鍵が在り 嘘が在り
改められず
治ることなく
肉にくるまれ 鳴りつづく
いつだって留守電のままの息子たち声が聴けない寂しさは闇
バス降りる園児の声がよく響く日本の未来君らに託す
牡蠣フライフワッと揚がる瞬間に別れを告げたあなたを捨てた
赤い薔薇悪いイメー ....
気がつけば骨まで{ルビ柔=やわ}くなるようだカルシウムが少し足りない
じゃんけんに勝っても屑に生まれ来る
しゃぼん玉まだ見ぬ原へ消えてゆく
少女には明かされぬまま冬の蛇
音を見る瞳吸い寄せ鈴の色
....
この道は知らない場所へとつづく道なくしたものの重みを{ルビ背負=しょ}って
北風を歩く麦の穂影こぼし月なき夜の炭水化物
ふくろうは鳴かぬか檻に閉ざされし脳という名の北辺の森
キリストは冬の季語なりあお黒く風にはためき電線ゆらす
きらきらと何処から降る雲母の粉乱視の眼 ....
母に似た 痩せた女を 抱いた後 髪を撫でられ 眠りに堕ちた
見えなくてすんだまなこをひと晩で開けたあなたの 眼をえぐりたい
綾辻行人・児嶋都「眼球綺譚」に寄す
暗やみの道の途中にぽつぽつと火が{ルビ焚=た}かれている道しるべだろう
くずりのけたわだちは
ひわたののどにねむる
ゆするとなのはなめに
もたれたこくげんのよ
つづらめざめしらかげ
あがないくうからきる
日(休日出勤)
日曜日「宴のあと」の風沁みて いて座の子らがゼロを吸う街
月(週休)
月曜日一人ぼっちのアイドルで『ありあまる富』口ずさむ丘
火
今朝も ....
月を踏むうさぎの白さ軽やかに
大鉈で マネキンの首 縦に割り 床に並べて 口づけさせた
ジグザグジグザグ
ぶつかりながら
ジグザグジグザグ
みぎへひだりへ
止まらなければ、
どこへでも行ける。
7:30 コンクリートの 巣穴から ヒトがうじゃうじゃ 這い出してくる
革命はピンボール
現実はノイズ
空白はエピローグ
静寂はナイフ
ふらんすの靴で新宿さまよへり
をりをりの胸苦しさや大人の日
ひとだまは火の玉
ことだまは木霊
ことだまにもひとだまにも姿はないけど
ひとだまには熱があるね
冷たいけれども
ほんのすこしぼうっと光る
ことだまには何があるかな
何かあ ....
しましまの囚人みたいな服を着て四角い窓から空を見ていた
廃 院 の ベ ッ ド の 上 に 捨 て ら れ た 注 射 器 ....
椅子ひとつ文句をつける君の横で 黙って揺れる二足の私
安ピアス寝る間も着けて年を越し自堕落三昧クロムの髑髏
湯に浮かぶ剥きたる桃の白肌を潰すが如く愛でる五指見ゆ
バーニーの毛髪のごと陰毛の白き痴丘で侘び暮るるかな
大雪の町にて我も遊びたしおのが頭蓋 ....
掌をふたつ合わせて手に入れた
祈りを今日の命に変えて
君がため 冬のバーゲン付き合った 僕の財布をなぜ君が持つ?
平凡に流れる日々が嫌だなと思っているけどうん、ビューティフル
圏外の時は少しの開放感 だって誰にも邪魔されない
ぐさぐさり ....
降る雪が重くなるころ春が来る
きっとやさしいいももいろの風
{引用=
あいたいと言ってきみはみゃぁと鳴く 受話器ごしの喉はぐるぐる
いつまでも傍にいてよとキスをして 眉間にシワを寄せている猫
しっぽふるきみの動きを見ていたら 38℃の ....
あいはぶあぺんしるあるいは稲光
夕闇を 抱きかかえてる 野良猫を 手懐けられず 舌打ちひとつ
都合良く 甘美な声で すり寄って 欲求満たし 次は何処へ?
「猫っていいな」言ってみるけど 「思う程、楽じゃな ....
窓枠に浮き立つ綿毛雪の空
石光る体に苦しい希望の灯
六月がまだ終わらないこの街と心中するの?優しいんだね
真夏日にさびの匂いの水道で虹を作ったこと、あるだろう?
青空がとても青くて心地よくてロケットをまた作りたくなる
グッドバイ地球。 ....
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