片貝を手にとり
なみだひとしずく
鮮やかな
紅灯る
秋の声
青空の果てまで
瞳を焼き尽くす
誕生日気づかれなくて秋刀魚焼く
大量の血を吐いた夜を忘れない
酒なくし味醂を啜る
焼き海苔に
祖母のこだわり
いま思う
紅鮭に
玉子納豆
ねぎの味噌汁
痛む喉気遣いながら栗を剥く
虹色の小魚を手のひらにとる
階段を確かめながら空を昇る
ふれえぬも
ちりん、と鳴るは 分けし絃
花影と
ラストワルツを踊る夜
楠花の
ゆかしき馨り かぜ洗い
寒くない?
手をつなぎたい口実で
紙吹雪
....
イヤイヤの社員旅行で拾う栗
太ももの瘡蓋はがし虚栗
二月堂
夕暮れ眺め
妻と往く
浜辺の砂がキシキシと鳴る
投げるから捕ってねと言い虚栗
差し障りある表現か秋の雲
狙われしプラタナスの葉凱旋門
秋の雲じしゃくあそびの砂鉄かな
方法はないテロしか夜や朝や
山のはを
彩る景色
寂しけるかも
公園で影をふみつつ散る銀杏
曇天にかりりとかじる椎甘し
風の鳴る夕焼け空に紅葉燃え
無い
無い
なんにもない
帰ろうか…
帰らない
枯葉散る宇宙(そら)との約束のやうに
虹の骨ポキリと折って帰ろうか
休日の
朝は苦手な
むかえ酒
石斑魚
客人を待つ
台所
黄金に透きとおる命あれはメタセコイア
28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68
【俳句】季語を含む17音律「5.7.5」の俳句と、その形式を崩した自由律俳句、無季俳句などの俳句作品のみ受け付けます。俳句批評は散文のカテゴリへ。
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