友が
過去を未来へと繋ぐ
生命の行事に参加した
かつて痛みを知った腕が
今は燃え上がる命を抱く
その腕は庇護の門
やがてそれを押し開けて
子供は出かけて行くだろう
あらゆる光に満ち ....
煙草一本火をつけりゃ
鼻からイメージ
くゆらしてます
だってそうでしょ
香りに美醜なんて
もうないんだから
飯一膳ちゃ碗に盛りゃ
噛んでイメージ
流しこんでます
だってそうで ....
たとえば僕が
真っ白なキャンパスなら
アンリ・マティスのような
柔らかな曲線と
ほんのり暖かな色彩で
いっぱいに満たされたい
たとえば僕が
一枚の当たり馬券なら
ファンタストのよう ....
私たちは独房だ
私たちはセルロースの
薄い被膜で隔てたままの
私たちが抱き合ったり
やわらかな場所
探し当てたり
セル
私たちは独房だ
世界は私を番号で呼ぶ
間違いではなく
....
静かにひっそりと歌う歌があるのなら
私は
明るく大胆に歌いたい
涙を流しながら悲しく歌う歌があるのなら
私は
涙を流しながらも楽しく歌いたい
どうせならたった一 ....
わたしたち、結婚しました
うす桃色の踊るような文字と
着物姿で微笑みあう男女の写真
はがきを持つ指の腹から
じわりじわりとあったかさが
組織の中まで浸透してくる
温度の正体をはっき ....
■秋
すべての色を飲み込んで
ただ透明である、秋
■チャイム
夕陽が窓ガラスに映ったとき
風がいつも置き去りにするもの
■図書館
古びた新築の匂いがする
■デジャヴ
....
誰かが言った
真っ赤な夕焼け空を見上げて
すごいなこりゃ
天変地異でも来るのかな
明日は地球滅亡するね
子供は走って家へと急ぐ
筆箱カタカタすっ飛んでいく体操着袋
慌てて拾ってまた駆 ....
雨が降る
軒を打つ
窓をたたく
雨が降る
音楽が始まる
雨が降る
煙りが揺らぐ
雨が降る
長くてしなやかな
指先に恋したとしたら
蔦のはうよ ....
田舎の酒場で一人飲みたい
どこか遠くで吐きたい
知ってる人が誰もいない
そんな酒場で
飲んで吐きたい
生ビール
コップ酒
焼酎のオンザロック
肴は地のもの
獲れたてのも ....
目には目を、歯には歯を、
このハンムラビ法典の言葉は
復讐法だとか拡大報復の戒めだとか
そんなふうに言われてはいるけれど
この言葉の連なりに
私はひとの悲しみを感じるのだ ....
そんなに難しい事でもないんよ
例えば林檎
本当は色がない
ある波長の光を反射して
目が勝手に赤と見るんだ
色彩学な友人がそう言う
私はただうんうんと頷く
そんなに難しい事でもないんよ ....
橙色に照らされた木造二階建てのアパート
蹴飛ばせば簡単に壊れてしまいそうな垣根から
紅色の白粉花がその艶やかな顔を出す
やがて来る闇に飲み込まれてしまう前に
黒くて固い種子をてのひらに ....
犬しか飼った事のない人間が
虫を飼うというのもなかなか無謀な事で
友好の証にピカピカ光る虫をくれた
友人の旦那も彼女に劣らず変人かも知れない
友人が自分の好きな画家にちなんで
虫あるまじ ....
泡粒の数だけ思い出があり
からからからと音がする
競走はいつでもいちばん最後
ひとあし遅れて着いた小さな菓子屋で
真っ先に選ぶのは瓶入りのラムネ
にじみだす汗を乱暴にぬぐい
....
タタンタ タンタタ タタンタタタタ
タ―ンタ ンタッタ タタンタタンタ―
タ――――ン タタ――――ンタ―タ――ン
ンタ ンタ ンタン ンタンンタンタ ンタタタ
タ ....
パクった原付の
エンジンのかけ方教えてくれたやん
それで夜中にいっつも
ニケツして工場いこかゆうて
淀川沿いの工場地帯
一番奥にあるコンクリ工場の
脇のドラム缶の山登って
柵超え ....
たましいのすべてで、君のことがすきだ。
アヒルぐちのまま、右側からよだれを出して
「プリント、一枚60円になります。」と
寝言を言うきみがすきだ。
たましいのすべてで、君のこ ....
見通しのいい場所で
感じないのは何故だろう
グッバイガール
細い月はハイヒール
運命はやはり
あると思うんだ
遠く遥かなものに
励まされてきた
君は近くのものに
励まされ ....
子供等は夏の一つの決め事に
強くペダルを踏んで応える
走って行く走って行く
そのスピードに迷いはない
止まるな子供等お前等はまだ
前だけを見て振り向くなただ
今来た道に風だけを残す
その ....
今までの感情を全部吐き出したなら
嬉しさも悲しみも悔しさも虚しさも
幸不幸も
ただの涙になるんだろう
ならば
ちょろっと流した涙でめげてる私は
....
(スプリングスティーン風に)
俺は将来に希望もなく
ただ眼の前にぶら下げられたエサに
食らいつくだけの犬みたいな存在だった
そうする以外に生き方を知らず
それに疑問すら抱かなかった
....
ベッドで寝返りをうったとき
左の腰を
突然襲った鈍い痛み
ぎっくり腰なら
経験はある
食あたりなら
星の数ほどだ
だけど
今度のこの痛み
そんなものとは
ちょっと違うんだ
....
その浅黒い皮膚に噛み付いたら
あぶった海苔みたいにぱりぱりと
香ばしい音がすると思う
千切れそうにもない入道雲だって
記憶よりも向こう側のヒトコマで
物干し竿にぶら下が ....
子宮にピストルを撃つ爆弾撤去
産みたくないなら爆弾だ
子宮なら母体は助かるだろう
私は生きたい
愛の無い 愛の無い ああ 愛の無い
「保体で習ったろ?」 ....
病気だからしょうがないよ…
周りはみんな言うけれど
実際はそうでもない
君の気持ちがわからない病気なら
病気なんて言葉で片付けないで
私はここにいる
ただ湧き出る感 ....
できるかなー
じゃなくて
やるの!
今やらずにいつやるのさ
偶然じゃなくて必然的になにもかもが用意されている事への自覚をもつ
運命から愛される事も必要だが
努力が作り上げる足場ほど ....
どのやりかたもまずいが子育てに正しさはない
人生のようなものにも
それがないように
あたしたちにともなう
正義は/悪は
それらの構成とセンスで
角度を変えながら進んでく
冷静でい ....
{引用=炭酸水がほしい夜明け
ひんやりとした空気
窓から入り込む光
うすくなっていく、あお
きっと今だけ
今は、
誰のものでもないはず}
なんにもするきになんない。
いましたいことといえば、
きみのめのまえで
おもいっきりないてやりたい。
いみもなく
(いやきみはそのいみをしっ
ているだろうが)
ごうきゅうするあたしを ....
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