これ、以前に頼まれていた資料です
と小田さんの持ってきたコピーが
湿っている
海に行ってきたんですよ
小田さんは微笑んで
きれいな巻貝をお土産にひとつくれた
去っていく小田さんの髪や ....
日なたを見つめる

芝生が動く

秋のバッタだ

ひらひらするのは

シジミチョウだ

どこかでそれらの

たとえば文集が編まれている

ぼくがここにいなくても

ぼく ....
朝陽が、まぶしい。
まぶしいけど、たよりない。
たよりないくせに、私を射抜く。
逃げられないよ と

病室の窓は 東向きで
私は ベッドの上に寝かされて
身動きできない私の左に
容赦な ....
青い瑠璃色の地球は
ほんとうは赤いリンゴで
カミソリでつけた傷からは
傷口をうめるように
黒い血がにじみでていた

血の味は甘くて金色のハチミツのよう

果肉をかじると
青い欲望が汁 ....
シャンプーハットを被って

カッパと言い張った

100%天然素材そんな物体は

本当に人間に害をなさないのか

いつか全人類が僕だけを残し

死んでしまったら

それは愉快で ....
バナナのタバコ バナナのタバコ
バナナのタバコを吸ってごらん
ポップでキュートな甘い味
ピンクのイルカが見えたでしょう
泳ぎ続けるのもいいけれど
時にはイルカの背に乗って
揺られていてもい ....
音もなく降り注ぐ
月光に
全身を灼かれ
声もなく身悶える夜

あまりに清らか過ぎるのだ
もはや引き返せない私にとって
月の光は
いーち、

にーぃ、

さぁーん!

四丁目の公園のわきを通ると
子供たちが叫んでる 一斉に


数を数え
数と数えられ
くたびれくすんだ任意の整数が
時速5キロの自転車で
 ....
うっすらと

冷えた微風にほんのりと

さやかな湿度とキンモクセイ

夜道をスーツは落ちてゆく

まよこを電車が落ちてゆく

ほんのりと

さやかな湿度と焚火のなごり

胸 ....
ふと口からもれた声は
どんな言葉のはじまりでもなく
そのまま枕にどさりと落ちた

わからないのは
今日のことと明日のことだ
そのあいだに佇めない弱さで
布団にたおれこむ
それさえひとり ....
母の姉が倒れたとかで
今日は父と二人だけだった

いつもと変わらず
朝に放浪の為に家を出る
私にとってこの家は
苦しいだけの場所なのだ
だからと言って
外に安らげる所もなく
時間だけ ....
またしても
夕焼けに因縁をつけられる
丁寧に塗り直したばかりの
ちょっと自慢の金メッキは
緋色の光に呆気なく溶けて流れ出す

またしても
夕焼けに喧嘩を売られる
行先のどっぷり染み ....
もったいないようでいて
素晴らしいはずの
大自然をリコール
ぼさっとしてるオヤジたち

とかいってみたし
まあ中道的に普通
まさにとかこれがとか
いちおうめんどくさがりはする

靴 ....
虫の音だけが響く長い秋夜のしじまに
基次郎の 「檸檬」 を読んで
僕も明日、彼女の机の上に
そっと檸檬を置いてみようかと
画策する 新しい世界を生むために

だいぶすずしいなったなあ
と ....
未熟な叫び声が

空高くとびあがった

水溜まりから見る景色を

覗いて見たら

小学生の兄弟が仲良さそうに

お揃いの長靴を足並みそろえて

スキップしながら川沿いの道をある ....
寄りかかるように抱擁する
くびすじに鼻をうずめる
匂いがする
人なのか、花なのか

どこに生えればいい
ここに生えてほしいとは、言えない
空白が待ち構える
根を張ったら、そこで何もかも ....
梨が終わり
柿のなるこの頃
貴方は何を
していますか

天高く
同じ空の下で
貴方は
活躍していると
思います。

自信を
くれた貴方。
いつか有名に
なるので
応援して ....
星よりはやく西へ東へ

飛行機たちの遠い明滅

夜の坂道に外灯がたつ

いくつかの影をまとい

僕は長い坂道をくだる

僕は夜の無生物になる


さびしい、とつぶやいた

 ....
新宿駅連絡通路できれいなひとに呼び止められた
朗らか過ぎる白い歯並びと
しなやか過ぎる姿勢の妖しさと

「あなたがあなたらしく生きているとき人は美しい」

白い歯並びからのぞく跳ねるような ....
鉄町に住むからか
鉄の女と人はいう
私はそんなに強くない
錆びて疲れた心なの

二人歩いた鶴見川
今日はひとりで来ています
結ばれないのは知っている
信じたくないだけなのよ

たと ....
よかぜはふく
ぼくらのたに


よかぜはひく
あのひのせいざ


よかぜははこぶ
よぎしゃのおと


よかぜはともす
ぼくらのえき


ぽつんとともす
わたげのいのり ....
空がとても高かったので
煙草吸いはつい
ぷかりと一服くゆらせてしまった
やわい風に紫煙はゆったりと漂い
久し振りの刺激に脳が軽く目眩う

いたぞあそこだ!
至福の時を切り裂いて声が響いた ....
 
 
ほしいものも
いらないものもない
とあなたは
いったけれども
パンツをはかずには
いられなかった
ぼくらのまっしろな
そのむこうにある
ここにはたしかに
ちがうところがあ ....
夢の雨がまだ眼前に在り
音や光をふちどっている


雨のなかの陽 ひとつをひとつに
注ぎ込む陽


空の器械 地の器械
水の外から 降り来る声


緑にふくれ  ....
三月の空が
そっと目をふせて
桜前線をいたずらにもてあそぶ
うすむらさきの頃

散り散りになっていく ふたりの残像と
つみかさなった青いことばの回想録は
南風に ふうわり、とすくわれて
 ....
くそったれ 嗚咽と掻っ込む飯の味 君と私の中に間に
まるで夜間工事みたいに赤く点滅しながら
散らかる多すぎた思い出につまずいては
何処にも行けない(もしくは片道通行の)この閉塞感を愛して
触れられない、嗚呼また今日は綺麗な、雨に柔らか ....
子供たちを寝かしつけて
朦朧とした頭を抱えて

ただジュースを飲みたいがために
サンダルを突っかけて外に出る

雨上がりの真夜中
起き抜けの身体はまだ夢の中

視界は頼りなげで
僕 ....
他人の病気は
うつくしいのだ

見舞いの言葉を
喉でとどめて

細った鎖骨を
じっとじっと見る

わたしはわたしを
一秒たりとも

許しはしない
のだけれど

それがなん ....
わたしが
何も話さない事を
見破ると
あなたは
去って行きました

入れてと
言えなかった一言を
笑顔で
打てなかった相槌を
わたしも
少なからず
持っています

だから
 ....
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