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手のひらを
ひらいたとき
いくつもの時間が
そこで死んでいた

顔をあげると
いくつもの季節が
道路のすみで
凍えていた

ふるえる指で
拾いあげた
だれかの言葉は
死に ....
ほかでもないあなたと
どうしようもなくなりたい
雨の日に雨だれを数えながら飢えていくのもいいし
乾いた日に蟻をつかまえて拷問するのもいい
湿った毛布のなかで賞味期限の切れたひき肉みたいに絡 ....
のびたりちぢんだりする時間のなかで
きれいにした足をそろえて泣いている

破綻した物語を
書き続ける
老人のようなきもちで
生き過ぎて
置きどころのない身を丸め
世界じゅうの
音を聞いていた

気持ちばかりが散らかってゆき
世界が
どんどん狭くなる

それから、立ち上がって

なにもかも行き届いた ....
短い旅を終えて
君が立っている
骨ばった大きな笑みと共に

ほどけた靴ひもを
結んであげるよ と言うと
いいんだ これから
空を飛ぶから

そう言って
短い旅に
でて行った
押しだされる
水はつめたい

書物は
ため息のようにぶ厚い
きみのまぶたは
蝶の羽のようなかすかな運動をつづけている

空気は遠くなりすぎた
青はためらい
黄色は純情
うす紫 ....
あかぐろい肌をして
山盛りの雲をあおぐ
雨を待つわずかの間に
なんども恋におちる

季節はぎしぎし言う
発情のおわらない猫が
前足で引き留めている
濃緑が
少女を溶かしてしまった ....

たとえば
装填されていない銃ほど
うつくしいものがあるか

街、
羽を抜かれた鳩が飛ぶ

仰向けで泳ぐ魚
黒鍵のないピアノ


引き金を引くときは
かわくほど目 ....
こころが
あまりに泳ぐので
からだは
すっかりさかなのようになった

くらやみで
もの見えず
熱のほうへと泳ぐこころに

からだは
ぴったりよりそい
もとめるものをもとめてい ....
愛と詩はべつものよ
花瓶の花と荒野の花とに
どれほどの貴賎があるだろう



ただ咲くように咲け
それをときどきやさしく飾るのが
詩の役割だろう
きれいにつみかさねた夜でできたお城
ぴかぴかに磨かれた言葉たち
いい匂いのする分厚いカーテンをくぐって
しらじらしい朝をくぐって

いくつものいくつもの
いくつもの肌をふみにじって
 ....
みじかい夜がおわって
きょうがはじまると
君のてのひらがすこししめってくる
青いような赤いような
夜あけまえ

だんだんとあかるくなってくる
あれは
かきあつめた命が
燃えるから
 ....
鳥は
飛ばなかった
その日

手紙は届けられず
果実は実らない
ペンは握られず
扉は叩かれなかった

あれから
ずい分とながい時間が経ち
しかし
雲は流れず
船は揺られな ....
背を向けて眠る
あなたのかたちを
なぞるかたちで
空洞が訪れ
わたしのかわりに
あなたを奪っていく

シーツの重みを
じっ
とみていると
だんだんと
時間が失われていくのがわ ....
まちは固すぎるので
気をぬくとぶつかって死ぬ

あらゆるものが
手に入れやすくなり
あふれ出すようになると
昨日がどんどん遠ざかり死ぬ

やさしさが
一山いくらの値札をつけて
 ....
言うべきことは
みんな言ってしまった

あげるものも
みんなあげてしまった

ま上では
曇天が
甘ったるく
張りさけている

見あげても
見さげても
灰色がつづく
手のひらに
つかむと
すこし音がしたが
死骸が
おそろしく
にぎったまま
眠ってしまった

おきると
部屋じゅうに
重たい光が
あふれている
昨年の大震災以降の、日本における「共有化」というのか、共有観というのか、そういうものがちょっと異常になってきているように感じる。

あの日わたしは関西にいて、テレビがどのチャンネルもばたばたと ....
あわ立てたミルク
窒息死

外れた戸から
ぬれたぜつぼうが
はいってくる
望むと、かなしい気持ちになってしまう。なぜだろう。薄っぺらい胸を、うさぎがつきぬけていった。龍のかたちにはりさけていた。
わらうには、虚勢を張るしかないのだ。

ずいぶん遠くまで来た。でも、 ....
それじゃあ始めます という声がして無意味がはじまる。それは声を骨組みにしてだんだんと形作られていく部屋で、うす桃色の人々が肉をつけていく。私は、あ、だめだ、ストッキングが伝線しているから生活に帰り .... 空が遠いと泣くひと
水たまりをあげるよ
すきな分だけ閉じこめておいで

泣いたあとで
わらう頬にさす風柔らかく
これ以上なにがいるだろう

それでも
手をのばすと
そらはゆれて ....
しゃくなげの苗が売られている。

その名まえは冬に教えてもらった。だからしゃくなげが、あんなふうな、つつじのお化けみたいな花なんだっていうのを知ったのはずっとあとになってだった。だって、これは ....
へやじゅうに散らばるこまかいつぶを一つぶずつ拾いあつめ
へやの
左がわにもっていき
さいごの一つぶを左がわに置いたところで
いちばん左がわの一つぶから
右がわへ
もっていく
死ぬまで ....
そらを見ている
木曜日
ふとんにすわって
見ている

窓枠のほこりが
すこしひかって
あちら側では
木曜日が
ちゃくちゃくとすすんでゆく
ビルが
あまりにもするどく
直角をつきたてている
空はよろこび
(そらはおんなか)
鳥が飛んでいる
たまに焼けながらおちてくるのを
ゆうめしにしようと
待ちうける少女

おめで ....
言葉はしめっていたがよく燃えた
ガス・スタンドの男と
寝てきたせいだろうか
瓶をかかえて
あなたが眠る横にたっている

ふたは
なくしてしまった

起きて

なにか
当たりまえのことを言ってください
この問いは答えでできている、この答えは問いになっている。あらゆる嘘は事実の隣にしか存在することができない。わたしは何かを探そうとしている、ただしいものを探そうとしている。傾いた夜、かわいた秒針 .... 「わたしはそのうち一秒と一秒のすき間に落ちてしまうかもしれない。」

「大丈夫だよ。一秒と一秒はしっかり手を繋ぎあっている。たとえもしも君がそのすき間につまづいてしまったとしても、またすぐに同 ....
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