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飛ぶときに必要なものがあるとすれば決心ではなくて、飛んでいる「当然」なのだと思う。決心なんて、どれほどもろくて役に立たない(でもそれなりに美しい)だろう。
娘が壁に手を置いて、しゃんと背をのばし立つ ....
群れからはずれた ひつじがいっぴき
光に打たれて たっている
かなしいでも
誇らしいでもなく
ひつじがひとり たっている
まるく くらい 影をおとして
ひかりがひつじを 打っている
 ....
朝で、
きみの床に光が当たっている。

しずかな街は
すこしずつ意味を手ばなして

もうすぐ、見られるようになる。
わたしたちの床にも
光の当たるところを、見られるようになる。
 ....
夜はぬかるみ
家のない鳥たちは
飛び続ける
(落ち続ける)

指差して灯るのは
あかるいのは嘘ばかり
やさしくて生ぬるい

半分のからだを
半分の誠実で包み
越えようとした
 ....
息は吐くそばから冷えて
凍った頬をもっとかたくした
ちっともこわくなかったよ
死ぬことも生きることも
きみがいないことに比べれば
おおきな鉄の
かばんは
おもい
かばんのなかには
かばんのかたちの
空間が
ひとつはいって
いる

よってたかって
見つめられた
少女や
きれいに
彫られた蝶などが
ま ....
すぐに壊れてしまう街をつみあげて
あたらしい街を構えるが
それもまたすぐに壊れてしまう
人のいないすがすがしい街が好きだから仕方ない

罪のない言葉で誘ったので
言葉は罪だらけになって ....
なめらかな時間のなかを
女がひとり
黙っている
場ちがいな寒さをたえながら
来るはずのない返事を望んでいる

皮のない果物のように
傷みやすい夢であった
塩と水と みじかい詩と
あとはすこし体温があれば
生きていける
たぶん
あなたがいなくても
時間という途方もない罪のなかで、許されるとしたら何があるだろう。たとえば夜、わたしは座って往来を聞いている。電車の行き交う音とサイレン、携帯電話にむかって笑う若いひとの声、風。時折虫が、(蝉だろう .... 女の子たちが夏休みをしている
いろんな陰のなかで
いろんな汗をかいたり
夕焼けが日ごとに赤くなるのに
あせったりして
わたしもかつて女の子だったけど
いつの間にかそれらは失われてしまっ ....
猫がならんで立っている
おまえはもう十六ではないのだよ、と
言ってくれるが
なんの救いにもならなかった
良いのかどうか
問いかける気持の裏がわで
浮かんでいるふたつのひざ小僧
がさがさで傷だらけでちいさくて口をつけたら割れそうだった

ママ
と言ったかどうかは
おぼえてない
言いたか ....
幸福は匙で掬ったアイスクリーム みつめていても溶けてしまう 宝籤はもうすぐ二歳になる。相変わらず尻尾の先をわずかに白く染めているかわいい黒犬。でも、もう自分の手足を持てあましたようなちぐはぐな動きは消えてしまった。暑い日、賢い番犬よろしくブロックのうえに身 .... 一対の鉄塔が
街をはさんで見つめあっている
(病気のような時間帯)

頭痛もちの少女が
おぼえたての寂しさを抱きしめて
影をうつした空へ飛びおちていく
そうだなあ。壊すなら街が良いね。とくべつ硬いやつ、と、言ったとき、あなたはもうわたしを愛さないと決めていた。美しいは残酷だから、わたしたちは生きていける。もうずいぶん長いこと言葉に身を埋めて、はっ .... 蒔いたことさえ忘れていた
種が芽吹いて花を過ぎ
実を結ぼうと閉じている
幸せになるために
いくつ名前を忘れれば良いのか
女であることを
忘れることよりは
影はたやすく溶けあって
昼間の声を裏切るけれど
なぜだろうか
あなたを抱くほど
くっきりとわたしが離れていく
うその家は
嘘でできている
三叉路が三つもある
うその家

