の夜散歩
清流に立ちて魚を釣りたし
久々の緩やかに浸る想い
鳥肌の立つせめぎ合い
音に酔い今宵食べずに終わる夜
琥珀に漂いスロウダンサーと舞う
紫煙が流れ涙さそう部屋ひとり
夏に置き去りのインスピレーション
赤いハイヒール残した君は何処へゆく
朝顔のような君の笑顔
....
ほろりほろりと闇夜を歩く
宵闇に想い消えゆく虫の音
乱調は我がならいとて夜に泣く
琥珀に溺れた胡弓の余韻
秋風が薄い肩を抱きしめる
てのひらに転がる珠玉の夜
伽 ....
学校へ行こうと目高泳ぎをり
覗く子が目高の空を暗くする
石臼にメダカがいますの貼り紙
初浴衣 頬に紅指す 金魚玉
空蝉を踏みつけ踏みつけ子がはしゃぐ
足の先までもが蝉であった殻
蝉成れず死んだのだろう重い殻
蝉殻に残された唯白い糸
ひとり部屋
土足厳禁
....
デパートの屋上に猿南風
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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