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だがしかし
意志のもと
わたしはみずから重力をつぶして
ささえのいらない
足のちからで
さがした、
おおくのひとみなさわがず
はじめの
核心から
そのほかたち
彼をふくみ
....
心臓、は
従軍する
かたち、を護るため
こんにち、までの
利率を導き
身の上話、の
清算を迎え入れる
ただしく在ろうとすることは
ときに、愚鈍を空炊きし ....
プールの底に
小さな小さな亀裂が出来ました
最初は
気づかぬふりをしてしまえるほど
ささいな亀裂でございました
そこにあっても
あると言わないかぎり
ないことにしてしまえるのは
致 ....
1
7歳の女子Y、何者かに命じられ
人形を手作りすること決意
綿、晒の布、針糸鋏
どこから手に入れたものか
胴体、手脚四本、それぞれの大きさに
チクチク縫った
ひっくり返して綿を ....
マンションの手付け金、
10万円を、払った。
彼女と、手打ちパスタのお店を、
ランチできのう今日と食べくらべた。
なにも、
面白くない。
テロリストにさえなれない。
水天宮に、
戌 ....
裸に海の膜を纏う
崖を繋ぐ羽毛の吊橋が足裏を優しくくすぐる
乾いて冷えきった太陽の光に背を押された
橋を辿った先に広がる光景は
眩しい新緑の髪がなびく草原だった
ああ
甘酸っぱい桃色の ....
文字からまる
丸めて伸ばしてほうりなげて
もどってきて
すと ん
しゅわーっととけて
波打って
波うって 波波波な み
はっとする
それは時計と目が合う時
確認作 ....
まず
音が出てゆき
次に
色が出ていった
そして
文字が去り
時間が去った
残った
ささやかな温度を
抱きしめて
抱きしめて
眠る
飢えも
渇きも
なかった ....
あてもなく昼下がり
運命の意図に手を伸ばせば
終わらない旋回の始まり
エナメルの細い義肢が
つかんだ銀のフラフープ
とてもきれいで嫌いな色
錆びついた金属帽子が
口笛にあ ....
水色の残像
音響と臓器
独り歩き
輪郭を辿って
わたしの腕は
真空の中の
宙を這う
イノセンス
無色透明?
多色世界?
意味を徘徊しても
文字の乱射と
ヒカリだけが
悲鳴 ....
言葉が
いつも
消えた その時
私は
眠い
いつも 夢を
見ていた
暮れていく夕暮れを
なぜだろう
この道は
果てしなく 長い
目前に開ける現在を見据えながら
ぼくは常に
過去と共に歩み続ける
手を痛いほど伸ばしてみても
握り締めたら弾けて消えた
歌の中で揺らめくシャボン玉みたく
刹那の現在は遠く遥かで
....
流れが速過ぎるのではないでしょうか
わたしはごぼごぼと 泡を吐きながら
すこしずつ水を肺に 入れて
ひとはみな自分の目でしか、
世界を見つめられないのだから
もうすこし他人の目のことを知 ....
箱のなか人々が踊る 砂になる
音楽を絶やさず人の形を忘れて
夜の湿度を 完璧に奪いに行く
一滴の水分さえ拒んで踊り続け
かかとが少しずつ崩れて ポゴ
ダンスできない それでも踊る
ことを止 ....
過ぎていく時間を 小さな手で ギュッと握れる分だけ そばに置く
小さく握りしめられて きゅっと固まった綿あめのような そんな時間を
ぽこぽこと積み上げて。
ほのかに甘いにおいのする 綿あめを ....
私、光なんですって。
文字が書かれたチノパンに、光がそそぎ
海の向こう側の浮島が、深く染まる
写真。
私、少し泣いてしまったのです。
悲しみの遺伝子
控えめな微笑み
フレームの外がわ ....
空の化石を
定規で測る
本棚に
古い指紋
人がいた
人はいた
肩幅の広さに
干されたままの
下着類
飲み物のない
簡単な食事を
フォークで
唇に運ぶ
言葉への失 ....
まだ模倣に過ぎない創作や生活や感受は
自らを海や空や嵐にするための呼び水だ
いろいろな
乳房を
見てきました
電車の轟きと、乳房
陽炎の記憶と、乳房
世界の呻きと、乳房
愛は乳房に、向けられます
それは、愛が、温もりだからです
乳房、泣きついても善いで ....
だれのせいでもなく、反射していきている
闘いの後を、追っていく
握り締めた手をかおをほうっておく
泥にも草にもなれず太陽に勝てず
お前のもとにいかないと心と話し
幸せだったととけてゆく。
ひとつの錐と
ひとつの傷
その間にあるものすべてが
錐により傷に押し込まれてゆく
錐により 錐により 錐により
奏でる前に
降っていた
奏でられるはずのものが
....
止むことを知らない汚れた雨は
幾層もの大地のフィルターで
クリスタルな輝きの水に
止むことを知らない悪意の視線は
守られるもののない
むきだしの心を容赦なく貫く
浄化されぬ禍禍しい ....
――大丈夫です
マニュアルがありますから
この通りに話せば問題ありません
私は詩人ですよ
詩人の言葉に
マニュアルなんてありませんよ
――いえいえ、
みなさんマニュアル通りに
....
たわむれが
咲いて、
さい
て
羽のかたちで
だまりこくって
子どもはそれを
真似して
つづく
いのり、だね
放つかたちの
閉じない
ひ ....
ことばの世界から遠ざかってしまったのは
見ようとしても見えなかったものが
見たくないのに見えてきてしまって
見えるものだけが正しいと思ってしまったからだった
気がついたときにはもう
粘着質な ....
球体の斜面をすべり落ちると
そこには白い空があって
それはまるで宇宙の塵の如く
浮かんで落ちようとしない・・・
その中をパイプの煙の輪くぐりのごとく
くぐっていくとまた空 ....
ナイフとフォークで
白い雲を少し切り刻むと
青い空がするりと落ちてきた
傍らに小奇麗な色で衣替えした
収穫の時間を置くと
秋の形が出来上がった
味覚を一つずつ競うように
....
秋の予感がする夜に
金色の蛾は
星をなぞってとぶ
さみしげにゆれる
夏草の穂に沿って
古い時間がとむらわれる
月に咲く花
ただ一輪の歌
真空を呼吸して
たましいたちを導く
....
ティッシュペーパーに百円ショップのサインペンで絵を書いていたよね。いちばん毒々しい色合いになるからって。僕は意味がわからなかったけど、なんとなくかなしい感じにえがかれるティッシュペーパー嫌いじゃな ....
焼け跡の町に響き渡る槌音
鋼鉄の爆ぜる音 クレーンが上下する音
再開なった船渠に 巨大な 鉄の フネが
進水を待っている
小学校の青空教室をこっそり抜け出して
造船所の裏山へ毎日通 ....
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