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写真は送りあい顔は分かる
逢ったことはもちろんないし
写真以外の表情は知らないけれど
でも毎日二時間前後の電話で聴く声
その距離はほぼ800kmくらいあるだろう
お互いに同じ病いを持って ....
海外で活躍するメジャーリーガーや
サッカー選手たちはいつも大きな注目を浴びる
でも それをまず為したのは
商社を始めとする無名のサラリーマン諸兄だ
メディアはニュース・バリューがないので ....
透明人間の唯一の欠点は
自分の姿が見えないため
歩行者が自分を避けてくれないこと
そのため透明人間は繁華街や
人混みなどでひとにぶつかる
でもぶつかったひとは何にと想う
そう だれ ....
だれの《Summertime》が好きだと
もし問われたらぼくは間髪いれずに
パールの《Summertime》だと答える
ビリーもサラもフィッツジェラルドも
確かに名唱は否定しないけれど
....
結局 この国が失ったものは
任侠という精神だろう
任侠を暴力団に擦り代えることで
強きものを挫き弱いものを救うという
ひととしてしごく当然のことを
捨て去り邪険に扱うことで
多くの ....
眠れぬ夜がつづく
なぜに睡魔は訪れないか
こころに障ることもなく
日々は穏やかに流れつづける
それなのになぜ眠れぬ
それなのになぜ睡魔は訪れぬ
そのときにようやくに気づく
こ ....
あれからもう何年の月日が経ったのだろう
昨夜 昔の約束事のように深夜0時に掛かってきた電話
そしていまクリスマス・イブの雑踏のなかでぼくはきみを待つ
やがて遠くからでも分かる背の高いきみと小 ....
悲しみって燃える塵なんだろうか
悲しみって燃えない塵なんだろうか
その分別さえできないほど
ぼくはきみのさようならに
打ち拉がれてしまっている
愛と云う概念を言葉にしたものは
明治維新までは日本にはなかった
そのためツルゲーネフの小説
「アーシャ」に登場する女性が言った
「I love you」を「死んでもいいわ」と
三日三晩悩 ....
所詮きみが失ったものは独りのおんなじゃないか
片腕を失った訳じゃないし
片足を切断された訳じゃない
きっと慰めの言葉にはならないのは
承知してるし凡庸だけれど星の数ほどおんなはいる
睨む ....
ユートピアはない
シャングリラはない
サンクチュアリはない
バルベックはない
でも地獄はある
それはいま
きみのいる
世界だ
でも項垂れることはない
地獄とは生きる為の辛さや ....
寄留者(ゲール)を愛しなさい
あなた達がエジプトにおいて寄留者であったからである
『ミツワー、典拠は申命記10:19』
本当に信者とは、一途にアッラーと ....
ぼくはJAZZが好きなのに
チャーリー・パーカーのCDは持っていない
ぼくはRock'n' Rollが好きなのに
チャック・ベリーのCDは持っていない
ただ聴いていた時代はある
チャ ....
貧乏自慢
ぼくは右でも左でもなく、ましてや真ん中ではなく、ひとり途の端をいく。
Beatlesなかでいちばん幸せだった奴は
ぼくは絶対 Richard Starkeyだと想う
ではThe Rolling Stonesのなかでと問われれば
言うまでもなくKeith ....
意外と気づいているひとは
少ないのだが
ひとが胸に刻みつけて
おくべきひとつの真理は
須くどんな場合に於いても
昇ることよりも降りる方が
遥かに危うく困難であることである
あらゆる辛酸を舐めようと
水だけで一週間暮らそうと
敬意を抱く親友が逝っても
愛した女が他の男に走って
全財産を盗んでいかれても
会社でリストラに遭っても
倒産・自己破産しようとも
痛み ....
来る日も来る日も嵐のなか
海が凪いた日はわずか数頁
そうかきみの航海はそれほどまでに
吹きつける風と雨のなかだったのか
行会いの関係の際に笑顔で手を振っていたきみは
旧友であるぼくに ....
いま沢山のひとたちがこころを病んで生きてる
でもそのひとたちはこころが病んでいることを
だれにも悟れないように隠しながら生きている
それは憐れみや同情を引きたくないだけじゃなく
想う以上の ....
パリのオペラ座のすぐ横のキャフェ
ぼくが好んで座った席の
もうギャルソンと呼んではいけないムッシュは
ドラキュラ伯爵で有名なクリストファー・リー氏
そっくりのパリジャンだった
でも笑った ....
もう何処まで来てしまったんだろう
振り返ればもう出発点は視えはしない
視界に映るのは遠い後悔か 懐かしい悲しみか
幻だったかのように過ぎ去った愛するひととの日々
振り返れば道は一本だけ
....
1899年4月19日の深夜
オーストリアのブラウナウの街で
税関上級事務官であった
アロイスとクララの間に妊った子が急に産気づいた
アロイスは即座に掛かり付けの医者の元に電話を掛け
医者 ....
なぜきみはぼくに逢いにきてくれないんだ
これほどにきみと逢うことを望むぼくにだ
でもきみは遠い日にぼくに手を差し伸べた
ぼくはきみのその手を掴もうとしたときに
きみは邪険にぼくの手を振 ....
きみはもう夢は捨てたんだと言う
夢だけじゃ食っていけないもんな
でもなぜそんな悲しいことを言う
昔ぼくらは夢を食べて生きてきた
家族が多くなったからかい
息子にも娘にも孫ができたから ....
ふと泣きたくなるときがあるんだ
べつになにかに屈服した訣ではなく
べつになにかに敗北した訣ではなく
べつに淋しさを憶えた訣すらでなく
ふと泣きたくなることがあるんだ
ほんとうに動 ....
洞水門深く掘り中に簀子を当て
上に石を敷き扨て水門石を並べ
縁りも練土にて固め松葉を敷きたり
(『桜山一有筆記』より)
....
妄想かも知れない
泣きたいだけ泣きなさい
涙はそのためにあるんだから
ひとりで泣いても佳いし
だれかの胸で泣いても佳いから
それは弱いことではないし
情けないことでもないから
意地なんて張ること ....
狂気と理性が戦ったとき
果たしてきみはどっちが勝つと想う
理性か理知的なきみのことだ
そう言うと想ったよ
でもぼくの解答は違う
勝つのは狂気だ
なぜなら狂気は理性を殺せるが
....
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