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何も無いところに
雨が降り始めている
父はもう誰とも
目を合わさなくなった

僕は今日、やっと
台所の隅でテレビになれた
独り言のように
延々と番組を流し続けた

す ....
朝から誰かに包まれていた

つながっていた

無常ばかりを言いふらかすけど

無常ではないものを信じている

つながっていた

朝から誰かに包まれていた
汚れている
唾から、
細菌が見つかる
手の平に、
零れ落ちる
ほろほろと役立たずに
いびつな皮膚が、
落っこちている
ふやけて出来た凹凸が
小腸の柔毛のように
吸収している
 ....
昼間の影絵を見つめていた

虫が永遠を啼いている

記憶が引きずりこまれてゆく

風が永遠を吹いている

ひかりに熱が溶けてゆく

あなたに会うまえの幸福だった
平気を装っているだけです
疲れにかまけて弱気を出すと
誰かが慰めてはくれますが
それはそれで尚更惨めです
大丈夫大丈夫まだ若いから
少しくらい眠くても昼休み寝れば
午後も気合いで乗り切れる ....
  風が細り
  土が痩せる
  人の心は落ち葉のように
  秋には秋のかなしみ
  寄り添いあって焚き火をする



  闇が冷え
  光がけむる
  静かな予感で街は煌 ....
雪よりも白い糸が
どこまでも続く

途絶えぬ筆記体の線が
サインは何処までも

{ルビ終焉=おわり}を知らない
時々刻々のように流れていく

どんなに流れても
忘れない

君の ....
空で悲しみを撃ち抜く
翻って自虐する視線を撃ち抜く
回転して引力の強い不安に突き刺さる
要領の悪さを責める言葉を抹消する
清冽なふたすじの水の流れに流す
そして冷や水を浴びせる

かつて ....
まっすぐに伸びた楡の根元に座って

視界に収まらない空を見ていた

眼球の限界―

やはり人間は限界のある生きものらしい

銀色の飛行機が頭上高くを過ぎる

遠ざかってゆく機影に憧 ....
色々な路地を巡り歩きながら街にいた
水色のジーンズを探しに出てはみたのはいいものの
過去に訪れたことのあるような 街の中にいた
それは 一体 何故だったのだろう


水色のジーンズを探 ....
雪の上の戦争が生をふみつけにする
街路樹の影という影に湛えられた海が
カラスたちを痙攣させる
水晶は汗をかき
光は素早く分解される
青空めいた少年の白昼夢が
空気に曲線を描く
私は夏の淵 ....
活動しない雲は
たいてい灰色をしている

海の上に
面倒くさそうな
固形物が
存在する

白い犬
がそれを見ている
黒い少年
がそれを見ている

そんな淀みの中の
なんでも ....
あの時
すれちがった知恵の輪
さすらいの風にふと
さよならって言おうとおもったけれどどうやらはじまりらしいね
ふとわらったよ
いつものように家の近くを散歩して
いつものようにため息をついて ....
1、ソイ

あやとりしよう
もりのなか
りぼんをまいて
ゆびをしばるの
おれんじのふうせん
とどかないそら
わるいうたをうたって
みずがかけてく


2、ルニ

くちのなか ....
冷めたコーヒーの色は暗く
この冬はあまりに邪気のない唇だった
木製の扉もすっかり
擦り減って きみの
背丈よりも長かった その
腕はいまも息づいている 

「それはおれたちが
 気 ....
ダイヤモンドより確かな一瞬に
石版みたいな青い空をみつける
だれの名前も刻まれることはないし
法律だって記されていない
ましてや
墓碑銘なんて思いもよらないのだ
だれかが今も死にいくなんて ....
女は
口汚く
男を罵っている

酒のいきおいか
それは
女の本心か

しなやかな体つきとは
反して
雨が降った後の

コンクリートのように
舐め上げたら
舌から血が流れ ....
くちなしの花が咲く
つやつやとした葉の上に
やわらかい真っ白な花をつける
甘いにおいを漂わせながら
白は枯れていく気配をみせる

くちなしの私はもう
何も語ることができない
唇は血色を ....
燃え上がる雨が歩道橋の影で愛をささやく
そのとき私は溺死する
空の転轍使は静かな寝息をたて
鳥たちにあいさつをおくる
ガラスの森では巨大な蟹が雨乞いをし
それを見守っているのは私の愛する女だ ....
空気に衝突して割れる声の破片が
あの同じ恐怖の温度をもって
心臓に突き刺さる

