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こわくない
冬なので
こわくない
ビタミン剤あるから
ぜんぜんこわくない

花柄の靴したを
いつもばかにされても
構わないで履きつづけていた
ななちゃんは9歳だったのに
勇敢だ ....
1000日まえに
あなたがはじいた額のうぶ毛が
わたしの下腹であわい振動となって
いまではすっかり花のよう

つぼみとも種ともつかぬ時間が
おいしい毒になって
いつかあなたにも届くと ....
しかくい青さに煮出されるみたいにして泳いでいたあの子がいまはほんとうに
ま緑色になってしまった、泳ぎはかわらないが
ちらちらと遠くみえるのはかなしみだけであった
あんなに、なんども
きれい ....
ほしかった
ものをまえに
気持をうしないそうで
驚いている

驚いている
わたしがわたしを
うしないそうで

ねむりなよ
あなたが
言うものだから
泣くよりさきに
ほほえ ....
雨の日に彼女はピクニックへでかける
ぐしょ濡れのボンネットのうえでキスするために
アナウンスが不在を告げる
(あなたが誰かわかりません)
ため息で重たくなったバケツ
動物園で産まれた猿が山で ....
ひとを好きになって
はずかしかった
目も口も鼻も手足も
はずかしかった
話すことも黙ることも
さわってもさわられても
泣きたかった
赤くて青くて
欲しかった
あふれるまぎわの気持 ....
とにかく熊は
とてもつかれて
泳ぎはじめた川の途中で
夢をみることにした
川を渡りきる夢を
熊は

夕やみは
あ と言うまに夜へ伸びて
人びとを愛へ仕向けます
 ....
夜はごうごう
手足はしろく
わたしを売って
あなたを買おう

頭のないロボットが
あざやかなシュートを放つ
鍛えぬかれた一秒が
光ることなく埋葬された
雪は降らなくていい
長い詩もいらない
部屋には
湯沸かし器があればいい

わたしは臆病すぎるだろうか
ねえわたしたちは
なんて滑稽なかたちをしているのだろう
あなたはそれから日記を書かなくなって、たぶん唇はかわいている。
テレビは消音のまま点けっぱなしになっているから、部屋のなかの光と音のバランスは悪い。視覚的な喧噪と、それを拒否する沈黙。でもカーテ ....
あなたに何て言おうか
ずっと考えてた
あなたを愛してはいない
みていちょうが
こぼれるように
色づいている
愛しているといった
あなたの名前をしらない

いったこともない外国の街の名を知っている
冬は雨ばかり降るということも
あなたがそこでどんなふうに目を細めるかも

嘘をつかないあなたが ....
寝息もかたちを持つ生々しい夜に
生きていることははずかしかった
熱と湿りを帯びるからだが
その振動や重みが

やがて夜の裾がめくれはじめ
青と赤が互いを超える
はじまりとおわりを混ぜ ....
夜、檸檬は乾いた
ソーダはふにゃふにゃにすきとおって
青ごしに見た君は
僕のかたちにくり抜かれている
夜が
街のかたちに染まるように

いったいどれくらいのなみだが流れたろう
街角 ....
くちぶえみたいな夜が煮詰まったら
朝やけは痛いくらい赤くなる
はじめて手がみを書いたときに赤くなった
鉛筆を握る指よりももっと

わたしももっと赤くなればよかった
みさかいなくはしたな ....
猫っぽいものが
あなたっぽい暗がりへすり寄って
休日っぽい一日になった

下腹あたりに
あなたっぽくて
わたしっぽいものを抱えながら
とりあえずいまは
手足がとても熱い
こんなにみじめなのに
雨もふるのね
蔦は先端から枯れはじめ

あんなにしたのに
あなたは笑うでしょうね
あらゆる肯定をもって
嘘は嘘でなければ意味がないのに

雨はふるのね
蔦 ....
あんまりにびしょびしょで
かまわないまま
それがなにかも気にせずに
奪いあったものだから
愛みたいにおもってしまう
ただのセックスを
それ以外のかたちにくり抜こうとしたから
からだは ....
扉の音がしたけれど
どちら側に開いたのかわからない

