すべてのおすすめ
俺はそうやって空を飛ぶ、毎夜。
昨日は肉を喰った。かたい肉だ、ブラボー!
だから俺は肉が好きさ、裏切らない。
肉喰えば俺はまた空飛べる、今夜も。
いつまで肉を喰える体でいられるか分からない、
....
6月6日6時アルファ
核拡散防止条約は国連の安全保障理事会常任理事国が自らの地位を対外的に安定させるための「社訓」であり、決して「社則」ではなかった。
インド・パキスタンはアンタッチャブ ....
ほんとは
あなたはいくつ
顔があるの?
それ
どこにあるの?
わたしも顔は
いくつかあるけど
ときどきずれちゃって
あなたもときどきずれるとき
あるね
あまりの暑さにクーラーをつける
よほど暑かったのだろう
いろいろな動物たちが家に集まりはじめ
またたくまにいっぱいになった
長い部位をもっている動物はそれをたたんだ
肉食動物は捕 ....
両思いなんてものを
当人よりも先に
他人に知られてしまった
ときは
ひどく やっかいだ
必要以上に
ぐるぐる ぐるぐる
と歩かされて
息苦しいこと
このうえない
それでな ....
男は物陰で
右目だけ出して
立っていた
男は物陰から
右半身だけ出して
立っていた
男は物陰から離れ
ようやく全身を見せた
そんな事にひと月も費した
まったく ....
僕はルビーグレープフルーツが好きだよ
初めて買ってきてくれたのは君だった
いっしょに
グレープフルーツ用のスプーンも
買ってきてくれた
壊れかけのアパートの
陽の当 ....
とじかけた そら
あなた は いく
どこか へ ながれ て
だれ も いなく なり
どこ も
いつ も
さかせ て いつか
あなた は
ゆく
水晶の針の折れる音を聞いたことがあります
ピキンとも
ピリンともつかぬ微かな音
聞こえない音を確かめたかったのです
音がするものならばと
指先で二つにしてみたとき
まさか聞きとれるほど ....
いったいなにを鳴いているのだろう
夜の底が蛙の声で沸き立っている
半球はいつも夜のこの星で
絶え間なく鳴き続ける声はいつか
太陽系の外側の宇宙にむけて溢れ出すのだろう
何億年のあいだ ....
雨作りが砂丘をトボトボ
酸っぱい雨はもう流行らない
少し涙が滲んでくる雨作り
そして涙はこぼさないように!
ラクダの膀胱でこしらえた雨袋へ入れる
もう少し泣かないと町もできやしない
町作り ....
新しい長靴に浮かれて
水溜りを探し
右足をそっと入れると
次の瞬間 目が回り
どこかに迷い込んでしまった
「噴水の広場」
あやまって
噴水の真下に立ってしまった
と 思 ....
あなたの好物を作ろうと
夕暮れ
サンダルを引っ掛けて買い物にでる
昨夜の 些細ないさかいの 償いに
海老の殻を
無心でむけば
いとおしさに変わるような気がして
という
無邪気な ....
部屋は湿度を保ったまま1℃室温を下げた
コラーゲンをたっぷりと含んだ豚骨が
とろりとろり
太陽の見えない窓に向かって行進を始めている
バター・ビーンのパンチが虚しく空を切ったTVショー
....
機械音がする
オーナーが
自動ドアから
出て行った後
カウンターに立つこと約20分
新聞を整理して
返品伝票を書く
細かな雑音がする
店内には誰も居ず
シフトは1人
時 ....
丁寧に陳列された人々の隙間を歩けば
子供売り場には小学生が男女別に並んでいる
わんぱくそうな男の子を手に取ると
お腹をペロッとめくって
臓器の色合いをチェックしている御婦人
その隣りでは
....
寝ているすきに
あの娘の目ん玉を
拝借してきてしまった
薄目をあけて眠る癖が
あまりに
かわいかったから
鼻でも 耳でも
なんでも良かったけど
薄目にやられた
枕元に置い ....
鍵を見つけたよ
扉を見つけたよ
鍵穴を見つけたよ
扉を開けたよ
なんてすてきな世界!!
靴を覆い隠す
くるぶしくらいの花たちが
まるで海のように広がって
ざぶざぶと歩けば
蝶 ....
きのうヤマアラシが会いに来た
ぼくはおもった
なんで暖房を開発しようとしなかったんだろう
105円の雪見だいふく半分
そんなきっかけには重すぎるはなし
きみとぼく
体温と距離
じわじ ....
湯船にふたり
浸かる
ほんとはあまり
気が進まなかった
汗と
湯気で
化粧がはげちゃうから
なんかすごく
恥ずかしい
でも彼は
かわいいよかわいいよって
何度も何 ....
掌の木々が育ちすぎてしまったので
部屋はまた落ち葉で満たされていく
金属疲労した喜びのような朝焼け
台所の隅にある停留所で
君は名の知らぬ街へ行くバスを待っている
その靴は曇り空の下 ....
森園の飼育係が夢だった
森を扱う仕事だから
森の気持ちが解らなくてはダメだと
面接官は
いじわるそうに
あんなオヤジに森の気持ちが解るものか
経営にしか興味がないくせに
....
[1]
その森園にさえずるのは、鳥ではない。この降り続く雨が、パラホロロパラホロロとポリフォニックなリズムを刻んで増幅して、ぼくらはいつのまにか、見えない明日へ見栄を張るため消えている。水滴をのぞき ....
誰かが扉を開け去っていった
レモンが置いてある部屋に
出し抜けに押し寄せる大量の泥
僕だけが
部屋にいないので
どうすることもできない
背中から出たコードをディスプレイのプラグにつなぐと
身体が青に赤に金色に光りだし量子化されドットに再構成されてゆく
高電圧に踊り狂うさまは走査されピクセルに変化して
いくアニメーションのようで
....
こうえんのべんちに
ぼんやりすわっていると
ちいさなくもがにしのそらからやってきて
しろいぼうしがひとつふってきた
すると
こうえんのあちこちから
ひとがたくさんわいてでて
ぼうしに ....
昔
夢を見た
わたし
道路にいて
マンションの
わたしの部屋を
なぜか
外から
見ていた
マンションのベランダに
あなたが出てきて
洗濯物を干していた
なんだかとても
遠 ....
見間違える訳がありません
毎朝毎晩あなたへの愛を詰めていた
野球かばん
あの狭いワンルームで
あなたが感想も述べずに頬張っていた食事
それを作るわたしの足元で
忘れられたように強い存在感 ....
何もすることがないから
土を掘っている
素手で掘っていると
爪の中に土が入って
指先が赤く腫れてきたので
彼女を呼んだ
小さなスコップを手に
彼女はやってきた
何が出てくるかな ....
{引用=詩集『カエルトコ』より ;7}
●エデンのリンゴ(イヴ)
それは知恵の実でした
女は今を楽しむことに加えて
明日の楽しみのために我慢することを知りました
けれど傷の痛みに泣き喚く ....
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