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上手く眠れないままの空が白み始める。轟音
で走り去る獣たちもわずかで、その咆哮にも
ためらいが見える。廃墟の影に潜む小人たち
は闇が消えていくに連れ恐る恐る顔を覗かせ
覗いた顔を逆に覗かれ ....
とても

普通の家庭の
冷蔵庫とは思えない

からっぽなのである

けして
キレイなのでもない

玉葱の皮が底にある

これがわたしと
言われたなら

納得する

夫 ....
カナカナが
鳴いていた

紅の夕日が沈むのさえ
浸れない私だった

いつの間にか
蚊に刺されていて

皴の多い手は
なかなか美しくなれないでいる

自分だけを愛していた頃は
 ....
 果たされなかった約束の面影や
 叶えられなかった願いの欠片達が
 光の飛沫になってとび
 漂い
 空気に溶けて香る
 夏の夕べ

 深呼吸すれば
 また私の中に戻ってくる
 今 ....
想い出は
いいものばかりで

ときどき
あなたの名を呼んでしまうけれど

聞こえたら
ごめん

答えないで

想い出が
更新してしまうから
またきたね、匂う夏が、
むせかえる、草叢のにおいのなかで、
ぼくらは、呼吸をする

過剰な、色彩の、
この、感情の、渦に、巻かれ、
色をもたない、ぼくらは、
草色に、染められてく

 ....
 


    すべての星をつないで  ひとつの星座を作りたい


    火でできた椿の  輪を作りたい


    空に映る地の原に  咲く花を見たい


    海に落ち ....
雲はかすかに薄い。満月はわずかに遠い。星
たちは月の輝く姿に目を細め身を寄せ合いな
がらその眩しさを囁く。塔の下ではいくつか
の波が押し寄せる。浸食は彼方の記憶。崩壊
は遥かな追憶。廻 ....
逆に
すべてのことを忘れないでおこうと思った。
感傷や復讐の道具になるとしても、
呪いと呼ばれたって
おぼえていよう。

みんないつかは昼下がりの平穏な家に住むんだね。

だから僕は覚 ....
 十月

忘れられない人がいる やわらかな白いカーディガンをきて 水辺のそばに佇んでいた人 手をふりやさしくぼくに微笑んでくれた あかるい霧のような雨が降っていた 
ぼくは何気ないそぶりで 自然 ....
たくさんの葉のなかの
ひとつだけが震えていて
どこか見えないやわらかなものへ
届かないくちづけを繰り返している
ショーウィンドウ 
映る私の姿
女らしかったから
デコレーションケーキ眺める振りして
確かめる
ここに存在する私は
私は誰

アプリコットジャム
いちご
白い大地の生クリーム
赤 ....
夜になると
魚は目を閉じて
消えていく泡の行く末を思う
消えていく
自らの姿に思いを馳せ
静かに
目を閉じている

夜になると
魚は目を閉じて
自らの見ることのなかった風景を見 ....
半歩、まえをゆく
あなたは
鳥の巣を見たいという

つゆの前日
うすみどりのかぜが
わたしたちのあいだをゆききする
わたしの部屋へ ゆくみち
みみを澄ます
ゆるい
花火


 ....
生まれ変わったら何になる?
いつかそう聞いたのはあなたです

あなたが
パンダになるのなら
わたしも
必ずパンダになります

あたたかい陽だまりで
あなたに寄り添って
新しい命を育 ....
母さん僕は
あなたの子供であることを何度
嫌味っぽく言ったかしれない

似ていると感じるほどに
それを振り払うような喧嘩を何度
繰り返したかしれない



そんな母が
「田舎に帰 ....
狭い空き地で
除湿機と空気清浄機と
温風機と扇風機と一緒に
かごめかごめをしている


ここは良い空気
ここはうるさい空気
なまぬるい空気
うしろの正面 空気だけ

 ....
女がクレヨンを奪って逃げた
必要のない色を奪って逃げた
生活はなにも不便にならない
箱をゆすると音がするだけだ
「生活はなにも不便にならない」
念のためフタの裏にそう書いた


