すべてのおすすめ
砂漠で馬に乗るのは無謀だからやめよう
俺の抱負は無残にも潮騒に打ち消されて
柔らかくていい匂いの貴方には届かない
砂漠で馬に乗りに行った貴方のことは
俺はもう一生涯忘れ得ぬ後悔になるだろうと
....
俺の名前はジェニファーだ
昭和の男をなめるんじゃねえ
うさぎを七羽ほど飼育している
図書館司書の女性と交際したい
図書館司書の女性と交際したい
図書館司書の女性と交際したい
誰かそういう人 ....
例年通り僕の誕生日は雨だった
街の所々から音泉が湧き出ていた
それは素晴らしい日々の幕開けだろう
それ以外は考えられなかった
なんなんだろう
この不思議な気持は
プ ....
隣人を愛した
隣人に愛されたかった
それだけだった
それだけじゃなかった
世界を愛した
世界に愛されたかった
それだけだった
それだけじゃなかった
私を愛したかった
....
変わらない景色に馴染めなくて
冬の雨も相変わらず嫌いなままだ
冷たい言葉遊びに対して
拒絶という、純粋すぎる答えを与えてくれた
微かにも願ったことがあったなら
さらば、青い花
....
主の居ない実家の風通しに行って
帰京する日の昼食は
親父が通いつめていたラーメン屋
生前
親父は帰省していた僕が帰京する日には
決まってこのラーメン屋で一緒に昼食を食べた
それだけ ....
わたしが今まで付き合ってきた人、ひと
みんなやさしい人だった
だからわたしはいつも
好きなタイプを訊かれると
「優しい人」と答える
きみはとても意地悪です
わたしの手が冷たいと ....
8mmフィルムに映し出された青い空を
精液で汚して
町の中をまわる電車に
逃げ込みました
逃げ込んだ先は年老いた少年の
末期でした
野良犬は小便を垂らして
猫たちは決して譲らず
許 ....
もう壊れてしまったから
捨ててしまうのですか?
ぼくの紡いだ時間の縦糸が
ぷっつりと切れてしまいました
重たい
川に入ると
そのままでは浮かんでこれない
瀬
壊れ物だけが集まる遊園 ....
泡の中に階段
階段の突き当たりに崖
飛び込んでごらん、ウールだよ
と言って
飛び込んでいく民兵たち
砕け散ったポケットの中に
鉄屑
こぼれ落ちた鉄屑の雫で
埋め尽くされた野 ....
髪かわかしたら?
髪かわかしたらメールしますね、って
きみの髪が一万光年の長さだったら
ぼくはもう宇宙にはいないかも知れない
米屋と倉庫の並びから
黒松のある石段までやってきた
市営バスの
卵色のソーダ水が
窓の中で揺らめいてる
並んだ頭はみんな後ろ向き
漬け物屋の側面広告にネコがいる
二夜の灯りを懐か ....
雪がたくさん 降ったから
きゅっきゅっと
アーモンドカステラ
こしらえて
にぎりずしをつくるよに
片手のひらで
雪を 食む / ハむ
耳がふたつできたから
隣の垣根 ....
四葉のクローバーを見付けて
一枚葉をひき千切った
するとどうだろう
さっきまで幸せの幸福の四葉のクローバーだったけど
今はそこら辺にいる普通のクローバーになっていた
気味 ....
新しいドアの前に辿り着いて
ノブを回してドアを開ける
中に入ってからばたりとドアを閉める
今入ってきた場所と薄いドアの一枚で遠く隔てられた世界
ドアのこちら側でしばらく立ち止ま ....
「さあ、心臓の話をしよう」
名前の付かない生活と繰り返す死臭
或る者は可視領域にある組み合わせで血流を速め
また或る者は賢く壷の外で萎れて微笑む
狭い棺の中で生物学的な吐息に憧憬を抱いた刹那、 ....
目が痛くてもうホンジュラス
目が痛くてもうホンジュラス
かさばった生ゴミを
モデルルームに棄てたい
シルバニアファミリーの
末っ子とデートしたい
あなたのやり口は腐った ....
地球について
しんとした時間のなかで
僕らが一秒でも考えてあげることができたら
六十八億秒の祈りが生まれるよ
気持ちを吐き出してしまいそうになるくらい
好きなひとに出会えたのもこの星だし ....
腹いせ紛れに
近所の女に
愛を語った夜
夢の中で
大きな力が
渡ってはならない川を進行した
大群で
歌を歌いながら
さながら王朝末期の
十字軍だった
愛の名のもとに
人が人を ....
ねこが外から帰って来た時
抱き上げて
頬を近付けると
優しい鼻息が頬に掛って
香りを嗅ぐと
枯れた木と
灰の香りが心地よくて
たまに
イ ....
ここに今
セミのヌケガラがあるからといって
私だと思わないでください
私はそれがないところにいます
陽ざしの中で
水の粉しぶきをあびた
綿毛の舞う先に
私はいます
私は
いま死ん ....
そこがまぶしい
交差点できみを待つ
灰色のところを見つめてみる
答えをさがすのやめようか
きょうの曇り空を見つめている
まぶしい
きみからの返事がない
灰色の ....
空から腐葉土の香りがした
僕らはなんて孤独なのだろう
空を見つめている
ひとのこころは遠すぎて
僕らはいつもとり残されている
同苦したくてありったけの
こころをかき ....
+
花が散るころにわたしは女でした。女になってしまい、
鉄鉢の中の百枚の花びらが
蝶のように羽ばたき、遠ざかるのを眺めた
+
花びらのひとひらを虫ピンで留め ....
眩暈がする
粒のそろった
音の洪水
言葉の洪水
音像/位相/破綻/逸脱
シームレスで繋がる
流れ/溢れつづけるメロディ
美しい旋律
降りしきるノイズ
全てを呑み込もうとするコーラス
....
あたしな ずっと言いたいことがあったんよ
だけどな おかあちゃんは背中やった
顔を見つけるまでに 後ろむいてたから
声 かけれんかった
あたしな ずっと先に言いたかったんよ
だけどな お ....
大きな夕日の線状に放射される
赤い光線の先に
黒いシルエットに変わるまばらな家並みが
山並みにより既に陰っている
表面のうねっている畑の中にあった。
その中を疾走する人影一つ
帰るので ....
{引用=
*夢で君にくちづけをしてしまった*
わたしの身体はしなやかに発熱していたので
玄関で横たわり熱を果てしなく放出した
可哀想な傷たちが肌を走り回る
扉の向こうでしとやかに雨が ....
誰か
私の取扱説明書を
作ってください
自分でも
使いあぐねているのです
ほうっておくと
女の身体ばかり見ています
注意しないと
非常識な論難を始めます
制御しておかないと
い ....
沈んでは浮かんでいって、
浮かんでは沈んでいって、
君のことなら知りたくないよ
愚痴ばかりが飛び交って
優しい言葉が欲しいだけなんだ
君は僕に頼らなくてもさ
....
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