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女の子が産まれたら
愛子という名前はつけない
愛という字を
書き慣れてほしくないから
女の子が産まれたら
しのぶという名前はつけない
耐えしのぶなら
逃げてしまいなさいと教えたいから ....
わがままで
おろかだった
あの子のこと
ほんとうなら
愛したかったな。

でも
できなかったから
腕も
細すぎたし

すこし
まるくなって
遠くなった
あの子のこと
 ....
わたしが
波になるから

あなたは
なみうち際になって

いろんなものの
死骸が
流木のように
なめらかにうちよせる

そろそろ
語り合うのは
おしまいにして

あた ....
高いところから
こぼれた水が
だんだんとぬくもりながら
流れおちていく
その
さいごのひとつぶが
目がしらに発見される

水は
いつもさみしがるから
海と
出会わなくちゃ
 ....
宇宙はこわれて
とろとろの熊になった
やわらかで許された
ひとりぼっちの熊
わたしが出会うのは
その熊の孫の孫の孫の孫
なのだけど
まだだれも知らない
とろとろの熊しかいない

 ....
雨が降っている。わたしは埋葬する。恋のような、後悔のようなものをを埋葬する。小さなものを。浴槽に腰掛けてひやりとした刃をあてられる。剃り落とされる。粟立つ。あなたの顔が見えない。膝元に屈み刃をあて .... むかし
愛されたら世界が変わるとおもっていた

愛し合うのは
ひとつになることだとおもっていた

でもぜんぜんちがった
愛されるのは
自分は世界にひとりしかいないと思い知ることだっ ....
魚焼き網と食器桶をハイターに漬けて、便器とあらゆる排水溝にそれ用の洗剤を流し込む間に、うちじゅうの床を拭く。鏡とテレビとパソコンの埃を柔らかい乾いた布で磨いたあとで、便器とあらゆる排水溝とハイター .... 靴はかるくて
空は青色
人もまばらな
枯れた海辺で

飴玉がわりの太陽を
半分こして舐めながら
横切る不幸を指差して

かなしい色を
指にともして
柔らかい絵を
ふたりで描 ....
何度もおもいだす
何度も何度もくりかえし
手首のあたりにあるうすい火傷のあと
ささくれた働き者の指
左がわの耳たぶに指すピアス
くるぶしの刺青
うすい無精髭。

(わたしはむかしあなた ....
 梅雨の只中だ。来る日も雨。こちらは雨も強い。どこにいても空気が重ったるく水分を含んでいる。

 昨日、婚姻届を提出してきた。受理日は今日になると言われた。警備室での提出。警備員のおじさんが二 ....
ドアーが開いたときにあなたはそこに立っていたのですか.わたしは気がつきませんでした、ドアーはいつ開いたのですか.ドアーが開いたときにはまだあなたはそこに立っていなかったというのですか.ドアーは誰によっ .... ママあたしはよくわからない
生きることもごはんを食べることもひとを愛することもひとに愛されることも
ものを大事にすることも手に入れるということも失うということも
夏があって冬があって春には花 ....
かなしみに
一番ちかい子はだれですか、

神様が聞いたら
だれも手をあげなかった

神様は
ため息をついて
ごほうびをあげるよ
と、
うしろを向いた

そのとたん、
 ....
海辺に立つきみを
寝転がってみあげると
そこには
そらを背負ってるきみがいる

温い泥に飲まれるような
平穏な日々だ

空はいよいよ青く
次の季節へ広がっている
ピーナツバターを塗りたくってから、くだいたナッツをまんべんなくのせて、すこし焦げるまでトーストする。卵を溶いて、砂糖と出汁で味をつけて充分熱したフライパンで巻く。沸騰して火を止めてから三十秒経った .... 初夏に良く似合う君の肌
五月は、いつも遅れてやってくるね
陽射しをはじいて透き通る日々
ひいやりとした床の上で
最後の苺を食べよう
写真を撮らなくなって一年ほど経った。しかし少しまた絵を描くようになって、カメラを使っているときにはほとんど絵を描いていなかった、文章だけはいつのときも書いている。
物事をおこなう上で(ここでは創 ....
あらゆる事象は往々にしてひとつの地平に閉じ込められる。