 ....
来年

生活が楽になったら
猫を養子にしよう

そしたらもう少し
らしいままに居られる気がするよ

十万円貯金箱開けたら
新しい自転車も買ってあげる

今年でさよなら
さよなら ....
すすんでゆく先には 
行間が待っていて
いつも 立ちどまってしまう


深呼吸、する 
 ( ふかく、ふかく、吸って、
 ( ゆっくり、ゆっくり、吐いて、


ふりかえる
ふりか ....
つぶやきみたいなものです。去年も書きましたが、また変わってきたかも。

○私にとっての詩

私にとって詩は、言葉では表しにくい、なにかを感じられるもの。
読んだとたんに、さーっと風だか時間だ ....
帰る場所のない人こそ一点に留まる
寂しさを解体して
目を瞑る
うつむかない
前を見ない
定まらないこれは
警鐘なのかもしれない

孤独とは
つながらないことではなく
むしろつな ....
三日分のカレーが作れるような鍋に

今夜分のカレーを作った


もう

底のほうにしかない


なんかさびしい


この鍋の

八分目くらいのところに

痕がある
 ....
愉しい夢でした
笑っていましたから

わたしも
人を笑わせられる

それはとても
愉しい夢でした

いつも
昼に見る夢は苦しくて

すぐに
身体は重力にもどるのに

今日 ....
大江戸線のホストは
千代田線に乗ることができない
みどりの色の
まぶしさにうつむいて
落ちていく
その先に

大江戸線のホストは新宿で降りて
それから
鼻をかんでみる
する ....
明日から
社食の量を減らそうと思う
私の腕は短い
足も
身長も
なんだか損
ピアノの指は動かない
もう夜更けなので
音が出せない
残り時間は
現代詩

本を読ませてちょうだい
 ....
*


わが家から消えてしまった冬は
ちゃんとタンスの奥の
小さな白い箱に
しまわれています。







*

少年がたいくつな授業を
受けているとき
校庭で春 ....
雲が波なら
僕たちは深海魚だ
深く、深く、
差し伸べられた手も届かない場所で
温もりも知らずに
窒息している

月明かりは
マリンスノーに似ている
それはただの幻想で
本質は
 ....
まっくろでーも きにしない
まっくろでーも きにしない
きにしない きに あっ
(ジャムのふたを落とす)


まっくろでーも きにしない
まっくろでーも きにしない
まっくろでーも き ....

幾ばくか、やわらかくなった夜がそこにあります
空からしゅるしゅるとひも
カチリと引っ張っても、暗い空色が点灯するだけでした


明け方
種子が射し始めた光に休んでいます
海を思い出 ....
千月 話子さんの未詩・独白おすすめリスト(160)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
天敵のいない八月- いとう未詩・独白14*05-7-20
冷蔵庫を開けて二日ほど悩む- 蒼木りん未詩・独白505-7-18
カナカナ- 蒼木りん未詩・独白705-7-17
夕涼み- マッドビ ...未詩・独白505-7-13
想い出- 蒼木りん未詩・独白8*05-7-12
- 青色銀河 ...未詩・独白1105-7-11
ノート(34Y・3.3)- 木立 悟未詩・独白705-7-8
塔の上でワルツを踊る- いとう未詩・独白10*05-6-25
六月の(みなも)- 待針夢子未詩・独白505-6-20
十月_十一月_十二月_虹- 青色銀河 ...未詩・独白7*05-6-17
ノート(くちづけ)- 木立 悟未詩・独白605-6-15
存在- 蒼木りん未詩・独白3*05-6-14
夜になると、魚は- いとう未詩・独白3905-6-13
待つ温度- はな 未詩・独白8*05-6-12
生まれ変わりの説- フォマル ...未詩・独白11*05-6-1
始発に乗って母は田舎に帰る- ベンジャ ...未詩・独白9*05-5-31
ノート(ひとり)- 木立 悟未詩・独白405-5-30
クレヨン- Monk未詩・独白23+05-5-30
猫のおなかの毛- 蒼木りん未詩・独白4*05-5-27
行間の、過ごし方- 望月 ゆ ...未詩・独白15*05-5-26
詩について思うこと_その2- ふるる未詩・独白12*05-5-20
やみまつり- いとう未詩・独白1205-5-16
蓋をあけると- 蒼木りん未詩・独白2*05-5-14
いいのにな- 蒼木りん未詩・独白5*05-5-13
大江戸線のホスト- いとう未詩・独白8*05-5-3
フィクションノンフィクション- 蒼木りん未詩・独白4*05-5-3
春がうまれました- 青色銀河 ...未詩・独白605-4-28
深海の生物は涙を知らない- いとう未詩・独白14*05-4-27
さっき台所で歌ったうた- ピッピ未詩・独白705-4-19
- ふく未詩・独白7*05-4-19

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