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からころと音のする
そんな欠片が散らばっていて
拾い上げると色とりどり
思い思いに光を反射している
広い砂浜
両手を広げても足りない
誰もいない静けさは
ただ波音を響かせる
....
飛行場だった廃墟に忍び込むと
僕は思わず
飛行機になってしまう
両手を広げ
雑草の生い茂った滑走路を
全力疾走
夜風は冷たくて気持ちがいいな
思わず顔が微笑んでしまう
いつの間にか「キ ....
うどんが大好きな
赤い色のキツネと緑色のタヌキが
おいしそうに
とんこつラーメンを食べている夢を見た
なので
翌日の昼飯は
バジル入りトマトソースのパスタである。
何ゆえに?
....
目覚めている時の、
彼女の姿は写真には写らない。
僕はこっそり、眠り姫、と呼んでいる
なぜって?
眠っている、その姿だけは写せるからだ、
盗むことが出来るからだ、
と、僕だけが知っている。 ....
まだほとんどの人が働いているお昼の3時に
いきつけのスーパーに行くと
詩や日記を書いて汗を流さず暮らしている自分が恥ずかしくて
レジの女の子に好きだと告白できずに
照れながら表情には出さず左手 ....
送り火は遠い波濤にまっ先に消えた
竹飾りは猫と仔犬が昼の間
じゃれついた裏通りからの角ではためく
塗炭屋根を透いて夕凪の水平線が現れる頃
精霊流しは
漕ぎ手にまかせ不知火を渡る
町 ....
リサイクルの許可が下りたと
役場から連絡がきました
申請してから
ずいぶん待ったあげくのリサイクルです
とても嬉しいです
数人の友だちに連絡して
今夜はお祝いです
現在の地球は本当に ....
冷たくて清らかな流れの中を
何も気負わず
まっすぐに 真っ白なまま流れて
偶然だけで君に出会い
目が合って一目惚れ
一瞬で恋に燃えて
次の瞬間には ....
水面をゆらしながら
初夏のかぜが吹きすぎる
こいびとの手をひいて
堤防をころげた
草についた水滴はあまくひかる
さかなが跳ねてぱちゃんと音をたてた
はねまわる ころがる
だきしめる ....
にゃんでか知らにゃいけど
「にゃににゅにぇにょ」
が言えにゃくて、全部
「にゃににゅにぇにょ」
ににゃる
日常生活に支障はにゃいもにょにょ
こにょままでは
僕が僕でなくなってしまう
....
濃度を増した緑 の根元
アスファルトには 日陰がある
かつて人だった空間には
かつて花束だったものが 積もっている
湿度に黒ずんだ日陰 の隣
アスファルトには 日向がある ....
ずっと
風をさがして
生きてきた
たとえば
こんな
よく晴れた日には
釣り竿を担いで
山に行くのがいい
頂に着くと
{ルビ草原=くさはら}に寝ころんで
釣り糸を垂れるのがい ....
彼女と喧嘩して
いい加減にしろ
と怒鳴るつもりが
いい加減にすれ
と言ってしまった
こらえたがやっぱだめで
吹き出してしまった僕の
少し後に吹き出した君
ふたりで涙を流して ....
いじめっ子と
いじめられっ子のあいだに入り
次の日結局かれらは生涯のともだちになって
幼稚園のころ
オレは磁石であそぶのにあきてはじっこで、
下敷きに光を反射させ、
なるほどずっとわか ....
風船
つばめの急降下にも
動ずることなく
ただよう風に押されて
やがて 点
水面に映る丸い残像
滝
世の中のすべての音を盗みながら
アピールするものは
引力 ....
1,
椅子が背もたれを向こうにしている
わたしは座面にかかとを乗せて
中空を見るでもなく見ている
死んだように動かないのか
動かないように死んだのか
ともあれ動こうとしない身体を
板張り ....
街外れの小さな本屋で
彼女と偶然再会した
本屋でよかった。
きりりとした空間では
おしゃべりにならずに
すむ
彼女が手にしている
水色の背表紙の本が何であるか
なんてことは
....
ばぁちゃんよりと 表に書かれたお年玉用の封筒
もうお年玉をもらう歳ではなくなったけれど
僕が帰るたびに ばぁちゃんは封筒にそう書いて渡す
そんな事をしなくても 僕はあなたたちに感謝をしているから ....
ちゅんちゅん
と
すずめが鳴くんだって
ほんとかな
でもたぶんほんとだ
わたしの1メートル先を
飛び回り
バカにしたように鳴き続けてる
あれは
すずめ?
わたしが本 ....
どろどろのホットケーキミックス
ぐちゃぐちゃにかき混ぜて
喉が痛いので
電話には一切出ない
ベランダで睡蓮の花が咲いたので
こどもたちと眺めよう
まだもう少し
もう少しだけ
....
紫水晶のかけらを
油で揚げてみたことがあります
天ぷらが食べたかった
わけではなくて
シトリントパーズって
実は加熱処理したアメジスト
というのを試してみたくて
ホイル ....
いつだって
熱くなれるってのは
うらやましいこと
このうえない
放出するだけが
能じゃないことも
ちゃんとわかってる
から
やられる
きみの額に
フライパンをのせ ....
断崖絶壁を途坂している二人の若者は
時にはボロボロの吊り橋で命を落としかけ
時には鉄砲水に溢れる激流に呑まれかけ
数多くの絶体絶命を積み重ねながら
それでも尚、前進を止めない
愛する家族 ....
もう良いや どうなっても
まあ良いさ 君は居なくなってしまったし
飛ぶなら 今だ
未練なんて無いでしょ
さよならを云う人も居ない
空ははっきり青色だし
そう
飛ぶ ....
あんなにくっきりと見えていた黒猫が、
あぁ、椿の木に融けてしまった。
高い空に滲んでしまった
春一番に吹かれてしまった。
さよなら
アスファルトの色が変わるのを見ながら角を曲 ....
名前は?
いちおうクサノダイゴという記号はある。
どこから来た?
あの空のむこう。
歳は?
知らない。
仕事は?
ささくれ屋本舗
具体的には?
心 ....
葉はどれも光っていた
雨粒は露になって残り
雲の向こうの空のずっと高い向こうの
姿の見えない太陽の光を集めていた
雨あがりの空気は澄んでいる
埃だとかスモッグだとか
....
県立文化会館の大ホール!大ホール!大ホール!と
すっかりはしゃぎ過ぎてしまったのです
誰かサイダーを持って来てください
僕は観客席で日めくりカレンダーをめくり続けています
県立文化会館 ....
手をつなぐ行為は
お互いが求めるから好き
肩を抱いたり
腰を抱いたりするのは
ほら
片側からの求めた行為だから
今日も手をつないで歩こう
いつも手をつないで歩こう
ずっとね
....
お菓子の家は
どこにあるの。
雲ひとつ見つからない
青く平べったい空が広がった
あの日
雲だけでなく
あの人までも
見つからなくなった
心からあの人を
信じてきってい ....
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