すべてのおすすめ
正直でない人が乗るバスに
あなたと別々に乗る
みな黙って
窓の外をみている
景色は
圧倒されるほど美しくて
胸が熱くなるのに
だれも
なにも
言えないまま
バスは走ってゆく
真夜中目が覚めると
隣にいるあなたがいない
どうしたのかしら
そう思って階段を下りていくと
リビングから弱々しい明かり
覗いてみると
テーブルの上に水割り
そして
暗い表情のあ ....
青空が誘う言葉
あなたやあたしが紡いでも
恥じらうように消えるだけさ
彼が囁く言葉にそれでも
私は季節を信じない
だからそこに誰がいても
泣こうなどとは思わない
....
わたしにはみずこがいる
それにいつからか名前までつけている
ときどきゆめにそのこがあらわれる
ベランダでげんきよくはねてあそんでいる
あぶないからと注意しても
わたしをなめているのだろう
....
足の裏に雨がついた
足の裏からむこうが水の世界になった
ゆうらゆうらと ひったんひったんと
足の底から水がせまる
私はいっそお願いと
沈むチャンスをうかがっている
雨は惜しみなくふ ....
真っ白な壁にくるまれて
身じろぎ一つしない 彼女の
静かな寝息が こんこんと響く
そこは いつも
扉に囲まれていた
円い扉、四角い扉、
ぶ厚い扉、簡素 ....
学問ではなく
経験でもなく
喉の渇きをただ癒すためでもなく
僕は君の元へいそぐ
言い訳したくはなくて
君はたぶん泣いている
それはそれで困るのだけど
君が笑っていると僕 ....
綺麗と言ってしまってもいいと思うんだ
君は声をヒソメル
僕はなによりも君の
そんな声につまる 胸が
秘密
君は言う そう
唇に 指 くっつけて
ああ僕の
心の真ん中 ぎ ....
いらない紙の裏に
らくがきしたって捨てるだけ
なら
そこに私は描こう
心の模様
綺麗なんかは
めざさないけど
だれにも似ていない
私のはだかの心
捨てられたって
かまわないけど
....
だだっ広い雨上がりの空に
僕にはない言葉がさ迷う
地上の、揺れの、草の、言葉
湿気、温度、雲の距離
僕の言葉は枯渇して
君の言葉を吸い上げる
地球、亀、象、
天文学的な、 ....
一話完結の夢に
あなたがでてきたから
ぎゅっと抱きついた
あなたは肩を
抱いてくれたかしら
私は眠る
あなたと夢に溶け込みながら
赤い熱と
青い熱の交錯に立つ
在りもしない雨音
流れてくるものさえも信じない左手
夢を、
夢物語と終わらせない揺るぎない夜に
何が云えようか
約束はいらない
嘘に終わるくら ....
あたしが最後まで残しておいた
ショートケーキのイチゴ
最後に食べるのを楽しみにしていた
あたしの可愛いイチゴ
それをいとも簡単に食べられてしまった
あたしの隙を突いて
イチゴは ....
もしも、あのとき
そこにknifeがあったなら
隣に眠るあなたを殺していたでしょう
刹那を永遠に変えたかった
だけどそうするには
あまりにあなたを求めすぎた
かわいいあなたの無防備 ....
重い翼を引きずって
君と手をつなぐ。
二人で見る
誰もいない空は、
いつの日もきれいだ。
殺してほしいと
見知らぬ奴が言った
俺は面倒なことに
関わりたくないから
目を合わさないよう通り過ぎた
そうすると奴は
俺の足を引っ掛けて
転ばせた
殺してほしいと ....
あたしは
バンパイア
夜な夜な 赤い愛の血を
求めてさまよう
あたしのことを
愛してくれる
赤い血は
匂う 匂う
いい匂い・・・
今夜は キミか
かけ引きも大事 ....
青
車は停まり
人は進む
車は停まって
足は歩いて
手はそよいで
目は泳いで
思考は羽根をつける
時計を読み流して
ショーウィンドーを見過ごして
雑踏の中で溺れかけ ....
もも肉が
百グラム当たり
九十八円で
売られている
もしわたしが
鶏だったなら
もも肉
という名で
売られていたのだろうか
わたしの名を呼ぶ
母さんを
追いか ....
すき。
それだけ。
だめ?
とか
言ってみたいのに。
あのこみたいに。
なんでこんなにも
悲しいんだろ
なんでこんなにも
寂しいんだろ
溢れてはこぼれ
頬を伝う
あなに 別れ を告げようと決めたのは
友達とランチを食べていると ....
窓を開けて欲しい、と男は言った
壁しかない部屋だった
窓を開けた、とわたしは嘘をついた
男は両手を広げると
嘘の窓から青空へと飛び去った
ひとり残され
部屋を丁寧に折りたたみ
....
猫の眼は素直である
安ウィスキーをかっくらってばかりいる僕の眼とは
対照的だ
猫好きのひとに問いたい
きみらは嫁よりも猫をとるよな
少なくともこの一瞬
人生という長いスパンではなく
....
助けてあげたい気持ち
でも何もできない気持ち
はがゆい
大切な人が困っていても
お金がないことを
助けてあげることは
難しい
こんなにも世の中には
本当に困っている人がいるのに ....
15の時 演劇をやりたかった
が 部の雰囲気が悪く
音楽系の文化部に入った
戯曲”ロミオとジュリエット”に
あこがれていたから
その希望のままに
今も あたしは
生きている気 ....
2人して落ち込むことがあった週末だった。
「解決したよ」とメールしておいた本日17:03。
数時間後に不意に電話してきて。
2人して落ち込んでいた件につい ....
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