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天使と間違えられた悪魔が
今まさに翼を拡げて地上を去るところでした
人々の彼への愛は(またはその逆も)確かだったはず
なのに彼の血が自分達と違うのを見ると
一同揃って鍋に蓋を閉めました
....
ジューン・ブライドだね
チャペルの外は太平洋高気圧
反射がすごいね 気絶しそうだまばゆい純白
ブーケを抱えて大切そうに
まるで貴女は幸せの{ルビ女神様=Goddess} おめでとう{ルビお姫様 ....
これを愛などと呼ばないで欲しいね
セックスは白痴の時間だよ
会話にもならないこんな行為、誰とでもできる
双方、
己が器官の快楽を追求しているだけだ
ああ、69ね アラビア数字はエロいよね ....
宇宙から地上へとのびる滑り台を滑り降りて僕らは生まれた
あまりはっきり覚えてないけどあの光景をもう一度見たいから
僕らは長い時間をかけてより高い宇宙への階段を登ってる
お前の母ちゃんの子宮にはアリゾナの青い空があって
乾いたハイウェイ沿いにただ1軒あるガソリンスタンドで
お前の父ちゃんが働いていたんだよ。
ただお前は地下に埋設されたガソリンタンクからではなく
....
かつて若者と呼ばれた者ども
シェミハザの血を受けつぐ我々の
集う先は彼の山にある
神でも徳にでもなく
己の名に背を向けた
かつて若者と呼ばれた者ども
子を持つことが許されるなら
せめ ....
*一時限目 数学*
美しき微分/麗しき積分/淫らな糖分=知性の所望するもの<睡蓮たちの睡魔
無限の輪っか((エタニティー=ハニーディップ×2))
を、黒板の隅に小さく描く
カリカリカ ....
{引用=
不完全な過去 不確実な現在 無知な未来
・
カスタネットの赤と青が嫌だったから
いつも校庭のすみっこで地面に円を描いてた
繋ぎ目がゆるんで共鳴しなかったから
いつも答案用 ....
ばあさんが男を一人しか知らないとしても
人生の物足りなさはそこに在るのではなく
今日もやかんの熱湯をポットに注ぐことや
皺だらけの寿命の尽きるのが
再来年でも明日でも変わりはしない
そのこと ....
難破船が、出港する。船であるからには。海が。あるからには。心優しい、友人たちよ。惜しまないでくれ。わたしは。幸福とひきかえに、世界を。手にするのだから。
※
棒のようなものを、ふりまわす。 ....
愚鈍たちの戯言は無視しなければならない
誰々がこう言っていましたよ、たいへんですね、
愚鈍はそうきみに話し掛けてくるかも知れない
きみよ、それを信じるなかれ、その物言いに惑わされるな ....
{引用=
空っぽの水瓶がひび割れる音がする
誇りを失ったその時は殺して
無様に誰かの足元に跪くことのないように
空想の純潔を
手折る薔薇を
遠視する愛を
合わせ鏡に映して
時々 ....
じぶんの人生じぶんが主役
じぶんが君子だ王様だ
自動販売機に腹を立てても
そこはじぶんの人生だ
主役は自動販売機ではない
季節が巡ろうと
スーパースターがなにを ....
綺羅星の王冠を眺めながら
骨のようにかたい胡桃をほうばる
失楽園からの贈物に
境目のない儚い理想を夢見ながら
昨日の怒りを
今日の喜びとして享受して
往ったり戻ったりする荒野の ....
私の中の音楽達は皆
荷を詰め込んだトランクをもって出ていきました
だから今は
産まれたてのように静かです
ただ目に映る春をのぞいては
女の声は殆どが水で出来ている
舐めとればそれはひどく甘ったるくて
お祭りの屋台で食べた綿菓子みたいに
口がべとべとになってしまうんだ
男の声は殆どが煙で出来ている
吸 ....
苺味の苺
琥珀色の琥珀
とても人間らしい人
そんなものはどれもありません
それでは出口はどちらに
そんなものはありませんよ
だって入り口さえなかったでしょう、此処には
忘れ去られた 古い校舎
人知れず
ひな菊が一面咲く
小さな 白い縁取りをした
数知れぬ麦藁帽子
花の絨毯は緑に抱かれ
さやかな風が吹き 過ぎる
もう夏の気配を孕んだ晩春のそれは、
....
{引用=
いなくなったきみを探していたら
僕は自分を見失ってしまった
砂浜を歩くたどたどしい足元が
早く何処かへ連れて行ってくれないかと
波にさらわれることを望んでいるこころは
宙に浮 ....
二機は、一晩中逃げ回っていた
飛行機は、蜘蛛の巣に引っかかっていた
「プレーンモビルって言うんだよ」
「ふーん」
夜、僕らの残骸が、露に濡れて光を放った
蜘蛛、手をつないだ僕と君
バランスをとって緩や ....
駆け上がったスケールの天辺で
頭にティアラを乗せられた途端
3オクターブ下の森へと転がり落ちた
黒鍵に打たれた身体に赤い痣が散る
地面に投げ出された
ティアラの真直ぐで静謐な輝きは
脆い影 ....
卵に言葉を教えた
教えた言葉を
卵はすべて覚えたけれど
口がなかったので
話をすることはなかった
雲が形を変えながら
夏の空に消えていく
わたしが生まれてから
何度も見たそ ....
社会をはみ出し
坊主とやくざ
空(くう)に
般若心経撒き散らし
それ 有り難がたや
有り難がたや
老若男女が踊り狂
え〜どえ〜どの断末魔
江戸八百八町
と言える都心は ....
{引用=
雨が降っているの
こころの奥深くで
あの夜のような朝からずっと
それでも空は晴れているから
傘もさせずにびしょ濡れのまま
けれどあなには見えない
魔法のような
私を支 ....
フラれたい
もう一度あの娘にフラれたい
いや何度でもフラれたい フラれていたい
フリ回されていたい
フラれた時のあの悲しみが忘れられない
あの時ほど愛が愛らしく感じられたことはない ....
降る暮れの火と刺さる樹と
青と蒼と青と蒼
うなずくように
言葉なくす灯
花間のなかの蕭索
舌の上の山茶花
冠 冠
手に手をわたる
影 にじむ影
海 ....
門のところにクラゲが大量に発生していた
透き通ってきれいな形をしているのに
触手に毒のある種類なので
外に出ることもできない
裏門から出ようとしても
この家には裏門がないし
裏 ....
{引用=
それぞれに交差する
よっつのひとみ
そのやわらかな表面は
甘いのだろうか
それとも潮の
見詰めれば
卵黄を飲み込むように
喉を滑らかに落ちてゆく
嗚呼
同 ....
鉛色の岸辺
蒼い木馬が燃えている
塩辛く 蝕まれた 薄い身体を 震わせて
揺れている
錫色に泡立った 波頭の拍子を 執りながら
砂の一粒一粒は 鋭く ....
あらゆる情念は鳥のように去りゆき、今やもう海の彼方
きみの温めた卵はもう何処にも見当たらない
いづれ粉砕されるのを知りながら体温を分かち
最後まで希望と名付けることはなかった
そんなきみの熱情 ....
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