すべてのおすすめ
さかさまにシェイクした、ベトンのコンクリートの。
そして壁の天井は。
逆立て、逆立て、彼方の空へ飛び出して。
境目のあやふやな、はっきりとした、灰色と真っ青の。
そして天井の壁は。
聞き耳を ....
顔にベタベタ
張り付いているようにしか
みえんぞ!
あんたの鼻は
目は
口は
別に整形を疑ってるんでは
ありません!
変な顔も
慣れるよ
けどな
あんたの笑いは
さっき ....
遠い昔
父さんはマネキン
母さんはトルソ
小さかった僕は
マリコ、と
そう呼んでいた
一体のボディがあった
スタンドに立てられた彼女は
母親のくたびれたドレスを着せられて
部屋の ....
技術に人がついてこれないのではなく
他人が簡単についてこれないような技術を作ってきたのだ
その結果
さまざまな思惑が芽を出し
成長して枝分かれした
昨今
人の頭脳は発達してきたけれ ....
9月27日からの
朝からの、
おとなの時間では沸かれない
とぉっても長い一日は
犬なの 猫なの その仲間
なのかな。
じゃなく、 ぼく
未来の夢をみた
ビルは水に沈んでい ....
「宗谷岬」
夏だというのに随分冷える
ここは北の最果てです
朝には郷土の歌が響き
夜には地碑が緑色に照らされます
運が良ければ
樺太が水平線に浮かびます
「 ....
フラスコの底
丸底の
光がたまって
揺らいでいること
誰も覚えていないから
朝焼けの色にも出会えない
そんな窓際の
暖められている
アルコールランプの触れる
沸騰直前の光が
ぼ ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ
いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
ビラビラの花内部は空想の迷路
瞬時に変化する明滅色のコビトタクシー模様
遙か北部の山岳地帯にある自殺者の頭脳を
ブロック崩し的色彩で抱き留めるピン留めの肉体
丘の滑り台から
春の雪解 ....
祭りのごとく花を蒔き
塩を蒔き
くうとなき空飛ぶ鳥に
豆を蒔き米を蒔き
菓子を蒔き食うや食わずの
子らには餅を蒔き
子らは走りきて掴みあい
奪いあい
わらうか
視子は
....
溶け始める体
水にふやけたパルプの弱弱しさ
地に一番近い場所から
飲み込まれていくように
悲しみは解き放たれず
ペディキュアももう剥げてしまった
ひとつ、思い出 ....
飛び出した街で
晴れない空が
灰色の夢に朝を待っている
電信柱の下の窓辺では
気象予報士が雨だというので
ブラウン管は沈黙したまま
喋らない
ここでは僕等の関係が希薄だというので
....
君の子宮をコンドームに包まれた僕のペニスが出入りする
君の喘ぎ声と 僕の汗と 君の唇と 僕の中指と 君の乳房と 僕の肋骨と
全てを重ねて絡み合わせて ぐちょぐちょに どろどろに ねちねちと ずくず ....
「あ、さっちゃん」
と、わたしの飼い猫が喋った
「あ、れんげ」
「な、なんで喋れるの」
「ぼくは死ぬんだ」
「なんで」
「なんでって言われても」
「なんで ....
穴を跨げ
そこに
あるべくしてある
穴を跨げ
見るだけで
深さを推測して
見なかったふりをして
穴を跨げ
落ちるパントマイムは
見苦しい
涼しい顔で
穴を跨げ
電車での帰り道
席が空いた
座った
隣の席も空いた
オヤジが座った
そいつがもう足をこれでもかと言わんばかりに大開脚で逆ハの字
私の太ももからヒザにかけてオヤジの温もりが伝わる
ちょ ....
点滴を打たれながら、病室の窓から海を眺めていた。看護師が言うには、わたしは雪の降り積もる中、マーメイド海岸でひとり倒れていたらしい。音もなく波が白くよせている。意識が戻って二日たった。熱が下がらない ....
なんだか
なんでもほっぽらかして
なんだかなんでもいいような
なんのこだわりもないような
ぽつねんとしてしまちゃうような
午後はないか
うとうとねむたくて
ダイソーの105円のし ....
*
僕たちは午後から出発した
地面に句読点をつけるよりも速く
きれいな風が僕たちを追い抜いていく
足もとを通り抜ける
小さな音が風を追いかけていく
白いページにやがて日が傾き
それぞ ....
ドトールで女と待ち合わせ
といっても携帯時代
正確にはドトールで女の連絡を待っていたが
まるで、連絡が来ない
ドトール地下のライブハウスでは
メロコアバンドが「青春」について叫んでい ....
雑踏
踏み固められてゆく私の周辺
千日の光束に支えられ 見えない頭上
羽ばたけ フラミンゴ
雑踏の鳴き声を 書き留めるとしたら。。?
フラミンゴ 泣き声の彼方
一年はあっという間に ....
桜は冬に似るものだ
全ての赤血球が重たくて だるいのです
路上で 赤血球を磨いていた 彼女は 路上にそれをぶちまけた
死んだ魚の目をしたそれは 坂を転げていきました
それでもまだ 欲情している ....
朗読会の打ち上げで
ポテトサラダを
よそって、
くれた
きみ-
き、きききみリルケが好きだといったきみぼくは
きみの言っていることが
ぜんぜん分からなかった
魚民で
となりの席で ....
この都市の、上空100m
本当の本当に 都市のど真ん中にて
風に乗って舞い上がり
そこに留まっている羽毛
が、もしあるとするならば
僕はこの都市が好きになる
本当の本当に ど真ん ....
上上下右上BCBA下上上上下AB
右右右右A右右AABB右B下上B
下下下上上下右左下左上右上下左
左右下上上下右左A左A上下BBBC下上B
BBB下BBBBBBBBBBB上BBBBBBBBB ....
冬は好きではない。失業してから外出が減った。TVを見るか寝ているかだけで、二ヶ月が過ぎた。TVでマーメイド海岸のCMを何度も見る。海面から顔を出し泳ぐマーメイドの姿。面接や職安にも出かけるが、就職先 ....
彼らの背中にシーニュが張り付いている
左から順番に番号札をつけて読み上げられるタイルの床のふりして
絵の具のパレット積み重ね 色を次々塗りたくる
キャンバスも綾織りの凸凹を気にするよ ....
春も夏も秋も、わたしにとっては短かった。あれから一年が過ぎ、長い冬がまたやって来た。失業し、仕事を探している。
(しばらくは会社に行かなくてすむ)
わたしの元へは戻ってこなかったものもあった。 ....
ベルトの上を流れてきた
斑模様の機械製品の
ねじがゆるむこともなく
大きな箱の中で分解して
飛び散ることを目的とした
たくさんの鋭利な欠片となり
向こうの平野に沈んでゆく様子
ゆら ....
冬はまだ続いている。海からの光で、部屋は青に包まれている。神話の本を繰り返し読んだ。岬には女の顔をした鳥、ハーピーがいるという。元は風の精ともいわれている。そのハーピーが舞う岬から、水平線の彼方を見 ....
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