あたふたと駆け寄りきつく抱きつく
君の骨の重さ確かめるために強く
そして呼吸する間を惜しんで
キスをしてそれがいつまでも続く
金縛りにあったように体が収斂して
こうしていることが日常だと ....
ほんものの冬だから
哀しみが風に吹かれている
自信のない僕だから
西日に背中をおされている
街路樹から緑が抜ける
何百マイルも離れた大学街
女を抱きにぶっ飛ばす ....
くるくるくるりと
来ぬ人の心
ころころころりと
待ち焦がれ剥き剥き
彼恋焦がれ桂剥き
料理利用して篭絡しよう
そうしようそうよ
そうしそうよ
つつつつポとガスの火をつけて
お ....
長いトンネルの先
君を見つけたのはいつだっただろうか
薄暗さに慣れた僕の
からだをくるんだあたたかさに
立ちすくんで息を呑んだ
君の真下を歩いてゆくよ
熱い旋風に身を焦がし
夜に冷え ....
土地を買って鉄路を敷き
そのまわりを開発して
定時には人々を詰めこんで運んでみようか
地域密着でありながら
こんなダイナミックなビジネスはない
しかも電車は車より8倍エコ ....
駐車場をながめていた
どこからか猫のなき声が
マーフィを探すように
二人で目を動かしていた
俺は今どこにいるのか
愛人のマンションにいる
そんなこと聞いてない
....
見わたすかぎり
あおあおと
海原
さみしげに
小舟が一艘
のどがかわいて
哀しくなった
水はこんなにあるじゃあないか
いのちによく似た絶望が
きらきらと
世界の途切れる ....
夕暮に
放射線が
ジグザグに
切り付けにやってくるんだ
赤いビル
灰色カビた
臭いのする
壁、壁が息苦しいな
それが頭重くして
....
空を見上げたら
お月さまはもうなくて
見えないとかそういうんじゃなく
お月さまはもうなくて
誰の消しゴムのせいか知らないけど
とにかくもう、なくて
夜、何を見上げればいいか途方に暮れた ....
わたしには、きっと
読まれることのない
手紙を書いている
わたしには、きっと
云われることのない
ことばを書いている
進む指の感覚がもどかしい
ひかりを知らない子どものように ....
山の奥にアンデス。
川の辺にインダス。
元広島東洋カープ、ロペスの村は。
いろんなロペスがいます。
一生懸命木を切って働くロペスもいれば、
切り株に腰掛けてニンテンドーDSをやるロペ ....
僕は君を救ってあげたいなんて
だいそれたことを言ったりしたのだけれど
本当は僕が救って欲しかったんだ
君に頼られることで僕が救われたかった
君の手を取ろうと伸ばした僕の手は
本当は僕の手 ....
手をつないで歩こう
すこしだけ上を向いて
秋の陽の雫は
まるで未熟な葡萄
ぼくの左手は思い出す
恋は死のようにあえぐと
あなたの右手は教える
時は死よりも強いと
降 ....
しんじまったかなしみは
かれたんじゃあねえ
あるんだよめのまえにあるんだよ
みずがすぐにいくぞとまちぶせている
そこにことばはなにもなかったんだ
傾いた日常の上
遠くへ消えてゆく遊園地
小さな観覧車が今日だけは大きく見えた
カタン、と揺れて 世間に揺られて
ただ西へ吸い込まれる
静まりかえったホームを歩く
冷たくなった1 ....
わたしたちを彩る
おもいでの確かさは
星座のそれと
とても似ていて
必ず
遠くで
きれいに滅する
届き過ぎたら
きっとわたしたち
狂ってしまうから
ほんのわずかな
痛みも ....
一度でもいいから
朝を起こさないであげたいな
ゆっくり眠らせてあげたいな
朝は寝坊したことがない
サボったことがない
勤勉なんだな
それは昼も夜も同じ
きっと宇宙は真面目なんだな
だか ....
あちらのお客様からです
とウエイトレスが運んできた
飲み物には
温度があった
冷たいものも
温かいものも
ひとたび口にすれば
喉を通っていく
あちらのお客様からです
と ....
こころの数だけこころがある
こいつらはどこに行くのか
生まれては消えて行くのか
消えずに生まれたままなのか
胸さわぎはやまない
こころの数だけ何があるのか
....
遠ざかってしまったと思えた青空も
実は雲の上に、まだ残っているのだろう
目に見えないからと諦めてしまうのは、いけないことではないのでしょうか?
(頑張っている貴方に、これ以上頑張れという ....
昔の女に電話しそうになった
たわいもない話をして
うちに来る?なんて言葉のあと
ふつうを装うのはもう御免だった
電話しても会えなかったかも知れない
駅でビジネス本を一万円 ....
ぼくはいま立っている
かなしく縮んだみじかい羽を抱え
忘れてしまったのだ
とうのむかしに
空をゆく彼らは
かつてはぼくの隣にいたはずだが
大自然の
そのてのひらの
甘やかすまま ....
己かわいさに泣くよりも
口を結んで仕事しな
そおすりゃ
田舎の母さまに
粋な便りも書けるだろうし
まんまるお月様登る国で
ぶくぶく溺れる事もなし
貴方十五の ....
冷たくなってきた風に漂って
きみは何処を向いているのですか
田んぼの脇に咲くススキ
あでやかな花に囲まれて
色づく葉っぱに包まれて
それでも自らの身体を染めることはなく
華 ....
夜のまんなかで
煌々と
月は月している
そのまわりに散らばった
それぞれの場所で
星たちは星している
宇宙はなにを
ものまねして
いるの ....
僕に裁ける空はない
僕に裁ける光はない
僕に裁ける風はない
僕に裁ける悲しみや
僕に裁ける幸福など
そんなものないのだ
空も光も
風も悲しみも幸福も
....
ひとの詩が読めなくなって久しいので
もうずっとひとり遊び
読んでいて今日は
ひかり
という言葉をひろった
ひのひかり
つちのひかり
みずのひかり
ひのひかり
つきのひかり ....
ギター教室がおわるまで
ぼくは非常階段のおどり場にいた
そこで君の町の夕焼けを見ていた
SEXだけが目的だった
迷惑な目的だったと思う
あの頃のぼくはそんなだった
....
十月さいごの日だまりが
ぼくらに光を継いでゆく
風のしたで悲しみをかまえ
いちばん好きな他人を失う
恋人の不実をまえにして
ぼくは悪くなかったのか
神様、怒って ....
午前0時になると
観念的なこの世の中のからくりが
魔術的にほどかれていった
蛍光灯と事務機器いがい何もないフロア
そこには僕しかいなかった
ほどかれたからくりは
僕になにを教える訳 ....
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