白桔梗紅一点のベーシスト
秋に彷徨い樹をいだく
ただひとつ
森羅万象
受け入れる
沈黙の
臓器が悲鳴
あげる朝
おにぎりは僕のハート
相撲と蕎麦はよくにあう
段差ないところで転ぶ昼ちちろ
戦火なき泰平の世や葛の餅
デザートを葛餅にするフルコース
今夜に死んでしまうかもしれない
江ノ島で
潮騒かおる
ラーメンすする
塩焼きの
イワシ食いたし
イワシ無し
死にきれぬ兵に吸呑みもたらされ
青空をこんなに青いと倒れおり
ここよりは争わぬ国春の虹
葛餅を土産に四条通りかな
よく冷えた葛餅鉾の辻回し
人渡る綿毛が渡る交差点
秋には秋のバラが咲く
かたらいは満ちることなく月満ちて
人しれず録画の灯火浮かぶ夜
闇の闇の中にも闇のある
イキヅカイ犬の腹午後の怠惰のせ
....
蕎麦すする
朝に眠る癖は治らない
墨が流れた
闇路のしとね
花埋み
酔い酔いて
ただひとり
街を往く
雨止まぬ
街路樹
そのみどり
わが願い
女に生まれ
紅をひく
柔肌に
染めたる想い
血潮いろ
虫の音の
絶えたる夜道 ....
1 靴擦れで坂道上る猫背でね
2 一人酒しいたけを焼く七厘で
3 緑色湯がいて食べるオクラ哉
4 ブスばかり想像しながら射精哉
5 黒板にチョークで顔を書く男
....
じゃんけんをせずに葛餅五等分
葛餅をひとつ買いたる小さき手
写経して臨みたる百物語
写真撮りたる係百物語
独り占めできぬ恋百物語
兄弟の名を星に付け天の川
今日も一日が消えてゆく
出前また出前百物語かな
百物語すべてとけきっている
山霊を右に感じて富士登山
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【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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