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空の涙は
私の手のひらで
悲しみを預けながら
そっと
冷えた空気に混じりあう
音もなく消える
その悲しさを
何に伝えたらよかったの
<余分三邪鬼>
脂肪
最後に君と食べたネギ塩カルビ
泣きながら飲み干した生ビール(大)
美味しくも哀しい想い出の数々が
僕の内臓にぴったり寄り添って離れない
鏡を見 ....
夏になると 春色づいてた花は散り
青々と茂る緑の木に変わる
木は二本 三本と増えていって
林になる
林がたくさん集まるといつの間にか
森になる
コンクリートの社会に住む現代人は ....
泥炭の下に閉じ込められた沼沢地、
蛙にならないおたまじゃくし、
時間をなくした植物たちの白い夢、
動かないげんごろうの開(あ)いた口、
生きたまま化石になろうとしている沼は、
寒天のよう ....
手のひらで乾きつつある血の色や
頬についた砂つぶ
それを指で払い落とす
あの
ざらざらとした手触りに
あの
深さをまして沈む色に
瑞々しさはあって
血の色が
紫がかっていた
だ ....
深夜二時過ぎ 携帯のサイト覗いて
甘い言葉を書き連ねる 物語に吐き気がして
慌ててトイレに駆け込んだら 何処からか血の匂いがした
掻き消すように 狂ったカクテル喉焼けるまで飲み干して
動けなく ....
木枯らしが吹いて 柳が鳴く
ぐるぐるネジを巻くと 明日が育つ
ダーツ遊びで 二の腕だるい
狙い通りには 上手くできないな
時計が壊れても
太陽は昇るよ
無邪気に地球儀をま ....
午後11時
駅を降りる
日付が変わる前に
帰宅できるのは珍しい
改札を出る
駅前は閑散としている
暗い
元々店は少なく
その少ない店も
すでにみな閉まっている
コンビニさえない ....
皆が寝静まり
子供は子犬の夢をみて
星空輝く空の下
突然切り裂くマイケルの奇声
ほーっ
明かりを煌煌と付けた一室から
それは洩れ
街中に響き渡る
ほーっ ....
乾いた南風にたゆたう
季節のゆらめきが
消えた午後
突然振り返る
反射は音もなく熱を帯びて現れては
空と息継ぎの境界線を漂う
撥ねる水飛沫の淡い影
触れてすぐに手を引っ込める ....
夜のレモン。
堤防の上で君と、レモンと
夜のレモン。
夜のレモンを齧る、少し寒くなってきた。
夜のレモン、なぜこんなにも、ごつごつと、緑色で、
死体のまぶたのような、ぶ厚い皮でおおわ ....
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