すべてのおすすめ
ひとが愛した草花の名前を手帖に書き留めて、日記にしましょう
ああ、憐憫というものは
秋の日の袖口に風があたり空がやたらに高く仰ぎひとがいつまでも遠くにいてぼんやりとした輪郭をにじませている ....
1・2・3…
その次は?
僕の頭はところてん式
4・5・6…
いっぱい知るんだ
その次は?
耳から何かがこぼれ落ちた
のかもしれないね
7・8・9…
こんなに覚えたよ ....
「焼ぁ〜き芋ぉ〜、
石焼ぁ〜き芋、焼芋ぉ〜」
日も暮れた
裸木の並ぶ川沿いの道を
赤ちょうちんの焼芋屋が
ゆっくり ゆっくり 歩いてく
後ろからもんぺの{ルビ懐=ふところ ....
男は書店で物理の参考書を買った。大学を卒業し就職して既に十数年が経っている。文系出の男にとって物理など縁遠いものであったし、特段の興味があったわけでもない。それでも男は物理の参考書を買ってしまった。「 ....
久しぶりに自転車の後ろに乗りました
私は弟の腰あたりにしがみつき
下唇を噛みしめていました
弟の背中はもう決して小さくはなく
細く長い目が 時々私をみて
落ちるなよ、と笑いました ....
小学校の放送室は
僕の隠れ家だった
放送委員の僕は
毎日お昼のニュースを読み上げ
学校行事のビデオを流したり
紙芝居を読んだりした
放課後になると
僕は一人
据えられたテレビカ ....
分類されるここでは
術をしるひと なのだという
お陰で、あの子は勝手に育って
わたしを追い越して うちゅうになってしまう
抱きしめてあげられないちっぽけな かいな のこして ....
牛の背中に乗って
のんびりと知らないところを
あてどなく行く
色んな人に出会って
色んな景色を見て
のどが乾いたら牛の乳を飲む
でも、結局
目に映るのは
やっぱり
おんなじで ....
最初にぼくたちは井戸を掘った
深く掘り進めば
清らかな水が湧き出すと信じた
けれど 掘っても掘っても水は出なかった
そこでぼくたちは業者を呼んで水道を引いた
それからぼくたちは ....
娘よ
すまない
おまえが初めて空気を吸った時も
おまえが冷えた
つま先抱えて
泣いていた時も
25年間
父さん
おまえにとって
死んでいたのだろう
混んだデパートで ....
他人に迷惑をかけないように
生きていきなさいって母は言った
幼いあひるの行列が
刷り込まれていくように
あなたは
もう気付いているとは思うけど
愛するということは
誰かを傷つけること ....
今日は 納豆と 生イカと から揚げを買った
土手を歩いて ゆっくり帰る
家に帰ったら ご飯を炊いて
納豆をぐるぐるして
からあげをチンして
生イカをさばかなくてはいけな ....
床屋から戻ると少年はいつも
美しい母の鼻先に
散髪したばかりの頭を近づける
あら、大人のいい匂いね
それでも早めの夕食が終われば
母は仕事へと出かけていく
男の人のもっといい匂 ....
カチャ
と音がして
鍵が開いた
開けちゃった
バカだね
バカです
だからなに
タバコの煙もくもく
さっぱり前が見えないよ
見えない
ひたすら
笑いっぱなし
一本足の公衆電話が
自分の前にだけ光をおとして泣いていた
近頃は誰も僕を相手にしてくれない って
もし急ぎの用がなかったら
一晩ぐらいはいてやっても良かったのにな
びんびんに冷えたコーラがオレは好きだ。
あの鼻から頭に貫通するしびれが好きだ。
わさびやタバスコとは又違う、あの
コーラの快感が好きだ。
最近、
オレはついにコーラの様な女に出会った。
....
ラブホテルに行きたいわ
クリスマスにどうしたいかって訊かれたら あたし多分そう答える
37階建てのホテルの最上階の夜景もそれはそれで良いのだけれど
君の瞳に乾杯するほど嘘なんかつい ....
二次会に行く同僚にさよならを言って
いつもの店に入る
カウンターに坐る
カウンターには
少しくたびれたフラワーアレンジメント
アルストロメリアだけはまだ綺麗
キープしてあった焼酎を出し ....
ママチャリを漕いで
16号線を走った 少年の日
太陽はじりじり肌を焼いた
片道40? カモメのジョナサン
のように自らを鍛えるために
でかけたのだった
....
いなくなった こどもは
てんごくにいると いいですね
いなくなった こどもは
わらっていると いいですね
いなくなった こどもは
かぜになれたら いいですね
いなくなった こど ....
「覚醒剤やめますか?
人間やめますか?」
このCMを子供の頃
見たことがある
今になって思うのだけど
人間やめたい人が覚醒剤やるんじゃないか?
煽ってるだけじゃん、と思う
....
「もう一年早ければ、受験できたんですがねぇ。」
そういった試験管はかなり嬉しそうに笑った。
新卒の22歳より、
数年分賢くなったわたしはいらないのだそうだ。
バス停であなたを待つ間、
....
落とし穴に落ちている人たちはいつも助けてという
手をさしだすと隠し持っていたナイフで傷つけられる
ロープを降ろして「これをつかんで上って来い」というと
落とし穴のなかでみつけた五円玉 ....
月がとても重たかった時、
君はそれがボーリングボールみたいに
どすんと落ちてしまわないか心配した。
月が痩せ細ってしまった時、
君はそれが空腹で
死んでしまわない ....
両手でそっと包んだ鳩が冷たく固くなっていくということ
小さな部屋でひとり眠る夢のこと
最後の言葉を告げるためにやってくる
自転車のこと
同じくらい愛し合っていると思える人と出会い
二人でしっ ....
ペースって 人それぞれやで
皆が急いでるからってあわせる必要はない
皆がのんびりしてるからって気を抜く事もない
人には人のペースがあんねんや
急いで力を発揮できる人
のんびり ....
悪い事をしてはいけません 悪い事をしてはいけませんよ
と 風が運ぶ 風が運ぶ
あなたは 朝8時に 長い坂道を転がって行ってしまう
隣の人も その隣の人も 意を決 ....
この都市の、上空100m
本当の本当に 都市のど真ん中にて
風に乗って舞い上がり
そこに留まっている羽毛
が、もしあるとするならば
僕はこの都市が好きになる
本当の本当に ど真ん ....
君を抱いても
終わりがないので
次の日曜日
殺人しましょう
生きている意味を
見つけたいなら
忘れるだけじゃ駄目
対極を見極めること
対極を見極めること
ぬるま湯な恋には ....
好きな女の子とデートして
「何処か行きたい?」と訊ねたら
「何処でもいい」とその子は答えた
今までの経験上、大概の女の子は
「何処でもいい」が口癖らしい
だけど突っ立っていても仕方がない ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10