*

時間に切れ目を入れるようにして生活が綴じてゆく。

*

猿の脳みそを吸いだした。

*

斜視の女が窓のす ....
かなしみを
かなしみ終えたら
ひとは
笑わねばならない

かなしみが居座って
笑いかたをわすれてしまうから

こころがばらばらにちぎれて
もう一つには戻らない
体じゅうの血が流 ....
生まれながらに海にして
私は誰も待っていない
浮かべて揺れる大きさを
舟も陸もが優しさと
讃えはするけど繋がれず

生まれながらに陸にして
私は誰にも出会えない
在り続けるこの風体 ....
それがまるでさいごだってみたいにせつないかおしてくれよ。
願うだけせつなくなることをなんでもして

*

いろいろな噛み心地のプラスチックを食んでいる感覚
自分自身をつみあげた先 ....
長いうでに春風をからませて
すいすいとあるいていく
かび臭いまちを泳ぐように

恋はもう
ずいぶんまえに終わっているのに
曇天に胸が鳴る
彼がふりむいたら
また恋がはじまってしまう
 ....
好きで、よくライブへ行くのだが(インディーズ・ロック・バンドが多く出る)、どうしてもベースに見入ってしまう。ギターやドラムやヴォーカルやキーボードももちろんそれぞれに素晴らしいのだが、ベースの、あ .... あいまいなかんじで立っていたらたおれた
しおれた花笑ってるばあいじゃなかった

あした会いにいくねって言ったのに行けなかった
あしたはあしたじゃなくなっちゃった

ぼくのことなら
忘 ....
目を閉じると
とても美しい一艘の舟があって
遠くまで来たことを知る

あなたを欲しがることと
あなたとの時間を欲することが
べつものであることも
もう知っている

舫われるべき岸辺に ....
整えられた部屋のなかで
足をそろえて座っている
でもつま先が冷えるのは
仕方のないこと

海や山や空をゆめみて
窓の近くに立っている
ほそい雨が降り出して
つま先が冷える

た ....
たくさんたくさん食べて吐く
たくさんたくさん切って拭う
洗う
視る
たくさんたくさんたくさんきる
たくさんたくさんたくさんわらう
たくさんたくさんたくさんしる
たくさんたくさんたくさんわ ....
一日に
二度の食事
少しの甘いもの
四十分ほど湯舟に浸かり
一本のチューハイか
グラスに二杯の安ワイン
十本の指を磨いて
文章を書いて眠る

一週間に
二度か三度性交し
新し ....
冬と春が手をつないでいる夕方に
静かに立ってそとをみていました
わたしはもう少女ではなく
絶望と仲良くもありません
ひとりで
静かに立ってそとをみていました

燃えつきる煙草、蘭のつ ....
乾 加津也さんのはるなさんおすすめリスト(115)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
女の子が産まれたら- はるな自由詩1311-10-13
したかった- はるな自由詩811-10-1
そろそろ- はるな自由詩711-10-1
海へ- はるな自由詩511-9-26
とろとろの熊- はるな自由詩1011-9-19
埋葬- はるな自由詩611-9-4
バージン- はるな自由詩611-7-13
捨てるのこと- はるな散文(批評 ...511-7-5
空は青色- はるな自由詩411-6-28
肋骨- はるな自由詩111-6-24
靴のこと- はるな散文(批評 ...411-6-16
飛ぶ鳥,落ちる鳥(鋭角と季節のはじめ、台風の間)- はるな自由詩511-5-30
- はるな自由詩511-5-27
大きなお皿- はるな自由詩411-5-24
海辺にて- はるな自由詩311-5-20
キャビネ- はるな自由詩211-5-17
白い腿- はるな自由詩311-5-14
作るに関する覚書と考察- はるな散文(批評 ...611-5-9
積木- はるな自由詩311-5-9
かなしみを- はるな自由詩811-4-20
たびびと- はるな自由詩411-4-19
2006-2007_刺青、あるいは痕跡- はるな自由詩511-4-15
曇天に魚- はるな自由詩511-4-10
ライブのこと- はるな散文(批評 ...311-4-9
春風- はるな自由詩211-4-2
美しい舟- はるな自由詩411-3-27
つま先が冷える- はるな自由詩611-3-10
水水水(2007/3/6)- はるな自由詩211-3-8
くみたてる- はるな自由詩611-3-7
みていた- はるな自由詩411-2-24

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