みんなはそこで
笑ってもいいし
笑わなくてもいい
キリスト像を切り刻んでも良いし
仏壇で眠ってもいい

あなたには ....
(数字が壊れている)

夏で、いつもより心臓がゆっくりうごいている。
わたしたちは逃げてきた、盗んだものをぜんぶ
忘れるために。おもいのほか空気はおもたくて、
指が濁ってる。天井を塗る途 ....
ひと息ごとにこぼれるのをあつめて結いあげたのが
いまあなたの胸にひかっている涙です

気がつかなかった
愛がどれほどのものか
おわってみてようやく眺めることができた

一連を終えて
 ....
あの坂は
登りきるとすぐに
すこしだけくだりになる

なんど嘘をついたろう
あの天辺で
幸福など
真実と同じように
絵空事だとおもっていた
髪がのびた頃
くちびるから味はすっかりきえて
してきたことも
なかったみたいになった

鉢植えがたおれた
カーテンがゆれた
足も渇いて
でも
こんな色をしていたか
暑い日は
とりわけやさしくなって
あなたがしてくれたように
わたしをみつけます

汗ばむ生えぎわに
しがみつく指さきに
世界はまだまだやさしくなって
わたしはきちんと
失っていく
月はくだけて 花火のようだ
瓶詰の感動を 2ダース買う
予定のない日 自動車を運転して 精神科へ
背の低い医者に ばかでかい椅子のうえから
大丈夫ですよ と言ってもらうために

大丈夫 ....
あなたの黒い長い髪がうたうたび
わたしの胸はいちいちこまかく傷つきました

海岸のガラスみたいになめらかにちいさくなっていくわたしを
拾いあげて陽に透かして
その美しい呼吸を一瞬でも止め ....
角度、模様、ゆれかた
1日ごとに忘れること
空をさす指にのる爪が
いちいちあたらしく光っている
赤や白や茶に落ちついた傷あとや
庭のれんがが古びていくこと
角がまるくなったノートを
 ....
一滴のくらやみが 明るみに落ちたとき
わたしは黙っていてもわたしでした
愛などのことばも必要なしに

光を一粒あなたがとってみせたとき
はずかしく右往左往にばらけるわたしを
つぎはぎの ....
ふるい扉は頑丈で
坂みちをふさいでいる
その手前で三角にすわって
少し音をきいていた

あかぐろい、(でもやさしい)
まるい(でもつよい)、
おおきな、あかるい、時折白い、
響いて ....
梅昆布茶さんのはるなさんおすすめリスト(308)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
当然のこと- はるな散文(批評 ...1015-1-19
群れからはずれた羊が一匹- はるな自由詩1115-1-17
- はるな自由詩915-1-5
半分のからだ- はるな自由詩314-12-9
凍った頬- はるな自由詩414-12-9
鉄のかばん- はるな自由詩514-11-29
右目- はるな自由詩3+14-11-20
- はるな自由詩614-8-28
あとはすこし体温があれば- はるな自由詩614-8-21
穴は穴ごと穴のまま- はるな散文(批評 ...314-8-21
- はるな自由詩514-8-19
猫3- はるな自由詩414-8-10
ママ2- はるな自由詩414-8-10
アイスクリーム- はるな短歌614-8-8
まなざしのこと- はるな散文(批評 ...514-8-7
鉄塔- はるな自由詩814-7-27
さるすべり- はるな散文(批評 ...414-7-25
- はるな自由詩614-7-20
もえる影- はるな自由詩414-7-18
うそのいえ- はるな自由詩614-7-17
数字- はるな自由詩814-7-16
窓べ- はるな自由詩714-7-8
えそらごと- はるな自由詩114-7-4
髪がのびた頃- はるな自由詩614-7-2
暑い日- はるな自由詩614-7-2
21世紀- はるな自由詩314-5-16
海岸- はるな自由詩914-5-16
すてき- はるな自由詩714-5-14
くらやみ- はるな自由詩914-5-1
助走、逆流- はるな自由詩714-4-26

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