あったのかなかったのかわからない
いくつもの好意
あってもなくてもかわらないような
くりかえす行為、

いつまでも振り向けない ....
出ていかなければならない
と知っている
部屋は
あなたとあなたでないものでできている
このまま朝は終わらずに
言葉もひとつも終わらずに
開かれなかった小説
届けられなかった手紙
呼ばれ ....
まったくかまわないよ
世界が
思ったのと違ってても

新聞をめくると
新聞のにおいがする
あなたをめくると
あなたのあじがわかる

あなたがもし
いなかったら
かまうけど
ねむたい気持は目の奥らへんからやってきて、あたまをぼんやり後ろの方にひっぱるので、わたしはそのときちょっと上向きの、おかしな人でしょう。指や手もとに注目すると、近いのと遠いのがいっぺんにあるのです .... いよいよふたりは
白木のようにかわいて
最後をはじめようとしていた

日々や色や、音や
そんなようなものたちに別れを告げ
横たうだけで
ぎたぎたに壊れていく
その破片のすべてに
蜜の ....
天使の絵をくれた
女の子は
七年たって
三度堕胎を経験している
嫌いな子の
上履きをなげすてたあの子は
ふたり目の女の子を妊娠している
あかい眼鏡をかけていたあの子とか
いつも違う ....
夜空に
虎たちはみごとな円を描いた
あなたが笑ったので
電波は世界のすみずみを叩いた
たくさんの点で構成されるあなた、
膨大なたんぱく質で構成されるあなた
この世のなにかが
まぼろし ....
からっぽをからっぽで埋めからっぽで蓋をしててもあふれるからっぽ 別れ際はいつもうそみたいにすがすがしかった。
うしろ髪をちぎれそうなほどひかれながら、それでもひとりで帰っていくこと。
もともとひとり同士のものが、いっときそばへ寄って、それからまたひとりへ戻 ....
しわをつけたたんぱく質
に管をとおして、
ビデオを返しにいくあいだに
血をすわせる
わたしでもなく、
だれかでもない、
しょざいない命にたちむかう
そんなことができるかどうか

 ....
空には
なみだが
すこしうつっていた

みぎ側が夜で
ひだり側が朝だった

きみに 僕がすこしうつっていた
 口ぐせもふせたまつ毛が濡れるのも汗ばんでたのも全部うそだよ

 痛いほどきらめきながら死んでいくさかなの群れは空を飛びながら

 結びめのきれいにできた関係を断ち切るはさみは錆びてかなし ....
梅昆布茶さんのはるなさんおすすめリスト(308)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
障子紙- はるな自由詩1014-2-18
振動- はるな自由詩514-2-11
水槽- はるな自由詩714-2-7
ねむりなよ- はるな自由詩714-1-29
構成- はるな自由詩414-1-26
まぎわ- はるな自由詩814-1-22
とにかく熊はとてもつかれて- はるな自由詩1113-12-27
テレビ- はるな自由詩913-12-21
湯沸かし器- はるな自由詩613-12-18
百年の鳥- はるな自由詩1113-12-6
いちょう- はるな自由詩413-12-5
すばらしい嘘- はるな自由詩613-12-4
絵筆- はるな自由詩913-12-1
二酸化炭素- はるな自由詩1113-11-17
くちぶえ- はるな自由詩813-11-6
休日- はるな自由詩413-10-12
- はるな自由詩613-10-4
- はるな自由詩513-9-29
- はるな自由詩213-9-29
水をかためる- はるな自由詩1013-9-26
かまう- はるな自由詩1213-9-21
91- はるな散文(批評 ...313-9-1
いよいよのふたり- はるな自由詩1013-9-1
日曜日の雨- はるな自由詩713-8-25
まぼろし- はるな自由詩913-8-21
からっぽ- はるな短歌913-8-16
朝顔のこと- はるな散文(批評 ...113-8-16
血をすわせる- はるな自由詩413-8-9
- はるな自由詩313-8-8
はさみ- はるな短歌313-7-27

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