友情
HAL

きみはもう夢は捨てたんだと言う
夢だけじゃ食っていけないもんな

でもなぜそんな悲しいことを言う
昔ぼくらは夢を食べて生きてきた

家族が多くなったからかい
息子にも娘にも孫ができたからかい

昇進したからかい
それで夢は捨てたと言うのかい

でもきみは間違っている
きみの夢はきみの心で眠っている

決して夢をどこかに捨てた訣じゃない
ただきみが捨てたと想い込んでいるだけだ

叩き起こすんだよ
きみの心の隅で眠っている夢を

遅すぎるなんてことはない
どんなことでも遅すぎることはない

さあ叩き起こすんだ
死んだかのように眠っているきみの夢を

もうすぐきみは定年になる
きみのみた夢はそこからでもできることだ

叩き起こせよきみの夢を
まさか盆栽をやろうとしてる訣じゃないだろ

ぼくはきみの夢を知っている
その夢はきみが生きてきたことを栄養にできる

ぼくだって好き好のんで
この歳でしがないコピーを書いてる訣じゃない

ぼくはぼくの夢を叩き起こした
夢はしばらくは寝暈け眼だったけどね

だからきみにもできる
ずっと夢みたことを叶えることはできる

保証するよ長年の腐れ縁だ
頼りない保証なのは言わなくても充分に承知だ

さあ夢を叩き起こせよ
寝暈け眼を醒めさせるには最適な頃合いだ

ついでにきみも眼を醒せ


自由詩 友情 Copyright HAL 2012-10-26 17:36:47
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