長い階段の一段一段を
少女の裸足が
危なっかしく下りてくる

何から逃れ来るのか、
わたしは知らない
 ....
合体の掛け声で
私の身長分高くなった君は
初めて見るとばかりに
星がキラキラする部分だけ
繰り返し繰り返し歌って
顔を夜空に向けてるのが判る。
真っ直ぐか地面を見る私に声をかけて
星掴み ....
ほんとは書くことなんてないんです
ってところから書き始めるのが定石でしょう
なんてナルシシズムなんて言外に心外で論外だから
僕のことなんて金輪際いっさい知らずにいて欲しいけど
宇宙の始 ....
良質の音楽の
流れるラジオ
ありがちな詩集片手に
窓際座る

シュンタロウ氏は
宇宙人のようだ
リュウイチ氏は
格好いい酒呑み

マーシー氏は
詩をよむに違いない
ヒロト氏 ....
 夕暮れのとあるひとときに
 猥雑な風ふと浄化され
 街ゆけば影は晴朗に澄みわたり
 君の頬に紅の西陽染まりゆく

 かつて君は語った
 玲瓏な風佇む宵のこと
 清澄な空薄く張りつめて
 ....
  実りすぎたのだろう
  夕暮れ
  ぼたぼたと光は落下し
  夏の川に
  鈍く奏でられる



  水は鳴り
  子等も響く
  夏の川は
  ひとつなぎの譜面とな ....
ない花の
ない花言葉
曇と光に
隔てられる朝


あなたには誰もおらず
聞き耳をたて
鼓動はひとつ
あなたしか あなたにはおらず


雨の羽虫
水に映らな ....
触れていたいと願うこと
それはとても身勝手で


遠い神話の理を
踏みにじってしまおうか


交わらない視線を
僕は知っていた。


すれ違う空気は
混ざり合うの ....
朝からチョークで
線を引いていた
家にチョークで
線を引いていた
夜に引いた線が
触れられたり踏まれたりして
薄く消えかかっていたからだった
ぴょんと飛び越えたり
軽く跨いだりして ....
そいつは僕の眼をじっと見つめ
/媚を売るでも無く
/何か一言言って僕の歩く先を
先回りしてしっぽを立ててステップを踏む
/石畳の路地は濡れて光っており
/黄色く彩色された建物の壁面に囲まれ、 ....
学生のころ帰省の旅費を稼ぐため、廃材の釘抜きのアルバイトをしたことがある。
真夏の炎天下で一日中、バールやペンチを使って材木の釘を抜く。ただそれだけの単調な作業だった。

毎日、早稲田から荒川行 ....
中川達矢さんの自由詩おすすめリスト(241)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
テレビの時間- たもつ自由詩611-7-19
無常ではないもの- 吉岡ペペ ...自由詩311-7-19
赤々と汚れている- 長押 新自由詩1*11-7-18
夏の木漏れ日- 吉岡ペペ ...自由詩111-7-18
赤い靴- メチター ...自由詩2*11-7-17
かなしみの四季- 草野春心自由詩4*11-7-17
小石丸- subaru★自由詩11*11-7-17
決別- 瀬崎 虎 ...自由詩211-7-10
遠景- 宮岡絵美自由詩511-7-10
恐怖を言葉に感じる- 番田 自由詩211-7-10
- ぎよ自由詩311-7-9
コンクリィト製の堤防から見渡す故郷の印象- 塩崎みあ ...自由詩8*11-7-9
メモリーズ- たそがれ ...自由詩411-7-9
ダンピング- ミゼット自由詩6*11-7-8
ラブレス- DNA自由詩211-7-8
虹のない/あるせいかつ- コーリャ自由詩1711-7-8
- 長押 新自由詩3*11-7-8
くちなしの詩- 木屋 亞 ...自由詩1*11-7-8
- ぎよ自由詩111-7-7
鋭い叫び声ではじまる夢- K・フラ ...自由詩211-7-5
収穫日- 電灯虫自由詩4*11-7-4
心象風景からは程遠い場所にある無意識下での哀しみの不可算性、 ...- 凪名木な ...自由詩4*11-7-4
ラジオと詩集と窓際と- シホ.N自由詩7*11-7-4
夕暮れに- 夜雨自由詩211-7-4
夏の川- 草野春心自由詩4*11-7-4
ひとり_ひびき- 木立 悟自由詩411-7-4
君と林檎、- ナ ヲ  ...自由詩211-7-4
チョーク- 長押 新自由詩4*11-7-4
野良猫その1- ……とあ ...自由詩8*11-7-4
釘を抜く- yo-yo自由詩17*11-7-4

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