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○ 落花生の殻の温もり手のひらにかさりこそりと遠い日の鳴る
○ 寝付かれず旅の光を反芻す日焼けの跡も消えかけるころ
○ 三つ子の眼に土手の緑は果てなくて夢に飛び来るあの日の ....
一人の女がwaterという単語を知った時
女の暗い海には光があった
一人の数学者が荒地を切り開くとき
ヴィーナスと魔女たちは密かににらみ合った
一人の音楽家が夏の行方を探り打つとき
....
手をつないで歩こう
すこしだけ上を向いて
秋の陽の雫は
まるで未熟な葡萄
ぼくの左手は思い出す
恋は死のようにあえぐと
あなたの右手は教える
時は死よりも強いと
降 ....
一瞬の中に永遠があった
女の顔に夕闇があった
わたし
たちは
あえぎ、つぐむ。
怒りの中に悲しみ
嘘の中に真
光の中に闇があった
灰の中に黄金があった
王の中に奴隷がいた ....
いーち、
にーぃ、
さぁーん!
四丁目の公園のわきを通ると
子供たちが叫んでる 一斉に
数を数え
数と数えられ
くたびれくすんだ任意の整数が
時速5キロの自転車で
....
よかぜはふく
ぼくらのたに
よかぜはひく
あのひのせいざ
よかぜははこぶ
よぎしゃのおと
よかぜはともす
ぼくらのえき
ぽつんとともす
わたげのいのり ....
ジェット機を出してくれ
ソコトラ島から恐山を経由してジュノーに向かうんだ
そしたらジェットはあんたの好きにしな
神様、僕はいつのまにか成功していたよ
だって命は赤々と燃え
風にそよぐ ....
大きな空だね
しょっぱい風だね
あの夏から
本当のことには気づいていたのに
雨の夜道はスキップで
始発列車は居眠りで
何をさがしてこの岬
灰青色の空模様
黙って映す海の色
....