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春月や 石の転がる道をゆく
嬰児が鯖雲のしっぽを手繰る
懐は七十四円火星寄す
マントルを貫き出でし花椰菜
酒がない 猫を研ぎ澄ます
水仙の手習はるる笑み冬の月
南天のうさぎのまなこに目薬を ....
手の中に誰が居るのか自分には
太陽の凝視する海死にかける
心へと刺したストロー吸い込まれ
ベルベットアンダーグラウンドわからねえ
胃の魚の蛸の目の日の白の口
....
黒板を滑るはチョーク
指の跡
伸ばす手に
掴むは色か
空蝉か
春を待ち
春過ぎゆけば
春を待つ
ビニールを
叩くは雨の気まぐれ
つまはじく
懐 ....
ノヴァジェットプラズマ爆発だらけの宇宙
太陽は実は脈動変光星
百万年前に生まれた光を浴びてる
百億年前に生まれた元素と生きてる
黒点は太陽の笑くぼ多いほどよし
リ ....
晴天の 青さにけぶる 雪崩かな
紅梅や 縁側にいて 雲ひとつ
月影や 一輪わらう 空のもと
くるくると むおんをはらむ こゆきかな
限りある 青空のぞく 小雪かな
凍て返 ....
南風吹けよ荒れろよ春の歌
どこからか香る日溜り梅の花
水仙や雨水の頃の風に揺れ
四十雀高く囀る屋根の上
人知れず訪う春や仏の座
ここの雪は重かろヒマラヤユキノシタ
食べたいし花も見たいし菜の花みどり
桃が咲くのは節句を過ぎた頃だろう
同じ鉢のアザレア同士の鮮やかさ
一木のマンサクちらりほらりと満開
....
じゃんけんに勝っても屑に生まれ来る
しゃぼん玉まだ見ぬ原へ消えてゆく
少女には明かされぬまま冬の蛇
音を見る瞳吸い寄せ鈴の色
....
月を踏むうさぎの白さ軽やかに
ふらんすの靴で新宿さまよへり
をりをりの胸苦しさや大人の日
あいはぶあぺんしるあるいは稲光
窓枠に浮き立つ綿毛雪の空
石光る体に苦しい希望の灯
雨やみて雲雀の飛んだ水たまり
何を見て驚いたのか鯉のぼり
紫陽花がたくさんのいろ人みたい
桃をむく香りと北へ寝台車
空目指し向日葵たちが背比べ
アリが来てわたしの足を ....