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飲み会へのお誘いメールにどのような文面で断るのが適切か算段しながら私はいつからみんなでなかよく大騒ぎする行事がこんなにも苦手になってしまったのだろうとかとふと思った。子供の頃はどうだっただろう。休み時 ....
揺れる、重力を忘れるように
揺らす、引力を振り切るように
熱を帯びていくにつれ
いろいろなところで汗がしたたり落ち
徐々にメイクも剥がれてゆく
どこまでがメイクなのか
どこ ....
夜の瓶の底を叩いて
がんらんどうの静けさだ
木々は枝分かれした懐に鳥達をいだき
近づく黎明を覆い隠すように
小さな寝息を慰撫している
今日という日に、起こるべくして起きたとして
その内 ....
心を閉ざしてしまうことは簡単です。私はそれを何回も繰り返してきました。
世界中を敵にして、私自身が救世主になって、
この色だけは変わらないものだと心を真っ赤にして生きていました。
その時 ....
世界が寝静まった夜の部屋に一人
特にすることもなく読むべき本もない夜
窓から流れ込んだ湿った空気が部屋の底に貯まっていく
昨日でもなくまだ明日でもない今
寝てもいないが起きても ....
ピシパキよ
濁ったものが気になるんだ
濁ったものが嫌いな分けじゃないけど
濁ったものがそのままなのが気になるんだ
ピシパキよ
濁ったものが沈殿して澄明な上澄みができることや
貝や濾過器 ....
夜が頭の中で暴れている。
静か。静かでとても静かに
時に灼け狂い 時に凍り絶え
幾億繋がりの数えるすべ無きポリスの多きを
神秘の流れる銀の糸河を
削りに削り レモン色のもやに戻す、戻す。
....
統計的な因果の編み目があまれて
カップだけが知っている)-(硝子のテーブルに置かれた
輪廻の網をこえたの」
「朝 僕は(揺れたのはおまえか
[太陽が影だけ来ていた
死んだ」
煙草 ....
それはひとが置いてきてしまったものへのノスタルジーのようなものだった
いや、ノスタルジーなどではなかった
ちがう世界の発展と調和に今を生きるぼくたちのこれからを重ねていたのだ
ひ ....
風が身の幅を寄せて悲しみを吹き渡る
蒼白な月はちょっと捻じれて孤独をうたう
僕たちは崖っぷちを降りたらしばらく水平を保って喀血する
航路を失った船は喪失を柔らかく受け止めて輝き
....
1
雨に打たれながら
空をふり仰ぐ
喜びは消えて
土に手を当てて
星の身体の温もりに
触れる喜びも奪われた
原発の吐息が
燃えている
風に乗り 雨 ....
ひとが見ていないところで優しい
八月一日
骨を転がす夢を見た
八月二日
私ではない、誰かの
八月三日
ブレーキを踏む摩擦の音
八月四日
君は居ない、もう居ない
....
全ての詩文を引き裂いたとしても生まれてくるのは新しい詩なんかじゃないさ、魂の触角に植えつけられた古い血が次のセンテンスへの欲望を昂らせるんだ、さあ、いまのおまえのあるがままをここに書き記せばい ....
枝の先端の鳥
影だけの猫
小さな足裏を見つめるうた
花の衣裳で踊る子の
悲しげな指に気づかぬまま
皆は拍手をしつづけていた
....
しどけない午睡から醒めやらぬ眠り姫は
一人寝の孤舟の岸辺で戦の終わる日を待ち続けて
夕陽をぼんやりと眺めていた
眺望のよい塔のうえに幽閉された魂は自分の捕虜としての価値も知らずに
幼い時に ....
騒めきを静めるように
掻きならす
腕にたくさんの糸をつないだ
はずだった、気づけばほつればかりで
抱かれた幻想に惑う
声すら届きもしないのにこんなにも
頼りない宛てに頼るなんて
美し ....
わたしと犬と
雪の契約
灰空と歯に
降りてくる白
わたしとすずめ
{ルビはなれてくらす=ちかづけぬまま}
わたしとすべて
{ルビはなれてくらむ=ちかづけぬまま ....
俺にブルースをくれ
でっかい心の真ん中に
突き刺さってとろけさすような
スイートなやつ
女に振られて気が狂いそう
歌に託して今の気持ちを落ち着かせたいのさ
残酷な現実だっていつかは受け入れ ....
人々が浮かれた声を上げる明け方、俺は
狂った声を壁の穴ぼこにねじ込み続けていた
その向こうでは標準的な雨の音が隣家の屋根を叩き続けて
睡魔はとりあえず二の次にされていた
生きる ....
銀行ATMの画面に映る
貯金残高の、底が見えた時
日雇いの如き自分に
歯軋りをしながら
この手を額にあてて、考える
一日の労働を終えて
家に帰れば迎えてくれる
妻 ....
ベージュの本
しおりのついた本
魔法の本
聖書
ペーパーバックの本
肉料理の本
呪術について書かれた本
押し花をはさんだ本
古い本
南の国の本
....
いつか私が寝台で
眠るように死んだなら
意思を持った肉切り庖丁がきっと
私のことをバラバラにするだろう
肉切り庖丁はこうもり傘と友だちで
その彼女は実はミシンかもしれ ....
気温 29℃
風速 3.1m
湿度 78%
鋼鉄の肌に汗がつたう
夜空をきりとった 明かり窓」からの月光
ウラン235の心臓の鼓動
「「 父さん、ここはひどく蒸 ....
子供の頃に
淡雪ひとつかみ
瓶の中に入れた
白い雪は
溶けて水になった
どこにでもある水になった
子供の頃
白い絵の具ひとつまみ
雪解け水の瓶の中に入れた
白い絵の具は
....
今日も仕事
明日も仕事
明後日は水泳
今朝は散歩
今週も来週も
頑張るぞ
体壊して
検査だぞ
自分に鞭を打ち
日々生きてゆく
毎日できる事を
するのみだ。
リーフ・ストランデッドは夜明けを待っていた
世界は大きな海と森
速度計の無いマシーンで
鋼のイルカを追いかけてゆく
草原を駆けぬける
大切な命のカーニヴァル
ここではありと ....
名を持たない者たちに{ルビ識別コード=なまえ}を与えよ
壜のなかはくすぶった魂でいっぱいだ
すし詰めといってもいい。
あたかも{ルビ薬室=チャンバー}のように
圧力が上がってい ....
その石には
一房の夜が埋め込まれていて
羽をひろげた名もない鳥が
宙返りをして遊んでいる
ならば
僕は
手のひら一杯の嘘をあげる
その重みで
....
ここは海の底商店街
シャッター街を歩いていると
時々誰かが迷い込む
ごぽごぽ
空気の音が
ごぽごぽ
遠くで聞こえる
ここは海の底商店街
錆びついたシャッターは
い ....
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